業務日誌
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2004年1月5日(月) あけましておめでとうございます。
あけましておめでとうございます。本年も宜しくお願いします。年賀状を下さった皆様、ありがとうございました。
今年最初、久しぶりの業務日誌です。懲りずにまたお付き合い下さい。

一応今日から仕事始めです。法務局と近隣の先輩司法書士の先生のところへご挨拶してきました。(←お客様の所に行きなさい。という話もありますが(笑)。)年明けそうそうに登記のお仕事は少ないのか法務局も閑散としてました。法務局の所長とは、平成17年の商法大改正の話などをしてきました。(最低資本金の撤廃、類似商号規制の廃止など)基本的にこの話で盛り上がる事はないのですが(苦笑)。

今年はオンライン申請など司法書士を取り巻く環境が激変していく年になると思いますが、なんとかそのビッグ・ウェイブを乗り越えて行きたいと思っております。『笑える&為になる』日誌になるよう努力していきますので、今年も宜しくお願いします。
2004年1月6日(火) フォーク対策
年明けそうそう変化球が多くてシンドイです。ストレートど真ん中(設立とか役員変更とかの法人登記)なら楽勝なんですけど、フォーク対策に時間を費やしてます。

さて、昨日ちょっと話に出た類似商号のお話。今まで何回かこのテーマについて書いた事がありますけど、今度の商法改正でこの類似商号の規制が無くなってしまいそうです。我々現場からすると、この法改正の影響は次のようになります。まず、類似商号の調査に失敗して、顧客の希望する商号での設立登記ができなかったり、本店移転登記や目的変更登記ができなかったりするリスクは無くなります。(類似商号の調査費用はもう請求できなくなりますが(笑)。)
また目的の適否(過去に管轄の法務局によってその取り扱いが違って不便だという話はしましたが)に多くの時間を割く必要もなくなります。
さらに、海外の法人が日本に進出する場合に、本国では、『法に触れない内容なら、事業目的はなんでも構わない。』という法律のもと事業を行っている会社は、日本での事業目的の適否を気にして法人を設立しなくてはならないという事もなくなります。今までの官による規制が緩和されていく方向に進むのです。
実際はより良い方向での法改正ではありますが、いくつかの問題も含んでいます。その問題点の説明は、また別の機会にします。今日はオチがなくてすみません。
2004年1月7日(水) ミーハー
今日また事務所の前をマネーの虎が歩いていました。どこに行くのかなと思っていたら、法務局に入っていきました。「帰りにうちに寄ってくれれば、いい日誌のネタになるのに。」と思いましたが、当然来られるわけもありません。ちょっと残念です。
ちなみに昨日近所の居酒屋には作家の志茂田景樹が一人で飲んでいました。このように芸能人とニヤミスになりやすい場所に事務所はありますが、お仕事にはなかなかなりません。
芸能人といえば、先日ある芸能人夫婦の所有している登記簿謄本を取得するお仕事がありました。不動産の登記簿謄本が必要になるのは、どんな時だろう?そういえばあの夫婦は離婚の噂があったな。その前提として不動産の売却をするのかな?とか色々想像してしまいました。芸能人によっては本名をそのまま使用されている方もいらっしゃいますが、登記簿謄本にしっかりそのお名前が載っていたりすると「おおー。」となぜか感動してしまいます。(なにげにミーハーのようです。)
ミーハー心を満足させるお仕事が、今年中に1回くらいはあるといいですけどね(笑)。
2004年1月8日(木) 時効
この日誌の日々のタイトルは、あまり深く考えずに適当に決めています。でもさすがにおとといのタイトル「フォーク対策」は、「内容とほとんど関係ないじゃん!」とさる方にご指摘を受けました。ご指摘のとおりです(汗)。これから、ちょっとは真面目にタイトル考えます。
さて今日は「時効」についての質問があったので、時効のお話。時効というと一般の方には民事の時効より、刑事事件の時効のほうが馴染みがあるんではないでしょうか。3億円事件の犯人の時効が完成したとか、時効完成間際に福田和子が逮捕されたとかは良くご存知だと思います。
民事の世界にも時効はあります。身近なところでは、飲み屋の支払いは1年で短期消滅時効にかかります。(民法第174条)飲み屋でツケで飲んでも、1年間たてば(時効中断がなければ)、その支払いを免れる事ができます。(あんまり悪用しないで下さいね(笑)。)

こういった時効の他に「時効取得」というのがあります。
【登記一口メモ】
民法第162条 20年間所有ノ意思ヲ以テ平穏且公然ニ他人ノ物ヲ占有シタル者ハ其所有権ヲ取得ス
2 10年間所有ノ意思ヲ以テ平穏且公然ニ他人ノ不動産ヲ占有シタル者カ其占有ノ始善意ニシテ且過失ナカリシトキハ其不動産ノ所有権ヲ取得ス

つまり他人の土地でも所有の意思をもって20年間占有するとその土地の所有権を取得できる場合があるのです。自分の所有権を証明できない場合などに訴訟でこの「取得時効」が持ち出されたりします。こんなんで不動産をゲットできればラッキーですね(笑)。
2004年1月9日(金) 登記済証
今日は今年の最初の大安(仕事始めから)です。不動産売買の立会いに行ってきました。当事者が法人ではなく個人だったので、割と和気あいあいでした。(といっても総勢9名でしたけど。)
登記が完了するとお客様に権利証をお渡しするのですが、今日はこの権利証のお話。
所有権を取得した際の登記済証を一般には権利証と呼んでいますが、ほとんどこの権利証は司法書士が作成しています。作成といっても数枚の和紙(この部分が本当の権利証、法務局のハンコと受付年月日・受付番号が押印してあります。)にわりとゴージャスな高級和紙(1枚100円〜1500円)のカバーをつけたものです。
このように、ほとんどは司法書士が権利証を作成します(実際申請するのは司法書士ですから)。しかしごく稀に本人が法務局に何度も足を運んで申請している場合があります。(抵当権の抹消、簡単な相続の場合などは時間さえかければ素人でも申請できるケースがあります。ま、簡単に申請できるんだったら、我々司法書士はいらなくなっちゃいます(笑)。)
当然素人さんですから、司法書士仕様のゴージャス表紙のない権利証になってしまいます。物件が少ないとペラペラの紙1枚だったりしますから、「本当にこれ権利証??」と疑いたくなるようなニセ権利証っぽい本物も存在します。
司法書士によって千差万別であったこの権利証も、法改正後のオンライン申請時代には無くなってしまいます。ちょっと寂しい気もしますが、これも時代の流れでしょうね。
2004年1月13日(火) 『公用』
来週の金曜日に司法書士会港支部の新年会があります。この新年会の幹事なので、場所を押さえなければいけません。金曜日ということもあり、なかなか条件を満たしたお店がありません。支部には高齢の方もかなりいらっしゃるので、和食でなければいけませんし、駅から近くないといけません。また30名ぐらい入れる個室でなければいけませんし、料理もおいしくなければいけません。このままだと港支部の新年会なのに、港区外になってしまいそうです(泣)。今日1日お店に電話したりと無意味な時間を過ごしてしまいました。
副支部長の仕事も地味なもんです。

話変わって、今日は公嘱のお話。最近うちが取得した登記簿謄本に『公用』と入っていた事があったのですが、その正体のお話です。我々が普段お仕事している登記といっても私人間の登記ばかりではありません。当事者に国や東京都が入る場合もあります。普段皆さんがお取りになる登記簿謄本も、これらの当事者が取得する場合、当然無料となります。(この場合、登記簿謄本には小さく『公用』と入ります。今回はなぜかうちの事務所で取得したものに印字されてしまっていたようです。勿論登記印紙は貼ってます(笑)が、間違われたようです。謄本の中身は同じです。)
このような当事者からの集団事件を一括で受託する団体があります。公共嘱託登記司法書士協会です。司法書士がその団体の社員となり、運営しています。基本的には登録したての新人司法書士にこれらのお仕事が配分されます。ちなみに、かなり複雑な相続で戸籍を集めると厚さ2メートルになった案件では多くの司法書士が共同して1年以上かかったこともあったそうです。
2004年1月14日(水) たまご
新年会は無事千代田区でやることになりました(笑)。

世間では鶏卵が問題になっているようですが、今日はたまごのお話。この業界で『司法書士のたまご』というと司法書士有資格者を指します。あまり聞きなれないこの「有資格者」ですが、司法書士試験に合格はしているけれど、司法書士登録をしていない人のことです。司法書士と名乗り、司法書士業務を行うには日本司法書士会連合会に登録をして各単位会(東京司法書士会、大阪司法書士会など)に所属しなければなりません。登録してしまうと年間20数万円の会費を払わなければなりません。
司法書士事務所の所長は当然この司法書士登録はしてますので、試験合格者といっても司法書士事務所に勤務している人は、必ずしもこの司法書士登録は必要ないのです。有資格者の中には何年も実務をこなしている人もいますから、とても「たまご」と呼べない人も中にはいます。
同じようにこの業界特有の言いまわしに「補助者」というものもあります。補助者は、無資格のスタッフのことです。もともとは、この補助者と区別をつけるためのものだと思いますが、司法書士有資格者という呼び名が定着したようです。もちろん補助者の中には、この道何十年のベテランがいらっしゃいます。新人司法書士もこのスーパー補助者にはかなわない場合もあります。日々精進あるのみです。
2004年1月15日(木) 成人の日
1月15日といえば、成人の日というイメージがなんですけど、皆さんはどうでしょうか?そのうちこのイメージを持ってるとオヤジと呼ばれるんでしょうね。ところで、毎年毎年いろいろやらかしてくれる新成人ですが、今日はこの成人についてのお話。
民法では、成人のことを成年と呼びます。未成年の反対語ですね。成年にならないと、法律行為をするのに、法廷代理人(通常は父母)の同意が必要になります。化粧品などのキャッチセールスで未成年が狙われないのは、このためです。実務でもたまに登場するこの未成年ですが、いろいろ制約が多くて大変です。

【登記一口メモ】
「民法第3条 満二十年ヲ以テ成年トス」
3条に定められていますので、民法の勉強を始めると初っ端で出会う条文です。

それではいつ成年になるんでしょう?一般の人からは「20歳の誕生日を迎えた時に決まってるじゃん!」と指摘されそうですが、実際その通りです。昭和40年8月9日の私は昭和60年8月9日で成年になります。当たり前ですね。
しかし中途半端に民法の勉強をしていると初日不算入の原則(民140条)を考えてしまって間違えてしまいそうです。この場合「年齢計算に関する法律」で計算します。
また未成年でも結婚すると成年に達したものとみなされるので(成年擬制(民753条))、親の同意なく法律行為ができます。でも民法の世界だけのお話なので、成年擬制が働いたとしても、酒・タバコは20歳になってからです。これも当たり前っていえば当たり前ですね。なんか今日は当たり前の結論の多いお話でした(笑)。
2004年1月16日(金) すみませぬ。
3時に開始されている新年賀詞交歓会にでなくてはいけません。ちなみに今3時45分(泣)。時間あったら、アップします。すみません。
2004年1月19日(月) 無料法律相談
先週金曜日、新年賀詞交歓会に行ってきました。石原大臣など政治家もかなり出席していました。(遅れて行ったので会えませんでした。)司法書士もいかにも重鎮という方々が多く、私なんか場違いな雰囲気でした。
翌日司法書士会の法律無料相談があり、裁判関係の相談を受けてきました。うちの事務所に来られる方と違って無料相談ですから、相談にお答えすると、とても感謝されます。(有料のお客様が感謝しない訳ではない(笑)。)30分×6コマとかなりタイトなスケジュールでしたが、皆さん満足して帰っていかれました。敷金返還など少額訴訟案件が多く、費用をあまりかけられない事もあって、本人がなんとか自分で裁判を起こすための助言をするパターンが多かったです。相談に来られた方々はインターネットなどでこの無料法律相談を知って予約して来られたようです。実際このような無料法律相談がある事も知らず、泣き寝入りされる人もいっぱいいるんだろうと思います。
複雑な事案もあまりなく、うまく対応できました。しかし事務所で(当然有料で)やってる案件は、簡単なものだと思って安い見積もりを出したんですが、調べてみると結構複雑で、とても割りに合わない状態です。ちょっとはまってます(泣)。
2004年1月20日(火) 可哀想な後見人
成年後見というと自己の判断能力の低下した(ボケた)方々をサポートする制度なんですが、可哀想なケースもあります。
何らかの事情で、第三者が自己の判断能力の低下した方と契約したい場合は、そのままそのボケた方と契約を締結しても意味がありません。そのボケた方の代わりに契約を締結できる後見人と契約することになります。契約したいのにこの後見人がいない場合は、後見人選任の申立てをすることになります。後見人には親族のだれかが選任される場合もありますし、我々のような職業後見人が就任する場合もあります。
徐々にこの成年後見の制度が広まりつつはありますが、まだまだ一般の方には馴染みのない制度です。あまりこの制度を理解されぬまま安易に後見人に就任してしまうと、裁判所から連絡がきたりしてビックリする事が多いようです。結構手間がかかることもいっぱいあります。
親族が後見人になる場合に、事前に「後見人の仕事、仕組み」を理解してもらうためにリーガル・サポートでは後見人養成講座を開いたりしています。これらの講座からこの制度を理解し、後見人に就任すればあまり戸惑うこともないと思います。
しかし、第三者がボケた方と契約したいためだけに、この制度を利用し、成年後見の仕組みも理解していない親族を後見人に就任させて、契約を締結して「後は知らんプリ」では、日々介護に追われる親族からしてみると負担が大きすぎます。介護の負担の重い親族が、裁判所に振りまわされる状態は本来の制度趣旨から大きく外れてます。ボケたお金持ちの回りには、いい人だけが集まることは少ないようです。(今日はちょっと真面目すぎましたね。)
2004年1月21日(水) 弁護士報酬「相場」を公開
今日の日経新聞に『弁護士報酬「相場」を公開』という記事が載ってました。確かに一般の方からみると弁護士報酬は、わかりにくいものだと思います。新聞にも書いてありましたが、値段の表示のないお寿司屋さんのようです。しかも銀座のお寿司屋さんのイメージがありますね。弁護士に限らず、税理士などの多くの士業の報酬は分かりにくいものになっています。相場を小冊子にて公開するという日弁連の試みは、一般の方々の助けになると思います。
以前お話しましたが、司法書士の報酬基準も昨年4月に廃止されましたので、現在では基本的にどの司法書士事務所が報酬をいくらにしようが自由です。現在のこの不透明な報酬体系は、一般の方にとってはちょっと不親切かもしれません。
値段のないお寿司屋さん状態ですから、司法書士報酬に不安のある一般の方からお電話やメールで「父親が死亡したので、父名義の不動産の名義を変えたいんですけど概算でいくらですか?だいたいでいいんですけど。。。」という問い合わせがよくあります。丁寧に応対したいのですが、ぶっちゃけ「すぐにはわかりません。」
抵当権の抹消など割りと簡単な内容のものであれば「2〜3万円ぐらいです。」とお答えできますが、この簡単なケースでもフタを開けると物件の所在がものすごく遠方にあったり(都合2回法務局に行きますから、実費交通費もけっこうかかります)、土地が一筆と言っていたのに、調べるとたくさんあったりと、金額が膨らんでしまうことがよくあります。相続なんかは、不動産の固定資産の評価証明書がないとまず計算できませんし、相続人が1人と50人では手間もずいぶん違ってきます。見積もり金額の大部分を占める登録免許税は、その不動産価格で決定されますので、司法書士会の小冊子は簡単には作れそうにありません。なかなか難しいですね。
2004年1月22日(木) 内容証明 その1
簡裁の代理権を取得してから、徐々にではありますが、裁判がらみのお仕事が入ってくるようになってきました。我々の代理権はあくまでも簡易裁判所におけるものですから、現行では訴額が90万円まで(平成16年4月1日より140万円まで)の範囲内のものです。この範囲内のものであっても、「代理権があるから、すぐに裁判しましょう!」とはなりません。だいたい最初は内容証明郵便を出すところからスタートします。
最近では、この内容証明もインターネット経由で出せたりできるようになりましたので、便利になりました。というのもこの内容証明郵便、すべての郵便局があつかっている訳ではありません。だいたい本局と呼ばれる大きな郵便局でないと扱ってません。ネット経由で内容証明を出せば、わざわざこれらの大きい郵便局に行かなくてすむのです。
この日誌を読まれている方は、過去にトラブルに巻き込まれたことのない平穏な生活を送っていらっしゃると思いますので、自分宛てに内容証明が送られてきた方は、あまりいらっしゃらないと思います。
もし万が一、将来内容証明を受取る事になっても、慌てなくてすむように、多少この内容証明についてお話したいと思います。
と書いたところで、つづきは明日。
2004年1月23日(金) 内容証明 その2
昨日のつづき。
ではなんで相手は内容証明を送ってくるのでしょうか?
@相手に心理的プレッシャーを与えるため
いろいろなところから頻繁に内容証明を受取っている人も中にはいますが(笑)、普通のかたは受取ったことがないですから、相当嫌なかんじを与えることができるわけです。このまま誤魔化し通せない状況に落し入れるのです。

Aこちらが真剣であることを伝えるため
電話や普通のお手紙で伝えるだけでは、無視されたり、いい加減な変じをされたりします。ヘタしたら訴えられるかもしれないと相手に強く伝えることになります。弁護士の名前入りの内容証明などは、まさにこのためです。(通常弁護士に名前を入れてもらうと弁護士報酬が2・3万円アップします。)弁護士に依頼しなくても、「訴えてやる!」という意気込みを伝えるために、わざわざ裁判所の中にある郵便局から発送してもらうという姑息な手もあるようです。

B実際に裁判になった場合の証拠にするため
内容証明郵便を利用するといつ、どんな内容の文章を発送したかが公的に証明されます。通常は内容証明を配達証明付で出しますので、さらにいつ届いたかまでが証明されることになります。通常の取引では「意思表示は、相手方に到達して初めて効力が生じる」となってますから、この配達証明付が利用されるのです。そしてこの方法で取得した公的な証明を裁判の証拠とするのです。
原則は上記@〜Bのために送られてくるのです。@やAでビビッて対応してくれれば、こちらの思惑どおりとなります。しかし簡単に言うことを聞いてくれない人に出している訳ですから、出しても対応してくれない場合も多いかもしれません。ビビッてくれない人にわざわざ内容証明を送るのは、専らBのためです。Bのための内容証明の文面の中には、ある意味「時限爆弾」が仕掛けられているのです。
つづく。
2004年1月26日(月) 内容証明 その3
またまたつづきです。
「時限爆弾」が仕掛けられているとはどういう事でしょうか。
送られてくる内容証明はだいたい貸金の請求・契約解除・時効中断・債権譲渡の通知などのパターンです。もちろんこれ以外の内容で出される事もあります。
ほとんどの内容証明の文面には日付が記載されています。(例えば…本年○○月○○日までに〜支払われますよう催告いたします。なお、右期日において〜支払いがなされていない場合には、当方と貴殿との間の〜は解除されることを併せて催告いたします。)
契約の解除などは、民法の原則から言えば、内容証明でなくても構いません。ところが内容証明など公的な証明がないと、後から「言った・言わない」で争うことになります。逆に言えば、内容証明で送っておけば、後日の裁判での有力な証拠になります。上記の文例でいえば、○○月○○日までに支払わないと契約の解除権が発生してしまうのです。
文面はプロの手によって作成される可能性が高いわけですから、無意味な日付など記載されていません。その日までに何らかのアクションを起こさないと後でハマってしまいます。文面の日付が経過してしまうと、どうにもなりません。当然セットしてある爆弾が爆発します。
つづく。
2004年1月27日(火) 内容証明 その4(完結)
文面の日付さえ経過させれば、差出人に有利になりますから、このような場合は、相手がアクションを起こさないように弁護士の名前入りの内容証明では送らないようです。内容証明は、インターネットを利用したもの、ワープロ等で印刷したもの以外に手書きのものでも構いません。いくら誤字の訂正箇所が多くても、女子高生が書くような丸文字による手書きの内容証明でも、ポイントさえ押さえていれば、OKです(笑)。油断されませんように!
友人間の貸金などは、ちゃんとした契約書は作りません。「あいつに貸した50万円、そろそろ返して欲しいな。」と、その友人に電話したところ、「そんなの知らない。」なんて言われたらどうしましょう?古典的な手ですが、「80万円返せ!」という内容証明を送って様子を見たりします。「80万円なんてとんでもない、借りたのは50万円だ。」というお返事が来たらラッキーですね(笑)。
結局、裁判を有利にするための証拠作りの意味合いが多いのが内容証明です。内容証明が送られて、しばらくしたら訴状が送られてきてもおかしくありません。もし今後、内容証明を受取られたら、時限爆弾にやられないよう、お早めに対応下さい。

内容証明シリーズ おわり。
2004年1月28日(水) ヤフーにサイト登録
ようやくこのHPもヤフーにサイト登録されました。一応「司法書士原田事務所」「原田事務所」「司法書士 港区」「司法書士 東京」で検索するとトップに出てくるようになりました。なぜか「麻布十番」でも中ぐらいに出てきます(笑)。
今までみたいに「司法書士 キリマンジャロ」のような無謀な検索キーを入れなくても、「ヤフーで『原田事務所』で検索すればすぐ出てきます。」と言えば済むので、お友達やお客様にアドレスを教えるのが楽になりました。登録にご協力頂いたヤフーのサーファーの皆さんありがとうございました。少しでも今後アクセスが増えてくれればいいのですけどね。

話は全然違いますけど、最近また危険度の非常に高いウイルス「W32.Novarg.A@mm」の感染が、急速に拡大しているようです。今朝、プライベート用のメールをチェックしたところ、怪しいメールがいくつか紛れ込んでいました。勘弁してもらいたいです(泣)。今後法改正で司法書士業務がオンライン化されて行きますが、この辺りの対応も万全を期したいところです。
朝怪しいメールと格闘していた時に、「大急ぎで控訴状を作って下さい。」という話がありました。このあたりのお話はまた後日。
2004年1月29日(木) 悪質セールス規制強化
平穏な日々は過ぎ去り、パタパタ忙しくなってしまってます(汗)。
先日のウイルスですが、私のメールアドレスを登録している誰かのパソコンが感染しているようです。私のメールアドレスを発信者として大暴れしてます。私の端末は大丈夫なのですが、いかにも私が感染源のようでたまりません。私が犯人じゃないので誤解されませぬように(笑)。実際の感染源は、パソコンに疎い人が多く、ウイルスも中々駆除できないんでしょうね。困ったもんです。

話は変わって、昨日の日経にでてました悪質セールス規制強化について。やっと悪質セールスの規制が強化されそうです。例えば「無料で点検します。」といって「シロアリにやられている。云々。」とか「おたくの水道水はやばい。」とか販売目的を隠した自宅訪問、路上勧誘などが禁止されたりするようです。あと先日説明した内容証明をよく利用するの「クーリングオフ」も消費者に有利に制度が拡充されそうです。相談に来られた時には、時既に遅しのパターンの消費者が多いようですが、クーリングオフしてなんとかなるチャンスも増えていきそうです。
たまに飛びこみ営業で悪質セールスが販売目的を隠してうちの事務所に来ることがあります。来るたびにめちゃめちゃ怒るんですけど、営業マンもちゃんと事務所の看板を見て、訪問先を判断してもらいたいもんです。
2004年1月30日(金) クーリングオフのどうでもいい薀蓄
今日は東京司法書士会千代田支部の新年会があります。港支部の支部長が来賓として招かれていたのですが、支部長の代理で出席することになってしまいました。千代田支部、中央支部、港支部は第一ブロックという単位に属しており、街頭無料相談会などを共同して開催したりしています。東京の他の支部よりも交流が多いので、私が行っても誰も知らないというお寒い結果にはなりません。来賓という柄でもないので、挨拶させられないよう大人しくしていたいと思います。(出来れば(笑)。)
この新年会に出席する関係で、この日誌も早めに書き始めたのですが、来客が続いたため、薄い内容となってしまいました。

昨日の話にあった『クーリングオフ』のどうでもいい薀蓄です。この言葉は英語の『COOLING OFF』です。ですから購買についての熱が冷める→契約について冷静に判断できるようになった状態を言います。ご存知でしたか?しょぼいトレビアですみません。15ヘエぐらいですかね(笑)??

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Akiary v.0.42