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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2015年07月31日

パスポートと運転免許証でもダメ

以前こんなブログを書いていたのを覚えてらっしゃいますか。まだ商業登記規則が改正される前のものですが、

海外在住の外国人が取締役等に就任する場合
http://shihoushoshi.main.jp/blog/archives/002936.html

各国のサイン証明は、コピーを保管しており、だいたいどんな形式のものになるか分かりますので、実務上は、サイン証明を使うことが楽だろうなと思っておりました。

今回外資系企業で、急に取締役が変更になりました。もちろん新任の取締役は、海外在住の外国人です。幸いなことにパスポートと運転免許証はすぐに送ってもらえるというので、「サイン証明じゃなくてもいいかな〜。」と思っていたところ、パスポートと運転免許証のコピーが送られてきました。

「あちゃ〜。」

パスポートにも運転免許証にも住所が記載されておりません。提出先が港出張所だったので、ダメ元で「これじゃダメですか?」と無謀な相談に。

結果は、やっぱりダメ。

「写真付きのパスポートがあれば実在してるのくらいわかるだろ。」(心の声)

最初、実務上は、サイン証明を使うことが多くなるとか言っていましたが、パスポートと運転免許証の2点セットでも受理されないという実際の運用を目の前にすると、段々腹が立ってきました。

そもそも本人確認証明書が必要になったと説明したり、じゃあ具体的には何かを説明したり、パスポートと運転免許証のコピーを入手したり、ダメ元で法務局に相談に行ったり、

「まあ〜手間増えた。」

状況に応じての判断でしょうけど、もうちょっと運用軽くしてもらえないかな。

愚痴です。愚痴(笑)。

2015年07月28日

資本金0円の合同会社を設立

ご存じでしょうけど、株式会社の場合は、出資額のうち2分の1を超えない額は、資本金として計上しないことができます。

(資本金の額及び準備金の額)
第四百四十五条  株式会社の資本金の額は、この法律に別段の定めがある場合を除き、設立又は株式の発行に際して株主となる者が当該株式会社に対して払込み又は給付をした財産の額とする。
2  前項の払込み又は給付に係る額の二分の一を超えない額は、資本金として計上しないことができる。

登録免許税も安くなりますし、よくある話です。

これが合同会社だとどうなるかもご存じでしょうけど、合同会社には、上記が適用されません。というかそもそも資本準備金がありません。資本金に計上しなかった額は、その他資本剰余金として計上されます。

そこで
出資額 100万円
資本金   0円
(出資金の全額を資本剰余金とする)

というのも理屈の上ではありです。
先日、理屈ではありな資本金0円の合同会社を設立する機会がありました。

本当に登記が無事に終わるか心配ではありましたが、登記簿には、

「資本金の額 金0円」

と記載され、無事に登記が完了しました。

話題性としては、いいネタだったでしょうか(笑)?

2015年07月21日

未経験です。

商業登記規則や会社法の改正の対応はそこそこ経験済みでありますが、まだ「婚姻前の氏」(商業登記規則第81条の2)の記録は経験しておりません。先日設立の場面で「婚姻前の氏」を登記したいというお客様がおり、「やっと経験できる。」と思って準備も終わったのですが、直前で「やっぱりなしでお願いします。」という結論。
雛形まで作成し、準備万端ですが、未だ0です。

そもそも登記の対象が少ないというのもありますが、思ったよりニーズが少ないってことでしょうか。

役員変更で重任する場面でも、「ちゃんといちいちどうするか確認しましょう。」という運用にしたのですが、そもそも女性の役員が少ない。。。

そのうち経験することになるんでしょうけど、いつの日になるでしょうか(笑)?

2015年07月15日

「東京開業ワンストップセンター」の最新情報

4か月ほど前に、「非在住者が30分で起業」のブログ記事で紹介した。「東京開業ワンストップセンター」の最新情報。

東京開業ワンストップセンター、会社登記ゼロ(河北新報 7月15日)
  起業促進を目的に国と東京都が4月に開設した「東京開業ワンストップセンター」(東京都港区)で、会社設立の登記実績が1件もないことが14日、分かった。国家戦略特区の指定に伴う全国初の窓口として、会社設立の煩雑な事務手続きを一元化したが、現時点の成果はいまひとつ。同特区に内定した仙台市でも同様なセンターの設置予定があり、具体的な計画づくりに影響が及びそうだ。(以下略)

うちの法人が完璧に邪魔している訳ではありませんが、ちょっと悲惨な結果になっているみたいですね。年間で数千万の運営費がかかっているようなので、このままでは非常に厳しい状況のようです。

やはり会社設立の実績としては、司法書士のほうが知名度が高いということでしょうか。現時点で会社登記ゼロだとしても、「東京開業ワンストップセンター」の所在地は港区赤坂。

うちとめちゃ近いんですよ。お気の毒ではありますけれど、正直大活躍してもらうのも、ちょっとどうかなという微妙な感じでございます(笑)。

今日はこれから他支部の同業者と飲み会です。彼らと会うのは久しぶり。ダイエットの途中ですが、83キロ台になった私を見てどういう反応をするか多少は楽しみです。
では。

2015年07月10日

商業登記の記述問題確認しました その3

昨日のつづき。
「何でこれ事前にやってるんでしょうか?」という出題形式は、バリエーションも多いですし、実務で工夫しているところでもあるので、今後も同様の出題は期待したいですね。

さて募集株式の発行について。
問題見ると、募集株式の発行の部分がかなり多いんですよ。しかも例年のような「どうして登記できないか理由を書かせる」解答欄もありません。

対象の会社は、募集株式の発行の決議の前に、取締役会非設置から取締役会設置会社に定款変更していて、割当先の決定機関が取締役会になっています。しかし株主総会で決議しちゃっている。。。登記できないか理由を書かせる問題でよく出題される決議機関の間違いなんですけど、「どうして登記できないか理由を書かせる」解答欄がない試験問題で、あえて募集株式の発行を登記しないという結論を出さなければいけないというのは、厳しいかもしれません。

受験生には厳しいかもしれませんが、実務でこれ見落としでもしたら、大変なことになります。担当者が作成した株主総会議事録(案)をチェックして、決議機関の間違いを発見するのは、割と「秒殺!」

種類株主総会の開催が必要かどうかは、我々も気をつかうところですので、種類株主総会の開催の有無だけをもって、登記しないというのは、問題としては厳しすぎます。でも登記できない理由が、それだけではなくて、決議機関の間違いもあるので、そういう意味では、ヒントはちりばめれれているのかなと。

時間的な制約があるので、仕方なかったのかもしれませんが、「どうして登記できないか理由を書かせる」解答欄があれば、受験生の実力が正確に反映される問題だったと思います。