業務日誌
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2003年8月1日(金) ちょっとブルー
とうとう8月になってしまいました。今月で38歳になります。40歳が目前に迫りなんとなく嫌な感じです。さて気を取り直して。

以前よりたびたび遺言の話をしておりますが、今日変わったことがありましたので、また遺言の話。遺言には全文を自筆で書くタイプの自筆証書遺言というのがあります。今日持って来られたものも確かに全文が自筆でしたが、署名捺印がなく、しかも鉛筆で書かれた日記でした。これが相続人間で争いがあると大変なところですが、相続人間で争いがなく、本人の意思を尊重して日記の文面通りの遺産分割を行うそうです。「このように遺産分割します。」と、依頼者から日記の該当部分を見せてもらいました。
日記の最後のページであり、日付が亡くなられた日のものでした。あれ?っと思っていると、「自殺だったんです。」と一言。重いですね。ちょっとブルーになってしまいました。相続は本当にいろんな事がありますね。今日深い人生勉強をさせてもらった気がします。

P.S.
話がちょっと重くなってしまいましたが、今日これから支部セミナーです。例の特別研修についての勉強会です。講師を頼まれたので正直気が重いですけど、なんとか頑張ってきます。
2003年8月4日(月) 事務所同時来訪者数の新記録
東京ではようやく梅雨も明け、蝉の声も聞こえてきました。太った私には厳しい夏本番です。事務所の中のスタッフと私では体感温度が違うみたいで、冷房のスイッチをつけたり、消したりの攻防が繰り広げられています。厳しい北極で生活する動物が大型化する科学の神秘を実感してます(笑)。
先週末のセミナーの講師役も無事終了し一安心です。2時間の枠が取ってありましたが、そんなに話すことも無いので1時間程で終了しました。1時間ではありましたが、次回の特別研修を受講者用に傾向と対策を説明しときました。ちょっと厳しい話をしましたので、ビビッた方もいらっしゃったみたいです。しっかり予習・復習をしておけば問題ないと思いますので、2回目以降の受講者の皆さん、頑張って下さい。

今日の午後、一度に20人ぐらいの方が事務所にお見えになりました。(事務所同時来訪者数の新記録?)しかしそのおかげで2時間程全く仕事になりませんでした。
「なぜに20人?」という状況ですが、商売繁盛って訳でもありません。事の詳細は、守秘義務解禁日(普通の仕事では守秘義務も解禁になりませんけど。。。)にお伝えします。こういう商売やってると色々ありますね。
2003年8月5日(火) トホホな一日
今日も一日暑かったですね。夕方突然スコールのような雨も降りましたし、気分は亜熱帯です。今日は8月だというのに忙しかったです。いったん忙しくなるとなぜか急にまた急ぎの仕事が入ってしまいます。マーフィーの法則のようです。一日中忙しいと忙しい神様が舞い降りてしまいます。
こんな日に限って急な謄本取得依頼(コンピューター庁ではないので、直接行かなければなりません。)があったりします。しかも「今日の5時まで」と時間まで指定されてました。手分けして取得した謄本をバイク便(1時間便)で出したのが3時半。やれやれ間に合ったとホッと一息ついて次の仕事をしてました。
その仕事も終わり、そろそろ日誌でも書くかなと思った時、片付けていた書類の下から今日依頼されていた謄本の一部が出てきました。「ゲッ。バイク便に入れ忘れた。。。」声にならない声を出し、時計に目をやると4時40分。バイク便も間に合いません。電車・タクシーの無理です。バイクなら間に合うかとバイクを飛ばしてお客のところへ向かいました。ようやく着くかなというところでスコールに降られてしまい、ビショビショになってしまいました。おかげでどうにか時間には間に合いましたが、ガックリです。
こんなトホホな一日もたまにはあります(笑)。
2003年8月6日(水) ささやかな祝賀会
昨日は、特別研修で一緒のグループだった人達とささやかな合格祝賀会をやりました。今後の訴訟関係業務などについて熱く語り合いました。100時間の研修中一度も飲みに行かなかった微妙な間柄ですが(笑)、有意義な時間が過ごせました。話題の中心はやはり「合否の判断基準」でした。「なんであの人が落ちるの?」とか「なんであの人が受かってるの(笑)?」とみんなで首を傾げていました。この日集まったメンバーは全員港支部ですが、先週末のセミナーにはだれも参加してませんでした。なんで欠席したか聞いたところ、「だって申込が発表の前だったから、落ちてたらツライでしょ。」なるほど納得ですが、合否未定の状態で講師を引き受けるほうがツライと思いますけど。。。
メンバーが訴訟代理人として法廷に立つ日には、是非傍聴席で応援したいと思います(笑)。
P.S.
最近支部やリーガル・サポートの役員会が多いです。今日はリーガル・サポートの担当部門会議、明日は支部の役員会です。6時から始まりますので、日誌を書いてる時間がなかなか取れません。今日もまた中途半端な内容になってしまいました。
2003年8月7日(木) 四十肩
突然左肩が痛み始めました。まさかこれが噂に聞く『肩関節周囲炎−いわゆる四十肩』なんですか?最近運動不足なので腕立て伏せでもやらないと、とやり始めたところでした。明日にでも痛みが引くといいんですけど、40歳に近づいている自分を実感させられました。
話は変わって登記のお話。最近登記の話が少ないですけど、久しぶりに。登記申請は決まりきった書式通りの申請ばかりではありません。商法改正になった直後など、当然雛型がありません。不動産でも特殊な案件ですと処理に困ることがあります。こんな場合は所轄の法務局に相談に行きます。今日もちょっと変化した案件があり、相談に行きました。無事解決したのですが、その後法務局の担当者から電話がありました。まさか相談結果が覆ったのかと一瞬不安になりましたが、「先程の件、こちらの手違いで既に対応が済んでおります。申請の参考にお使い下さい。」とご丁寧に資料をFAXして頂きました。ここまで親切にしてもらっていいのかなあと思いつつ、ありがたく頂戴しました。毎回こちらの都合のいいような結果が出ればいいのですが、厳しい登記内容の時に限って厳しい結論を出されたりします。(泣きそうになりますけど(笑)。)ちなみに今日の相談は相続人がいない不動産の取り扱いでした。詳細はまた機会があったらご紹介します。

P.S.
今日はまた支部の役員会です。最近連日の飲み会で、アルコール漬けになりそうです(笑)。
2003年8月8日(金) 法務局からの電話
昨日に引き続き肩の間接のあたりに鈍痛があります。明日私の誕生日なのですが、老いを感じる誕生日になりそうです。

今日、東京法務局港出張所から電話がありました。たいていの場合法務局からの電話はいい内容ではありません。最近港出張所に変な申請はしてないし、何だろう?そう言えば、ちょうど今日相次いで会社の代表印を替えましたので、法務局の担当者が混乱して電話してきたのかと思いました。
ところが、「東京法務局港出張所の○○です。今回先生は法務大臣の認定を受けられたそうで、おめでとうございます。つきましては8月18日10時より、認定証の交付を行いますので、通知書と会員証を持参の上、事務局にお越し下さい。ご都合のほう宜しいですか。」との連絡でした。認定証は普通に郵送されるもんだと思っていましたから、ビックリしました。
法務局の方から「おめでとうございます。」と言われるのも初めてですが、これが最後でしょうね(笑)。

P.S.
この間まで忙しい神様が舞い降りてしまって、四苦八苦しておりましたが、ここに来てようやく夏休みっぽい空気を感じるようになりました。回りの先生は来週1週間夏休みだそうです。羨ましい限りです。
2003年8月11日(月) ゆったりとした時間
肩の痛みも多少和らいできました。やっと肩が治ったと思ったら、今度は自宅のクーラーの調子が良くありません。ただでさえ普通の人より暑いのに、たまりません。上野動物園でグッタリしているシロクマのような状態で、週末を過ごしました。週末の近所の公園にはセミを捕まえている子供たちがいて、いよいよ世間は夏休みというかんじです。広い公園でしたので、都内には珍しくアカトンボ、アメンボなどもいました。港区は商業地ですけど、探せばまだまだ自然が残っているようです。

今週に入ってさすがに法務局の人影もまばらになってきました。しかしながら6月総会の会社の役員変更の影響か、港出張所では申請から登記完了予定まで3週間かかってます。この世間が夏休みの内に、法務局(カレンダー通りで、13・14・15日も開いています。)では、たまった案件を処理してもらってえればと思います。
仕事関係の電話の本数もずいぶん減ってきていますので、今のうちにたまった書類・名刺の整理などをしています。ゆったりとした時間が流れていますので、興味を引くお話も全くありません。業務とは関係のないアカトンボなどの話もちょっとでも紙面を埋めればいいなあというセコイ考えから触れさせて頂きました。普段もネタ探しには苦労していますが、この時期はとても厳しいです。
2003年8月12日(火) 映画なにわ金融道 その1
この時期は暇だなあ。と余裕をかましていたら、突然忙しくなってきました。今日法務局から簡裁代理の通知書が送られてきました。来週いよいよ認定式です。

さて、先日の日誌の中で「今日の午後、一度に20人ぐらいの方が事務所にお見えになりました。(事務所同時来訪者数の新記録?)しかしそのおかげで2時間程全く仕事になりませんでした。」と書いてましたが、ようやく守秘義務も解禁になり、事の詳細を報告できるようになりました。
実は2週間程前、突然「すいません。事務所を撮影に使わせて欲しいのですが。。。」という人がやってきました。差し出された名刺を見ると『映画なにわ金融道 制作スタッフ』と書いてあります。聞くところによると、「映画の舞台は大阪という設定なんですが、撮影は出演者の都合もあり、全て東京でやってるんです。映画の中で司法書士事務所でのシーンがあって、港区で司法書士事務所を探してます。原作のイメージ通りに道路に面した一階の事務所を探そうと電話帳などで調べてみたのですが、なかなか一階になくて。。。」確かに一階に面した司法書士事務所は港区には数えるほどしかありません。探すの大変だったろうなと思いました。
「出演者の都合もあり平日の昼間に撮影させてもらいたいんですけど。。。」ちょうど忙しい時期でしたので、断ろうかなとも思いましたが、「これはいい日誌のネタでは!」と思い返し、「原作も全部持ってますし、喜んで協力させてもらいます。」と伝えました。ほっと安心した制作スタッフは、監督を連れてきます。というと出て行きました。(つづく←せこい?)
2003年8月13日(水) お盆休み
回りの先生は全てお休みになってしまいました。休みたいです。(特に日誌を(笑))。
昨日のつづきを書こうと思いましたが、急に夕方お客がいらっしゃいました。
「友人にお金を貸したけど返ってこないんです。」
きたきた裁判!訴えてやるか!とノリノリでお話を聞くと、「友人なので、裁判には。。。」とのお返事でした。結局友人の経営する会社の謄本を取得して終り。なんでかなあ。思い通りにはいかないですね。
ついでに裁判といえば、今日司法書士の同期が事務所に顔をだして「裁判やる気あるなら、こんな債権持ってますけど、訴えます?」と言ってきました。しかし話を聞くと債務者行方不明。(債務名義とっても意味無い。)自己満足のためなら、いい練習なんでしょうけどね。
微妙にこの時期なのに忙しくなってますから、裁判事務やる時間は余りないんですけど、ちょっとだけ興味ある今日この頃です。
P.S.
昨日つづきを書くと言っておきながら、すみません。また日誌もお盆休みを頂こうと思います。(ほんとすみません。)次回は18日(月)にアップします。
2003年8月18日(月) 映画なにわ金融道 その2
お盆休みも終り、すっかり平常業務に突入してしまいました。夏休みの余韻はどこにもありません(泣)。

さて、先日のつづき。
「監督を連れてきます。」と言って出て行ったスタッフは、しばらくして撮影隊10名を連れてきました。事務所の中のチェックし、写真を撮って確認していました。「ここで撮影しましょう。」という話になり、スタッフは帰っていきました。
後日、「日程が決まりました。」とスタッフが再度やってきました。平日の昼間撮影させて欲しいということだったので、こちらからいくつか条件を出しました。
@撮影中に電話がなった場合、こちらの仕事を優先させてもらう
A映画の最後に撮影協力として事務所名を入れてもらう
Bホームページに掲載してもいい写真をデジタル・データでもらう

@は当たり前として、Bはちょっと虫のいい条件かなあと思ってましたが、OKしてもらえました。全てHPのネタのためというかんじです。(←苦労してますね。)ただし、プレス・リリースまではこのことをHPで公表しないで下さいと念を押されました。(だからしばらく内容を書かないでいました。)
台本をもらって内容を見ると司法書士事務所名が粕田(かすだ)司法書士事務所になってました。一文字違いです(笑)。読んでみると灰原(主人公)が保証書による不動産登記を頼みに来るシーンのようです。以前保証書の話はしたと思いますが、司法書士にとってちょっと嫌なかんじのシーンです。

ちなみに登場人物は杉浦太陽(灰原)…昔ウルトラマンやってた人です、杉本哲太(桑田)、鈴木沙理奈、津川雅彦(帝国の社長)といった面子です。どんな映画になることやら?
(つづく)
2003年8月19日(火) 今度は会社法?
今日日本経済新聞の一面にも出ていましたが『新「会社法」制定へ』だそうです。また改正です。商法を初めて勉強した頃の商法の原型がこれでなくなります(泣)。2005年に通常国会に提出されるそうです。
現行の商法の第ニ編に株式・有限・合名・合資・外国会社の制度がまとめてありますが、ここの部分と現行の有限会社法、監査特例法を統合して「会社法」となるそうです。今後はこの部分の改正は、商法改正ではなく、「会社法改正」になる訳ですね。取締役の責任の緩和、中小企業への規制緩和、企業再編の促進などが盛り込まれるようです。中小企業への規制緩和では、株式の譲渡制限がある非上場企業の取締役は1名でも良くなるようです。(現行3名以上)
中小企業の中には、取締役3名が社長本人・奥さん・社長の父親などで構成されている場合が多々あります。社長が離婚してしまって、後任取締役が決まらないなんていう笑えない話もこれでなくなります(笑)。
実際の実務の現場も多少混乱はあると思いますが、改正改正に振り回される司法書士試験の受験生も大変そうです。来年までに合格しないと、条文の並びが変わりますから苦しいですね。気合を入れて頑張って下さい。

P.S.
タイムリーなネタがありましたので、映画なにわ金融道のつづきは明日。
2003年8月20日(水) すみません。また夕方ドタバタ
ちょっと夕方ドタバタしてしまって時間がありません。明日アップします。
無理です。すみません。
2003年8月21日(木) 映画なにわ金融道 その3
先日簡裁訴訟代理の認定式?が港出張所の所長室であり、認定証をもらいました。司法書士会員証も新しくなり(ただ簡裁訴訟代理関係業務認定会員、認定番号が追加されたもの、以前の会員証よりちょっと濃い青色です。一部でゴールドの運転免許のような金色の会員証になるという噂がありましたが、デマだったようです(笑)。)、いつでも裁判スタンバイという状態にはなりました。

さて話はまた映画に戻ります。
撮影当日、ドヤドヤとうちの事務所に20人もの関係者が入ってきました。事務所の外にも大勢のスタッフがいます。うちの事務所の看板部分に「司法書士粕田事務所」のプレートが貼られました。外から見ると既にうちの事務所ではなくなっています。
騒然としたかんじに近所の人たちも「何やってるの??」みたいな様子で中を覗いています。主人公の灰原も到着し、いよいよ撮影スタートです。舞台は大阪という設定なので、関西弁です。司法書士役(残念ながら、私ではありません(笑)。)の人が関西出身ではないようで、アクセントに苦労してました。
なにわ金融道の作者(青木さん)の体験をベースに書かれていますので、今の不動産登記とちょっと整合性のとれていない台詞(一部法改正された部分)が脚本にありました。スタッフにその旨を伝えると、じゃあ、台詞を変えましょうという事になってしまいました。マンガを読んでいた時から「この部分おかしいな。」と思っていましたが、まさか自分が訂正できるとは思ってもいませんでした。アクセントで苦労していた司法書士役の人は突然台詞まで変更されてはまっていました(笑)。
正直言うと「保証書での不動産取引をニコニコ顔で引きうける司法書士ってこの世にいないでしょう。」と思ったり、また大阪の法務局がコンピューター庁になっているのに、無理やりブック庁の設定も変だなあと思いましたが、これらを訂正してしまうと、ストーリーが変わってきてしまうので、さすがに黙っていました。
撮影も順調に終りましたので、ずうずうしくも台本に灰原(主人公)のサインをもらってしまいました。(事務所に置いてありますので、来られた方はみてください。)

P.S.
映画のほうは、来年公開予定だそうです。興味ある方は要チェック?です。
2003年8月22日(金) 麻布十番祭り
今日から3日間『麻布十番祭り』です。街に人と車であふれています。駐車禁止を呼びかけるパトカーがうるさいです。去年この祭りをやっているのを忘れ、新橋から事務所までうっかり車で移動してしまい、到着まで2時間(通常かかっても20分)渋滞にはまったのを思い出しました。夕方になると数万人が狭い街に集結してしまいますから、今年は、スタッフを4時には帰してあげました。
たこやき屋・金魚すくいなどの屋台が麻布十番商店街に延々と並びます。このスタイルのお祭りでは東京最大の規模です。下町のお祭りと違って、各国の大使館関係者が屋台を出すなどの変わったところがあります。地下鉄の駅ができ、六本木ヒルズもできましたから、今年の人出もすごいんでしょうね。
実は今日、関西の同期の司法書士と飲む約束をうっかりここ麻布十番でしてしまいました。なんとか場所は押さえましたが、2次会はうまく脱出しないと大変なことになりそうです。

業務日誌の原型がほとんどない内容になってしまいましたが、お祭りに免じて(?)お許し下さい。
2003年8月25日(月) 映画なにわ金融道 補足
事務所から通りを歩いている人たちの表情が見えます。今日は特に暑そうです。(こういう季節めいた事を書く時は、たいていネタ不足です。)
ギラギラした陽射に目を細めて歩いている人が多いです。稀にサングラスをして歩いている人もいます。サングラスの人を見る度に、「事務所に入って来ないで!」とお祈りしています(笑)。

ネタ不足なので、先日の「映画なにわ金融道」の補足。映画の中で主人公は地面師に騙されます。昔の地面師の話なので、手口が古いです。まず、法務局(コンピューター庁でないところ)で不動産登記簿を閲覧します。そこで登記簿の原本の該当部分を抜き取り、あたかも所有権が移転したように記入し、偽の校合印を押し、元あった場所に戻します。(注…これは完璧に犯罪ですので真似しないで下さい。詳細な手口は漫画「なにわ金融道」に紹介されています。)あとは、当該物件を購入しようとしている人が、この偽造された部分を信じて、売買代金を払ってしまえば犯罪完成となります。映画の舞台が大阪という設定という話はしましたが、今大阪のほとんどの法務局はコンピューター庁です。この手口を実行しようにも出来ない状況です。(コンピューター庁ですから、法務局のデータベースにでも侵入しない限り同種の犯罪は不可能です。)こういった事情で「脚本が変だ。」と言ってしまうと、原作からだいぶ離れてしまいますから、撮影当日は黙って見ていました。このあたりの事情を理解した上で映画をご覧になると面白いかもしれません。
2003年8月26日(火) 結論 やっぱり友人にお金を貸してはいけない。
世の中では良く「友人にお金を貸してはいけない。」とか言いますよね。友人といっても幼馴染だとか、小学校や中学校がたまたま同じだったとか、大学のゼミが同じだったとか、会社の同僚、結婚式に呼んだ親友など様々です。小学校や中学校がたまたま同じだった友人がお金を貸してといってきても断ることのほうが多いと思いますが、自分の結婚式にまで呼んだ親友が困ってると頼んできたらどうでしょう?やっぱり貸しちゃうんでしょうか?お金をあげるつもりで貸すんならいいんでしょうけど、大きい額だとそうもいかないでしょうね。ちょっと道徳の時間みたくなっちゃいますけど、友人にお金を貸すことの基本はやっぱり「ただであげる。」でしょうね。あげられない額なら、貸さないほうがいいんでしょうね。
返済も厳しい取立て先を優先し、あいつだったらまだ許してくれると返済も最後の最後になりそうです。(最後でも返済してくれるなら、まだマシなんでしょうけど。。。)
簡裁の代理権がありますから、やろうと思えば「訴えてやる!」という人の味方にもなりますけど、相手が友人だと裁判に勝っても後味が悪いでしょうね。無二の親友に頼まれて、断るに断れないなんて事もあるでしょうけど、お金を貸さないで関係が悪くなるほうが、法廷まで引きづり出して関係が悪くなるよりよっぽどマシな気がします。法的な解決方法を検討しながら、ちょっと複雑な気分になります。
2003年8月27日(水) 冷たい汗
来月中旬「全国一斉成年後見無料相談会」が社団法人センター・リーガルサポートの主催により全国各地で開催されます。平成12年4月1日より新しい成年後見制度が施行されてから3年が経過しましたが、家庭裁判所などの業界関係者以外にはなかなかこの制度が浸透しているとは言えない状況です。リーガルサポートでは、この機会に成年後見・遺言・相続などに関する無料相談会を開催し、より市民に成年後見制度の普及させようとしています。
地域のリーガルの担当者は、この無料相談会の内容・日程などを記載したポスター・チラシを区役所等に配布しなければなりません。

港区用の資料が今朝届いたため、今日は午前中から港区役所と港区の社会福祉協議会へ行ってきました。さすがに区役所と社会福祉協議会の担当者は、この分野に明るく、色々質問されました。私は今偉そうにリーガル・サポートの役員をさせて頂いてますが、実務的にはまだまだの段階です。会社法務の質問なら、すんなり答えられるんでしょうが(?)、なにせ成年後見。制度のことならまだしも、リーガルサポートの活動実績など具体的な数字を求められてしまい、冷たい汗をかきながら、シドロモドロで説明してきました。冷たい汗を拭きつつ、「これじゃ新人営業マンだなあ。」と数年前?の新人サラリーマン時代を思い出してしまいました(笑)。たまにはこんな経験もありですかね?
2003年8月28日(木) ネタ不足だったので。
6万年ぶりに火星が大接近しても、業務日誌のネタにはなりません。スムーズに仕事がはかどるのはいい事なんですが、日誌のネタ的にはツライです。さっきからネタを考え続けて1時間が経過(泣)。最近ネタがないないといいつつも、ここまでツマル事がなかっただけにかなり追いこまれてます。

と1時間経過したところで、今日は復代理のお話。(ちょっと暴露ネタっぽくて書くのが嫌だったんですけどね。)
過去の日誌で「登記申請は当事者出頭主義ですよ。」というのは何度か触れたと思います。登記するのには不動産や会社がある地域の法務局に実際に出向いて申請をしなければなりません。支店所在地における登記など一部例外がありますが、基本は郵送不可です。
うちの事務所でも北海道から沖縄まで登記申請していますが、実際に地方に行って申請することは多くありません。じゃあどうしてるのかというと「他の司法書士に復代理」を頼んでいます。これはお客が私に登記を委任し、私が更に他の地方の司法書士に委任しているのです。(復代理といいます。)具体的には地方の司法書士に書類を郵送し、その現地の司法書士がその法務局に出頭して申請します。登記が終ると必要書類をその現地の先生がこちらに送り返してくれます。旅費・日当の問題などからよくこの「復代理」は行われています。うちも良く他の事務所に頼みますし、逆に頼まれもします。先日も本州以外の司法書士から復代理を頼まれました。「復代理の前提として類似商号の調査をお願いします。」という話だったので、類似を調べて結果を連絡しました。すると復代理の内容は本店移転。(業界関係者なら既にオチがわかったと思いますが。)

【登記一口メモ】
会社の本店移転の登記は経由申請というやり方です。旧所在地の法務局に旧所在地の申請と新所在地の申請を合わせて提出し、旧所在地で登記内容の調査が済むと新所在地の法務局に申請書が送られます。つまり本州以外の旧所在地から東京都港区に本店を移転しても、申請は旧所在地でやれば終る訳です。私の手助けがなくとも登記は完了します(笑)。

私「先生、これ移転してから、何か別の申請あるんですか?」
先生「え?役員変更はありますけど?」
私「役員変更はそちらでやって移転するんじゃないんですか?これ本店移転ですよね。」
しばらく沈黙。
先生「あっ。。。そうですね。そっち関係ないですね。ごめんなさい(笑)。」
地方じゃあんまり管轄外の本店移転やらないんですかね。このネタを日誌に書くのは気が引けましたが、ネタ不足で追いこまれていましたので(笑)。何卒お許し下さい。
2003年8月29日(金) 「広告載せませんか?」
今日どこぞの広告代理店の営業から電話がありました。
営業マン「簡裁の代理権の認定を受けられたそうですね。HPを拝見しました。実は○○○○新聞で「こんな時は身近な法律家へ」という特集を組みますので、先生の名刺広告を出されたらどうですか?費用は、○○万円です。いかがですか??」との内容でした。思いっきりお断りしましたが、それには理由があるんです。
電車に乗ると弁護士の広告があったり、新聞・雑誌などに他の士業の広告が掲載されていたりします。
我々司法書士も商売でやらせてもらってますので、他の士業や普通の会社のように広告が打てるといいなあと思うこともあります。が、我々の業界ではまだまだ広告は解禁されてません。司法書士としての品位に関るというのがその理由のようです。このルールを破るとたぶん司法書士会から注意を受けるんじゃないでしょうか。消費者金融の広告がスポーツ新聞やパチンコなどの雑誌にいっぱい載ってますが、例えばその広告の隣に「自己破産をお考えならここにお電話を!」なんて広告を掲載するのはやっぱり問題ありそうです。
ちょっと前までは、ホームページに事務所名や電話番号を載せるのも多少の問題があったぐらいです。新聞広告なんてもってのほかです(笑)。こんな背景を知らずに「広告載せませんか?」って営業しても厳しいでしょうね。

【ちょっと業務連絡】
印鑑証明書をFAXで送られる場合は、一旦コピーをしてから送って下さい。コピー機の性能にもよりますが、できれば画質を文字ではなく、文字/写真または写真モードで送って下さい。字がつぶれて読めない場合があります。ご協力宜しくお願いします。

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Akiary v.0.42