業務日誌
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2004年3月1日(月) 負の遺産 その2
先週のつづき。(認可地縁団体の事は考えないで下さい。)

「あっちゃー。。。」私は頭を抱えてしまいました。昭和6年当時、ひいおじいちゃんは、この任意団体の代表者だったようです。代々代表者が死亡する前に若い世代名義へ登記すべきところ、たぶん戦争のドタバタで忘れ去られていたようです。
もちろん所有者である「ひいおじいちゃん」は、私が生まれるずいぶん前に亡くなっています。新代表者に変更する登記は、「ひいおじいちゃん」の相続人全員が協力しないと登記できません。
ご存知の通り、昔は子供が6・7人いてもおかしくない時代です。うちの親の世代(「ひいおじいちゃん」から見た孫)も7人兄弟です。「ひいおじいちゃん」の子供(つまり私のおじいちゃん)もずいぶん前に亡くなっています。またそのおじいちゃんの子供(私のおじ・おば)も何人かは亡くなっています。(相続人である子供が死亡していると、その子供・孫が代襲相続人となります。)
したがって、ねずみ算式に相続人が増えており、相続人確定のための戸籍等を集めるのも大変です。またおじいちゃんが亡くなった時に、遺産相続で相当もめた話を親に聞いているので、簡単にハンコももらえそうにありません(泣)。かなり大変な相続でも、赤の他人であれば、事務的に「ここに押印して下さい。」と淡々と作業を進められるのですが、身内となると、かなり厳しいです。報酬もかなり高額になりそうですし、小さな団体にはその予算もなさそうです。

つづく
2004年3月2日(火) 負の遺産 その3
身内の不始末ということだから、報酬なしでやってあげたいところですけど、ハンコをもらうべきの人々の顔を思い出すと、躊躇してしまいます。でも、ここで私がやらないと更に相続人は増えていきます。次の世代になると相続人が何人になるか見当もつきません。「相続登記はお早めに!なんて自分の日誌に書いておきながら、自分のところは登記しないのか!!」とお叱りを受けそうな話ですが、実際当事者になると厳しいです。
田舎の安い土地に、高いコスト・煩雑な手間をかけて登記するのは、大変ですが、何もしないと次の世代へさらに高いコスト・煩雑な手間をバトンタッチしていく事になります。
(最終的には任意団体を法人化し、時効取得させるという荒業しか残らなくなってしまいます。)
北海道であった原野商法詐欺なども田舎の小さな土地です。コストをかけて相続人が登記するメリットは見当たりません。ちゃんと調べると全国各地にこのようなケースはいっぱいあると思います。
次の世代にある意味「負の遺産」を残さないように、しっかり今の世代で解決したいところです。
「ひいおじいちゃん」の件は、かなり大変な作業になると思いますが、人肌脱いで頑張りたいと思います。。。
2004年3月3日(水) 合格おめでとうございます。
第2回特別研修の考査の発表が先日ありました。ちょっと遅れましたが、合格された皆さん、おめでとうございます。私の知り合いも何人か受けたようですが、合格者が官報に載るまで、その人の合否がわかりません。結果を聞くに聞けず、困っています。
今月末より第3回の特別研修が始まります。東京会では受験者が多く、グループ単位での研修のチューター(講師みたいなもの)が不足しているそうです。ちなみに、チューターは考査の合格者がやることになってます。
「チューターやりませんか?」という趣旨の文書が東京会から送られて来ましたが、あの過密スケジュールを思い出すと、とてもじゃないけど、受けられないなあと思っておりました。チューターの候補の考査に合格した若い港区の司法書士は殆どがどこかに勤務しています。事務所の所長と違って、時間に制約がありますので、無理にチューターをしてもらえません。人出不足だろうなと思っていましたが、案の定東京会の理事から、「引き受けてもらえないか?」と打診がありました。他の先輩司法書士の先生方に教えられる程のノウハウがある訳ではありませんし、まだ法廷にも立ってません。しかし、断るのがヘタな「前向きに検討します。」とお返事してしまいました。こんな返事では、結局やらされそうな気がします(泣)。2年連続してゴールデン・ウィークがない悲しい事態になりそうです。
前向きに考えれば、1年ぶりにまた要件事実の勉強ができます。すごく自分のためになりそうです。。。。嘘です(笑)。
2004年3月4日(木) 同性愛者同志の結婚
アメリカの大統領選挙で「同性愛者同志の結婚」が話題になっているようです。アメリカではカルフォルニア州でこの「同性愛者同志の結婚」が認められています。日本はどうかというと、ご存知の通り認められていません。
しかしながら、これらの同性愛者は日本にいないかというと当然います。東京では新宿二丁目に行くと大勢います。(まだ怖くて行った事はありません(笑)。)これらの人々の中には、もし法が許せば、結婚したいと考えている方もいっぱいいると思います。もちろん愛しているから結婚したいという部分もあると思いますが、結婚する事によって老後の心配や相続の問題を多少なりとも解消したいという部分もあると思います。
現行日本では、当然認められていませんから、色んな手法でこれらの不安を解消するしかないようです。例えば、それらの対応策としては、遺言が考えられます。具体的には負担付遺贈です。(例:「遺言者○○○○は××××に全財産を遺贈する。ただし〜〜〜をする事。」)この負担付遺贈を利用すれば、ある程度の問題は解決すると思います。さらに、より効果的なのが養子縁組です。養子縁組は養親が20歳に達していれば、する事ができます。(民792)年長者を養子にはできませんから(民793)、年上が養親となります。養子縁組をすれば、文字どおり『入籍』できます(笑)。養親の苗字を名乗れますし、相互に相続もできます。また当然扶養義務も発生してきますから、相当効果抜群です。実際に縁組されているケースは多いみたいです。
しかし、もしも同性間の結婚が日本でも認められるようになったら、思わぬ落とし穴があります。一旦養子縁組したお二人が、いざ結婚しようとしても、たとえ養子縁組を解消(離縁)したとしても、養親・養子間では結婚できません。(民736)
縁組は慎重に(笑)!
2004年3月5日(金) 理事会に出席
今週東京地方に雪が降りましたが、今日はちょっと春めいてました。このまま暖かければいいんですけどね。
やっと金曜日ですが、明日は中間法人化を考えている団体の理事会に出席しなければなりません。理事会の席上で、法人化についてのプレゼンテーションと質疑応答があります。安易に考えていたんですが、集合場所が大会議室。いったい何人の理事が集結していることやら。(理事の皆さんはかなりのお偉方のようです。4〜5人を想像していたのですが、ヘタしたら40〜50人は集まりそうです(泣)。)既に、提出してある資料でのプレゼンですが、うまく説明できるか、ちと不安です。
中間法人にした場合の母体が非常に大きく、母体全員を社員にしてしまうと、いざ社員総会開催する場合、大量の招集通知の発送や委任状獲得などの莫大な事務手続をどうするか?などなど問題点はいっぱいあります。この分野では素人となる理事の方々にどれだけ分かり易く説明できるかがポイントになりそうです。

ちなみにこの件は、既に1年以上関与しています。母体が大きいだけに様々な問題が多く、登記まで遅々として進みません。やっとここまで来たという感じですが、明日のプレゼンに失敗してしまうと、全てが水の泡。気合いを入れて頑張ってきます。
2004年3月8日(月) 理事会にて
予定通り、土曜日は理事会に出席しました。会場へ到着すると、秘書らしい方が、「原田先生ですか?こちら(会場の外)でお待ち下さい。」と声をかけてきました。「今日は何人ぐらいお集まりなんですか?」と尋ねると「50人は集まっていると思います。」とのお返事がありました。人数は多いだろうと覚悟はしていたのですが、うまく説明できるか多少緊張してきました。
しばらくすると「今司法書士の原田先生がお見えになったので、法人化の議案について検討していきたいと思います。」と会場の中から声が聞こえました。秘書さんに促されて会場の中に入ると、偉そうな方々がいっぱいです。ご紹介の後、約50人の理事の前で、法人化の説明をしてきました。当然マイクを使用しての説明でしたが、その光景は以前どこかで見たようなかんじがしました。どんな光景かというと、どこかの企業の不祥事で役員が謝罪するシーンが良くテレビで報道されますが、まさにあのシーンになってしまいました。
通常この手の役員会・総会は、「異義な〜〜し。」とかで進んでいくものですが、素人用に分かり易く説明したおかげで、熱く活発化した議論の矛先は全て私に向かってしまい、まるで吊るし上げ状態(笑)。まさに謝罪する役員のような状態になってしまいました。(謝罪ではなく、淡々と説明してるだけなのですが。)
結局時間切れ引き分けのようになってしまって、次回理事会へ繰り越しになってしまいました(泣)。
1時間半しゃべりっぱなしで、ノドはカラカラ。午後4時半に大会議室を後にしました。活発な議論を沈静化できなかった反省を踏まえて、そのままビールを飲みに行ってしまいました(笑)。
2004年3月9日(火) 法人後見委員会委員に指名されてしまいました
只今午後9時40分。クタクタです。疲労がピークに達していながら、日誌を書く自分を誉めたいです。

さて今日の話は「法人後見委員会」。
先日リーガルサポートの本部の理事会で法人後見委員会委員に指名されてしまいました。リーガルサポート東京の役員だけでもいっぱいいっぱいなのに、さらにヘビーな委員にさせられてしまいました。「司法書士会港支部の副支部長の仕事だけでも大変なので、辞退したいんですけど。」というと、他の委員から「私は○○の支部長。」「私も○○の支部長やってますよ。」と責められてしまい、とうとう受けてしまいました(泣)。なんとかして逃げよう逃げようとしていたこの「法人後見委員会」。とにかく忙しいのです。
リーガルサポートは法人として後見人を見張る後見監督人の役割を担っています。法人が監督人業務を行うといっても、実際はこの「法人後見委員会」の委員がやります。委員会は月に1度、平日の2時から8時(実際には10時になること多し。)に開かれます。委員は当然司法書士ですから、平日の業務を切り上げての参加です。月イチではありますが、業務に支障をきたします。この激務をこなしている委員の皆さんには頭があがりません。本部の委員会ですから、北海道や関西の先生は飛行機での参加になります。10時までミーティングをやりますから、本来はクタクタのはずです。しかしながら、委員全員がその後、終電まで飲み会に参加します。委員の中では私が最年少ですが、皆さんのパワーにただただ圧倒されるばかりです。
2004年3月10日(水) 非嫡出子
世間では戸籍続柄での非嫡出子区別が議論されているようです。そこで今日は「非嫡出子」のお話。
一般の方には、この「非嫡出子」という言葉は、あまり馴染みのないものだと思います。実際私もこの業界に入るまで、他人の戸籍を見る機会はほとんどありませんでしたし、自分の戸籍もマジマジと見たこともありませんでした。普段戸籍をあまり見ない一般の方は、「非嫡出子」なんて知らないですよね。(昔中学校の公民の授業で多少習った記憶はありますが。)
この「非嫡出子」は「嫡出子」の反対の意味があります。要は法律上婚姻した夫婦の子(嫡出子)じゃない場合が「非嫡出子」です。区別されていると問題になっていますが、実際は民法上も戸籍法上も明らかに区別されています。民法では、法定相続分も「非嫡出子」は「嫡出子」の2分の1とされていますし(民900条)、戸籍法では嫡出または嫡出でない子の別を戸籍に記載することとなっています。(戸49条)
この業界に入って他人様の戸籍を見るようになってからは、この「非嫡出子」に遭遇する事も多くなりました。戸籍を見れば確かに一目瞭然ですが、別にこの区別がなくても、我々には解ります。今後この区別をなくす方向のようですが、だからといって仕事で困ることはありません。
でも「非嫡出子」の記載があって仕事で困ることもあります。大抵は相続で揉めるんです。例えば、遺産分割協議が未了の状態で、戸籍の調査をしていて、この「非嫡出子」を見つけると、「この遺産分割揉めないかな?」と思ってしまいます。過去に冷遇され(一概にはそうとも言えませんが、多くは)、法定相続分もご丁寧に2分の1。それじゃあ分割協議書にハンコ押してくれないですよね。
いい方向での法改正になるといいですね。(←ちょっと優等生発言)
2004年3月11日(木) すみませぬ。
今日は、先日お話した法人後見委員会です。2時開始・10時終了なので、今日の日誌は勘弁して下さい。
2004年3月12日(金) 業界内有名人の憂鬱
とうとう日誌をアップし始めて1年が経ちました。三日坊主になるだろうなあと思っていましたが、思ったより続いてますね。よく「継続は力なり。」といいますが、この1年間で司法書士としての力ついたかどうかは微妙です(笑)。守秘義務や倫理上の問題から、業務日誌とは名ばかりのコラムになっちゃってますけど、今後ともご声援宜しくお願いします。
日誌を継続する気力のャは「日誌読んでますよ。」の一言です。メールでも何でも結構です。気軽に励ましのお便りを頂ければ幸いです。(ついでに扱って欲しいテーマまで書いて頂けるともっと助かります(笑)。)

昨日は法人後見委員会に出席してきました。思ったより早く終ったので、また委員会の皆さんと飲みに行きました。話題の中心はやっぱり特別研修。3回目を受講予定の方々はかなりナーバスになられているようです。その中で話題になったのが、この研修を受ける業界内有名人の話でした。この司法書士業界にも業界の有名人はいます。日司連(日本司法書士会連合会)等いろいろな会の役員をやられている方などは、司法書士のみんなが知っている有名人です。そんな有名な先生が、万が一不合格になったりすると、面子がありますから、大変だろうと思います。日常業務以外にも色々な会の仕事がありますから、のんびり受験勉強もできないでしょうし、落ちたら大変だし、気の毒です。
私が受けた去年は、そんな嫌なプレッシャーもありませんでした。お気軽な無名の存在で良かったなあとしみじみ思います(笑)。
2004年3月15日(月) たまには愚痴ってみました。
3月になったのに、まだまだ寒いと思っておりましたが、3月も中旬になり、ようやく春めいてきました。そろそろ花見のシーズンですね。
先般お話した通り、第3回の特別研修のチューターをやる事になりました。明日説明会があり、4月から本格的に始まります。1回目よりもスケジュールに余裕がありますので、土日・休日にグループ研修をやれば、平日はやらなくて済みそうです。とはいえ、多少は日誌の更新に支障がでるかもしれませんが、その場合はご了承願いたいと思います。

今日は、ちょっと愚痴っぽい話。
インターネットや司法書士会を通じて、うちの事務所を知り、ご相談される方がいらっしゃいます。電話でのご相談が多いのですが、慣れた分野の質問には、すぐその場で即答しています。質問によっては、すぐに問題が解決してしまう場合もあります。ものの数分ですから、相手も、まさか相談料が発生するとも思いませんし、こちらも請求するつもりはありません。あまりにあっけなく解決すると、それ程感謝される事もありません。それに感謝して欲しいとも思いません。
しかし、(ここから愚痴っぽくなります。)相談の中身によっては、たまたまうちの事務所で似たような案件を最近処理していたり、慣れている分野だからこその質問に対する即答であって、他の事務所では、調べないとわからない質問かもしれません。広い分野で即答できればできる程、業務に精通しているのです。即答できる自分になるために、多くの時間を費やし、費用もかけているのです。この点をご理解頂きたい。(←かなり愚痴ってます(笑)。)
とはいえ、基本的にはお人好しですから、どしどし質問して下さい。貴方の質問で、私はさらに成長し、業務に精通していくのです。ですから質問大歓迎です(笑)。
2004年3月16日(火) みなさんの認識
昨日は愚痴っぽい話で失礼しました。しかし世の中には、まだまだストレスを抱えている人がいっぱいいるようです。昨日の愚痴に反応した方々の不満を色々お聞きすると、私なんかマシなほうです。中には来客が午前1時半というすごい方もいらっしゃいました。(合掌)

つい今しがた裁判のお仕事の相談を受けていました。その方は、司法書士は訴状の作成だけで、訴訟代理人になれる事を知らなかったようです。「裁判やれるんですよ。」というとビックリしていました。実際にご相談にお見えになる方の認識もその程度ですから、「一般の方には、まだまだ認知されていないんだな。」と改めて感じました。
法務大臣の認定を受けた司法書士の中には、毎日法廷に出ている方も少数ながらいるようです。先日そんな中のお一人が、去年認定を受けているのに、未だ法廷に出ていない私に「だめじゃん。」と一言ダメだしをしてくれました。その一言に触発されたのか、今日の面談では、「裁判やってみますか?」と割りと強気になってしまいました。
ちょっとずつではありますが、裁判事務の仕事が増えてきているのは事実ですから、遅かれ早かれ訴訟代理人デビューはしそうな気がします。

これから特別研修の説明会に行って来ます。
2004年3月17日(水) 時代のながれ
今日の東京地方は、コートがいらないポカポカ陽気の一日でした。お出かけ日和だったから、という訳ではありませんが、近所の公証人役場ではない、ちょっと離れた公証人役場に打ち合わせに行ってきました。以前お話したように、公証人は裁判官を退官された方などがお仕事をされています。当然高齢の方が多いのです。今日お会いした公証人も高齢の方でしたが、頂いたお名刺に携帯電話の番号とメール・アドレスが書かれていました。時代は変わっていくんですね。

今日はちょっと携帯電話のお話。(法律の話ではなく、前職に関係あるお話です。)今でこそ中学生やヘタすると小学生までもが持っている携帯電話ですが、昔、ちょうどロイターに就職した頃(17年前)は携帯はありませんでした。入社2年目に肩掛けのでっかい携帯電話がやっと出回りました。
ロイターなど通信社は、1秒でも早くニュースを発信するのを競っています。(今も昔も)記者会見の情報は、今では記者が会見の場に持参したパソコンから、直接配信されます。ちょっと前は、本社のデスクに携帯から会見の模様を伝えていました。じゃあ携帯もない昔はどうだったかと言うと、早めに記者会見の会場に二人一組で出かけ、会場に一番近い公衆電話を占拠し、大量の10円玉でデスクと話し続けるという荒業がとられていました。会見が終ると、会社と話続けていた公衆電話めがけて走り、情報を伝えていました。時代は変わっていくもんです。
ちなみに、ロイターの設立当初(1851年)、他の通信社を出し抜くために『伝書ハト』が活躍していました。
2004年3月18日(木) 法衣と法服
明日、高校の同窓会です。出身は宮崎なのですが、10名程集まります。幹事なので、会場の手配に戸惑っていました。歓送迎会シーズンまっさかりの金曜日ということもあって、予約が大変です。大変といいつつ、ネット上の「幹事さんいらっしゃい」に予約を全部お任せしておりました(笑)。電話で人数・場所・予算で探してくれるので、便利ですね。

さて今日は裁判官の着る「法服」のお話。
上野近辺に所要で出かけたんですが、そこに「法衣」専門店がありました。そのカルトなお店を見て、「おっ、こんなところで裁判官は服注文してるんだ。」と思っておりました。しかし、後でよくよく考えると、そのお店は「法服」ではなく、「法衣」専門店。要するに、お坊さんの衣装の専門店だったんですね(笑)。
裁判官の着るあの黒い洋服は「法服」です。普通の人があの法服を見る機会は、テレビ以外だとなさそうですね。特殊な衣装ですから、あの法服を見るだけで緊張してしまう人がいるそうです。そこを配慮して最近の少額裁判では、あの法服を着用しないことになっています。去年の研修の時、裁判官に「少額裁判でも、あまりにも横柄な態度を取る当事者の場合には、それでも法服を着用することがあります。」と説明を受けました。やはり、日本人はこの手のの権威に弱いんでしょうかね?
海外ではいろんな種類のあるこの法服も、日本は黒色のみです。他の色じゃいけないのかと思っておりましたが、ものの本によると、この法服が黒い理由は、「公平な判断を下す裁判官の法服の色は、他の色に染まらない黒のみ。」だそうです。「へえ〜」ですね(笑)。
2004年3月19日(金) 同窓会です。。。
想像とおりの展開ですが、忙しくて今日の日誌の更新はできませんでした。すみません。
またよろしくです。
2004年3月22日(月) 取締役会もテレビ会議で
今日の東京地方は、雨が降り、ちょっと冷えこみました。早く春になってもらいたいもんです。春になるとうい事は、年度末を無事突破しなければいけません。今日もなんだかんだで、9時30分。結局、朝から格闘していたレポートも未完成です。忙しい時に限って、急ぎの案件が来る悪循環にはまってます。この時期はどこの司法書士事務所も忙しいと思いますが、頑張って行きましょう。
今日は、ちょっと一般受けはしない(?)会社関係の話です。近年企業のIT化が進み、また産業界からの要請もあって、IT化の流れが、商業登記の分野に影響を与えています。そんな中で、今日は「テレビ会議」のお話。
ネット上の通信速度が早くなったおかげで、リアルタイムで画像・動画情報が配信できるようになりました。これによって、例えばテレビのモニターを通じて、東京と大阪でミーティングを開くことが可能になってきた訳です。最近では、社内のミーティングだけでなく、取締役会もこのテレビ会議で開催できるようになりました。(平成14年12月18日民商3044)業界内では「電話会議方式による取締役会」という新しいんだか古めかしいんだか分からない名称で呼ばれています。
昔の(通常の)取締役会議事録には、開催地として本店会議室など記載されていますが、この「電話会議方式による取締役会」では、当然開催地も複数記載されます。これに加えてリアルタイムでのやり取りが可能であるとか、通常の取締役会となんら変わることなく、相互に意見を述べ合うことが可能であるとか、通信の異常がなかったとか、かなり細かく議事録上では記載することになっています。このテレビ会議もシステム的に安定し、どこでも普通に利用できるようになれば、「取締役会議事録(テレビ会議)」のような簡単な記載で済む日もすぐ来るような気がします。
取締役がそれぞれ忙しく、中々機動的な取締役会が開催できなかった企業にとっては、大いに活躍できそうな変更点です。
全くオチのない話でした。。。(午後10時)
2004年3月23日(火) 少額裁判サポートセンター法律相談員
また今日も9時過ぎてしまいました。今日は来客が多く、何一つ書類を作ることなく終ってしまいました。期末はシンドイです(苦)。でも明日やれることは明日やります(笑)。

さて、今日は司法書士会の無料夜間法律相談に行ってきました。司法書士会館の中にある相談ブースで、一人30分単位で3名ほどのお相手をします。一般の相談される方は、事前にアポを取ってきた方々です。我々司法書士と一般の方と区別ができるように、「少額裁判サポートセンター法律相談員」と記載された名札をスーツの胸に着けて、いざ、相談開始です。
今日は、裁判の担当でした。まさしく簡裁特有の典型事例が多く、それなりに無難にこなしてきました。相談される方も、事前にインターネットや本で勉強してこられる場合が多く、親切に対応してあげなくてはいけない気分になります。一人30分の時間だけでは、説明が足りないかんじもしてしまいますが、次の方が待っていらっしゃるので、中々うまく行きません。焦りながら相談を受けていますので、あっという間に相談終了です。

書士会館を出て、帰路の途中「九州じゃんがららーめん」の看板が目に止まりました。8時過ぎてお腹が減っていたので、すぐ行列に並びました。ここ二日ほど冷えこんでいますので、外で並ぶのは厳しい状況ですが、コートを着ているのでなんとか耐えました。20分ほど待ってやっと順番です。おいしく頂いてきました。
明日やれることは明日といっても、業務日誌は書かなければなりません。一旦事務所に戻ってきました(偉)。
と、ここまでは良かったのですが、事務所でコートを脱ぐと、胸には「少額裁判サポートセンター法律相談員」の名札。ラーメンを食べている間、近くの人たちがチラチラこちらを見ているのが気になったのですが、そりゃそうです。ラーメン屋に「少額裁判サポートセンター法律相談員」はあまりにも不似合いです(笑)。「あちゃー、やっちまった。」と思いましたが、いい日誌の小ネタの発見にちょっと満足です(笑)。
2004年3月24日(水) 本当にお得?
先週末、港出張所のレイアウト変更があったようです。以前より便利になったそうです。法務局まで事務所から歩いて30秒ぐらいなのに、まだ確認してません。港出張所に行く機会があったら、ご確認下さい。

今日は「登録免許税」の話。普通の感覚だと、会社の色々な変更登記を分けてやるより、まとめて一つの申請でやったほうが、費用(司法書士報酬・登録免許税)は安い気がします。実際商号変更と目的変更であれば、別々でやるより、一回の申請でやった方が費用はかかりません。これは、商号変更と目的変更が登録免許税では同一区分だからです。変更したい点があるなら、まとめて決議したほうがお得です。(原則)
というものの例外はあります。役員変更の登録免許税は会社の資本金が1億円以下の会社は1万円、1億円超の会社は3万円です。
1億円超の資本金を1億円以下とする資本減少をする場合は、資本減少の効力発生前に役員変更の決議をしてしまうと、登録免許税は3万円になります。当然減資の効力が発生後に役員変更決議をすると1万円で済みます。
また逆に、資本金が1億円を超える増資をする場合は、増資前に変更の決議をしておかないと3万円になってしまいます。
ですから、減資で資本金が1億円を下る場合には、あえて別々に決議したほうがお得です。しかしながら、お得といっても2万円ですから、株主が大勢いて、株主総会開催にコストがかかる会社には意味がありませんね(笑)。
2004年3月25日(木) す、すみませぬ。。。
あまりにも忙しくて今日更新は無理です。すみません。
2004年3月26日(金) 社外取締役
今日桜が咲いていました。今週末あたりからお花見開始ですかね?週末のんびりとお花見したいところですが。。。期末で忙し過ぎるので、休日出勤になりそうです(確定)。個々の案件の管理だけで、いっぱいいっぱいです。
私事ですが、この忙しい中、インターネットプロバイダーのサービス中止に伴う各種のお引越し作業(メールやプライベートのHPなど)と私個人の引越しもあり、クラクラしています。ちなみに来週から特別研修も始まります(泣)。

さて気を取り直して、「社外取締役」のお話。社外取締役ってご存知ですか?近年の商法改正で新しくできた言葉です。社外取締役とは、過去現在を通じて、その会社・子会社の業務執行に取締役・使用人として関与していない者です。
原則としては、平成14年5月1日以降に就任した取締役で、社外取締役の要件に該当する場合は社外取締役の登記が必要となっています。
しかしながら、下記の理由で、現実には登記がなされていない気がします。
@登記手続を司法書士以外の本人が行い、そもそもこの商法の改正点が理解されていない。
A大会社・委員会等設置会社のような大規模な会社のみ適用されるという誤った認識がある。
B多くの中小企業では、実質的な経営者は一人であり、実体に合わせ、登記すると、代表取締役以外は全部社外取締役となり、取引先との関係から登記したくないという希望がある。
C社外取締役の要件として業務執行をしないという部分があるが、一時的にもこの部分を業務執行した、あるいはしていると内部的な主張で要件からはずれてしまう。
D実質的な社外取締役の登記の利点としては、社外取締役の責任の制限のができるという部分であるが、中小企業でこの「社外取締役の責任の制限」を採用していない、あるいは採用できないので、社外取締役の登記をする必要がない。
F登記官から見て、取締役が社外取締役であるか判別できない。
本当はやらなくてはいけない登記だと思いますけど、現実とのギャップを考えるとどうかなあ?と思ったりしています。いろいろ登記簿謄本を見てますけど、中々採用されていませんね。コーポレートガバナンスの強化という言葉だけが一人歩きしてますね。
2004年3月29日(月) ネタ募集中です
先日の日誌は、疲労がピークの状態で書いたものです。読まれても意味不明だったと思います。失礼しました。

とうとう第3回特別研修が始まりました。明日からグループ研修です。グループ研修の会場を手配するのが面倒だったので、結局うちの事務所でやることにしました。うちの事務所には黒板がなかったので、今回大きいホワイト・ボードを購入しました。(実はもともと欲しかった。)実物が今日搬送されましたが、正直デカ過ぎです。。。
チューターにはグループ研修の虎の巻が配られています。それを利用すれば簡単と本会からは説明を受けましたが、私が研修を受けたのは、1年前ぐらい前のことです。正直忘れてます(笑)。しかし、うちのグループは全員合格を目指してますので、ちゃんと予習はしておこうと思います(偉)。
これから約2ヶ月間は平常業務+チューターです。日誌の更新も大変です。(そういえば、去年はこの期間中『キリマンジェロ登頂日誌』でしたね(笑)。)
今回も長編のネタがあると楽なんですけどね。長編のネタではないにしても、ネタ募集中です。「これってどういう事?」とか「こんなケースで困ってる。」等ありましたら、メール下さい。無料でお答えします。但し、質問は日誌で公開させて頂きます。(←せこい?)
2004年3月30日(火) 土地管轄
いよいよ今日からグループ研修が始まります。チューターの名に恥じないようにちょっと予習しました。そんな中で見つけた今日のネタは、「土地管轄」。
例えばAさん(住所:東京)がBさん(住所:福岡)にお金を貸しました。Cさん(住所:大阪)がBさんの連帯保証人になりました。その後Bさんがお金を返してくれないので、Aさんは裁判をする事になりました。さてどこの裁判所に訴えればいいのでしょう??

民事訴訟法に、その説明があります。原則は被告の住所地です。(民訴第4条)(例でいくとBの住所である福岡の裁判所です。)これに加えて民訴第5条に財産権上の訴えについては義務履行地でもいいことになっています。金銭消費貸借契約における債務は持参債務(民484条)なので、原告Aの住所地である東京でもいいことになります。またAさんが保証人であるCさんも併せて訴える場合は大阪でもいいことになります。裁判は原告の主導で始まりますから、原告または原告の訴訟代理人が便利な裁判所に訴えるのが通常です。わざわざ飛行機代を負担して福岡まで行くお人好しはいません(笑)。逆に言うと、被告は受け身ですから、移送(裁判所の管轄が変更されること)されない限りは、交通費を負担してはるばる東京に出てこなくてはいけないのです。
この手の裁判の相談を受ける時に「にやっ。」となるのが、相手が遠方の時です。もともと簡易裁判所の案件ですから、訴額も大きくありません。相手方が遠方の場合は、わざわざ飛行機に乗って裁判所に出てきません。裁判を欠席すると裁判に負けてしまいます(例外あり)から、訴額と相手住所を聞いた所で、裁判に勝ったも同然となるケースがあるのです。こんな時はどうしても「にやっ。」としてしまいます。

細かく言えば例外がいろいろありますが、一応一般の方に理解してもらえる内容にしました。
2004年3月31日(水) ホームレス
東京は昨日雨が降りました。時間によっては、結構な雨量だったので、これはもう桜は散ってしまったかな。と思っていましたが、今日外出先のあちこちで見事な桜を見ることができました。新入社員時代に朝から花見のスペースを確保するお仕事をやらされていたのを思い出しました。最近では、ホームレス生活者が場所を確保し、そのスペースの使用権を販売しているそうです。いい時代なのか悪い時代なのか?
ホームレス生活者の話題になってしまったので、最近遭遇した「悲しいとき」を感じたことでも書きます。

先日の朝、雨が降っていました。バス停でバスを待っている間タバコを吸っていました。すぐにバスが来たので、バス停に置いてある灰皿に吸殻を投げ込みました。灰皿の中には、雨がたまっていたので、すぐに火も消えるだろうと、思った瞬間、横からものすごい勢いでホームレス生活者が飛び出てきました。雨には濡れていましたが、まだ火のついているタバコを灰皿の中から取り出すと、うまそうにタバコを吸い始めました。一瞬の出来事でしたが、ホームレス生活者と間接キスした結果になりました。淡い初恋の間接キスとは、程遠い結末に、朝から思いっきり悲しくなってしまいました(泣)。
これだけでは、単なる笑い話なので、明日はホームレス生活者を取り巻く法律関係についてお話します。
つづく。

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