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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2007年07月20日

あれから3年 成年後見の光と影

あれから3年。(詳しくは過去のブログ
「後見人の仕事」
という悲しいエントリーをお読み下さい。)

これがきっかけで現場の仕事を嫌がり、法人後見委員会で間接的に成年後見を支える活動のみをするようになって3年が経過しました。

高校の頃、理数科という特殊な医者養成クラスにいた関係もあって友人には医者がかなりいます。医者も様々で、
脳外科のエグい手術が終わってすぐに「ユッケ」が食べられるタイプもいれば、
診ていた患者が亡くなってはヘコんで鬱になってしまうようなタイプもいます。後見業務もこれに似た部分があるのかなと感じたりしています。

過去のニュースで、司法書士の後見報酬が高いと問題になったものがありました。報酬が高い・適性・安いで問題になったりする中で、
はじめから騙すつもりで制度を悪用したニュースもあります。

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<成年後見詐欺>元行政書士が制度悪用を供述、追送検へ(7月20日3時4分配信
毎日新聞より、一部仮名)

 成年後見制度に絡んだ詐欺事件で、1人暮らしの女性(94)
の預金を詐取したとして起訴された元行政書士、Y被告(47)が、警視庁組織犯罪対策4課の調べに対し
「制度を悪用して財産を勝手に売却するために女性と任意後見契約を結んだ」と供述していることが分かった。
女性がさらに計1900万円を詐取されていたことも判明。同課はY被告らを詐欺容疑で20日にも追送検する方針を固めた。
被害総額は4650万円に上ることになった。

制度を悪用しようとする輩は問題外ですが、制度の欠陥をついた卑劣な犯罪が今後起こらないのをただ祈るのみです。

とここまではシリアスな話でしたが、ここから告知。
最近本の締切がとかブツブツ文句を言っておりましたが。この制度に関する本が来月出版されます。

(仮)すぐに役立つ 成年後見のしくみと手続き(三修社)

発売されましたらこちらも (‘-‘*)ヨロシク♪ 結局宣伝になっちゃいました(笑)。

クイズやってないからピンチ(笑)。

2007年03月01日

法人後見委員会です。

これから例の法人後見委員会です。最近更新難しく、失礼しっぱなしで申し訳ないです。
 

2007年02月14日

成年後見人逮捕、またです。

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財産を着服容疑、認知症女性の成年後見人逮捕…兵庫
 成年後見人の立場を悪用して、認知症の高齢女性の財産計約800万円を着服したとして、神戸地検特別刑事部は14日午前、女性のめい
(53)(兵庫県明石市)を業務上横領容疑で逮捕した。

 調べでは、めいは、
神戸市内の老人福祉施設に入所していた女性の成年後見人だったが、2003年から05年にかけ、
女性の所有する鳥取県内の土地を勝手に売却したり、預貯金を引き出したりするなどして、計約800万円を着服した疑い。

(2007年2月14日14時41分 
読売新聞より引用

こんなニュースをご覧になると「なんて悪いめいだ。」みたいな感想を持たれると思いますし、私もそう思います。
でも一般市民が後見人に就任した際に、あるいは就任前に「後見人としての心構えあるいはそれに近い研修のようなものを徹底してもらえれば、
この手の事件は多少は減るように思います。

親族後見人には、罪悪感が欠如してるというか根本的なところが抜けていたりすることが多かったりします。
(もちろんちゃんとした方もいらっしゃいますが。。。)リーガルサポートで一般市民向けの研修を行っていますから、
身の回りに後見人に就任する方、している方がいらっしゃったら受講するようにお伝え頂ければと思います。

これから無料相談に行ってきます。短めですが失礼します。
 

2007年01月25日

法人後見委員会へ

今日は予定通り法人後見委員会出席のため、四谷の司法書士会館に行ってきました。

いつも入り口にあるモニターに「法人後見委員会」の文字がありません。

 

う〜ん… “σ(._.@)

 

「まあそんなこともあるな」と5Fのフロアへ

「法人後見委員会」の貼紙もありません。

 

う〜ん… “σ(._.@)

 

いつもの部屋を覗くと違う委員会やってます。

慌ててスケジュールを確認。

 

 

ガ━━━━(;゚д゚)━━━━━ン

 

 

委員会は、明日でした。。。

il||li _| ̄|○ il||li

2006年11月24日

認知症の女性宅を許可を得ず担保

「司法書士のイメージアップになれば」との思いで、ブログを更新しているのですが、新聞に報道されてしまっては仕方ないです。
またまた司法書士の失態。。。

 



認知症の女性宅を許可を得ず担保に 熊本法務局 元後見人を処分
 玉名市の介護施設に入居している認知症女性の成年後見人だった熊本市の司法書士(56)
が、家庭裁判所の許可を得ずに女性宅を借金の担保(根抵当権設定)に入れたなどとして、
熊本地方法務局から戒告処分を受けていたことが22日、分かった。

 熊本家裁玉名支部は02年7月に後見人を解任。法務局は05年7月に戒告処分にした。

=2006/11/23付 西日本新聞朝刊より引用=

 以前東京で揉めたケースとは異なります。司法書士が高い報酬を得ているなどの部分は0です。強いて挙げるなら、
自分が後見人として関与している案件の登記申請を自ら行ったぐらいでしょうか。報道によると根抵当権の極度額は800万円。
悪い司法書士が得する場面でもなんでもありません。

 

 

ここから私見です。事実と違う部分もあると思いますが、
リーガルサポートの本部の法人後見委員としての経験からこの事件を想像してみます。ただの想像ですので、
事実と違うところがあるかもしれません。

事件の起こったのが2001年12月、同じ月に根抵当権を設定しています。これは、
後見人に就任してタイミング良く、根抵当権設定の話があったのではないでしょう。恐らく、根抵当権を設定する障害があったので、
登記を担当した司法書士が後見人に就任したと考えたほうが自然です。

司法書士が成年後見制度の拡充のため、リーガルサポートが法務大臣の設立許可を受けたのが1999年12月。
この司法書士の就任はリーガルサポートが設立してまだ時間がさほど経っていない時期です。

今でこそ、法人後見委員会なども機能し、リーガルサポートに所属している司法書士も増えましたが、事件の起こった2001年12月は、
まだまだ未成熟な頃。未成熟だから、こんな事件を起こしていいというのは言い訳にもなりませんが、
成年後見という分野での不慣れな部分が出てしまったのではないかと思います。

マニュアルも不十分で、
また熊本を含め地方でのリーガルサポートの支部が支部としてうまく機能していなかった時期の特有の問題ではないでしょうか?

後見人となった地方の司法書士を十分サポートできなかったのは、組織にも一因があるように思えます。
決して後見人として本来あってはならない事件ですから、こんな判断をしてしまった司法書士は、許されないものと思います。しかし、
担当した司法書士が気軽に相談しうる先を提供できなかったのは、組織の体制にも問題があったのかなと思ってしまいます。

地方では不動産登記が主流、成年後見の担い手は数える程しかおりません。新人を含め、
新たにこの成年後見の分野で活躍したいと思っている司法書士が安心して業務が出来る環境を整えるため、
本部支部での体制を強固なものにしなければいけません。

ちょっと自分の所属している本部批判にも取られてしまうかもしれませんが、本部は本部で相当やっているんです。
うまくいかないもんですね。。。