業務日誌
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2004年6月1日(火) システム障害
昨日、関東地方のある法務局の登記簿謄本を登記情報交換システムを利用して、近所の港出張所で入手しようとしました。そうしたら、「システム障害で謄本は取得できません。」と法務局の係の人に言われました。「いつ復旧するんですか?」と尋ねると「いつ復旧するかわかりません。」と一言だけ。
特に急がないものだったので、待つことにしましたが、立会い当日にどうしても必要となると、困ってしまいます。
以前もこのような事があったので、「またか。」と素直に諦めました。
そんな出来事があった昨日のNHKのニュースや今日の日経を見ると、結構大々的に報道されてました。「NTTコム データ通信障害 最大規模2万回線。」ニュースや記事でも、ご丁寧に法務局に影響が出たと報じられていました。
しかしながら、今日の午前中には、法務局から「復旧しました。」との連絡が入り、無事登記簿謄本を取得できました。
謄本の取得・閲覧にシステム障害の影響を受けると、致命的ではないにしろ、困ります。少なくとも自分の知る限りで、この1年で2回目。
今後登記申請がオンライン化された時点で、このようなシステム障害が発生する可能性はないとは言いきれません。
困った事にならないような対策を講じてもらいたいものです。
2004年6月2日(水) 電磁的公正証書原本不実記録
最近話題になっている丸石自転車のお話。昨日警視庁は、丸石自転車の架空増資で前社長らを電磁的公正証書原本不実記録の疑いで逮捕しました。このお話、この業界にいない一般の方には分かりにくいのでちょっとだけ解説します。
まず架空増資とは何でしょう?ここでいう増資は新株発行の事です。このケースでは株主以外の特定の第3者に対して新株(450万株)を割り当て新株を発行しました。1株61円で発行したので、61円×450万株=2億7450万円が出資金となります。本当に払いこまれたのであれば何の問題もない通常の増資です。
ところがこの事件では株式の割当先である松嶺会が福祉関連会社から借りた2億7450万円を出資金として銀行に払込み、銀行から株式払込金保管証明書(登記で必要になります。)が発行された後に、この出資金を福祉関連会社に返却しています。本来資本金となるべき出資金が会社に残らず、書類上は資本金が増えた形式になります。「見せ金」という手口です。この状態の会社と取引するのは非常に危険といえる訳です。
じゃあ電磁的公正証書原本不実記録って何でしょうか?
この事件では、この手口で銀行に発行してもらった株式払込金保管証明書を使って、登記してしまったので、実体と違う内容(不実の内容)を登記簿(公正証書原本)に記載したことになります。
昔は登記簿は手書きのもの(旧ブック庁)でしたから、公正証書原本不実記載罪という罪名でしたが、今はコンピューター庁ですから、虚偽の登記を申請すると電磁的公正証書原本不実記録罪と今風の呼び名になっています。
この件、司法書士が登記したかどうかは分かりませんが、実際自分の身の回りで起こったら、たまらないと思います。だからといって見せ金を防ぐ具体的な手立てもありません。「お客サン、これ見せ金ですか?」って、いちいちお客を疑う訳にはいきませんからね。
2004年6月3日(木) とうとう初舞台??
今週土曜日、いよいよ第3回目の司法書士特別研修の考査があります。うちのグループ全員が受かることを祈るばかりです。研修の間、飲みにも行かず、割りと真面目なグループでしたが、考査後、やっと打ち上げです。合格発表の後に祝賀会を開こうとも思いましたが、万が一誰か落ちてたら、かなり寒いので、考査後の打ち上げです(笑)。

第1回の特別研修を受けて、簡裁の代理権を取得して1年が経過しました。この1年裁判に関する相談は、そこそこ受けましたが、まだ法廷には出てません。裁判外での解決が多かったり、訴額に比べて、司法書士報酬が割高だったりと、中々機会に恵まれませんでした。報酬を格安にしてまで、訴訟代理人となる必要はないと思っていましたが、それではいつまでたっても、法廷に立てません。研修のチューターをしながら、実際の法廷での経験を話せたらいいなあと思ったりしていました。
「そんな安い費用じゃやってられない。」と思いつづけていると、このままでは、訴訟代理人になれるとは言っても、いつまでも素人のまま。そこで「格安でもいいから、経験は積みたい。友達がトラブルに巻き込まれたら、格安でもやってみよう。」と考えを改めるようになりました。
そんな気分になったのは最近ですが、今日、とうとうトラブルを抱えた大学の同級生が事務所を訪ねて来ました。話を聞くとやっぱり裁判するのが、一番の解決法のようです。急いで訴状を作成することにしました。(この件、面白そうなので、友達の承諾を得て、内容を多少アレンジしてお伝えしたいと思います。)
2004年6月4日(金) 突然死
今日は、成年後見の日。継続的見守り契約を結んでいる方と面談しました。相変わらずお元気そうで安心しました。
実はつい先日、成年後見に真摯に取り組んでいらっしゃった司法書士の先生が突然お亡くなりなりました。60歳でした。今年になってからも何度かリーガルの役員会などの後で、一緒に飲んだりしていた先生なので、突然の訃報にかなり驚きました。
成年後見の現場では、寝たきりの痴呆の老人の世話で家族が疲れ果てている話はよく聞きます。そんな現場を見ていると、自分はそこまで家族に負担をかけずに、ポックリ逝きたいと思ったりしていました。(私は184センチありますから、こんな巨大なおじいちゃんの世話をするのは誰でも大変だと思いますから。)
不謹慎な話ですが、介護で疲れ果てた家族は、その老人が亡くなるとホッとするといいます。それに比べれば突然死のほうが、介護がない分負担はないといえると思います。しかしながら、自分の肉親の死を予感する事のない突然死は、残された家族に心の準備を与えません。今回の知り合いの先生の死は私ですら衝撃を受けましたから、ご遺族の方の気持ちを思うと悲しい気分になってしまいます。
ご冥福をお祈りいたします。
2004年6月7日(月) バイ・チン・ショウ
先週末の考査で第3回目の特別研修が終わりました。受講されてた皆さんお疲れ様でした。
土曜日にグループで打ち上げに行ってきました。どんな飲み会になるかな(荒れるかな?)と思っていましたが、大ハシャギする前に皆グッタリしていました。考査対策で相当お疲れだったようで、早い時間で終了しました。私一人不完全燃焼でしたが、素直に帰宅しました(笑)。

考査は当初の読み通り、賃貸借がでたようで、そこそこ答案は書けた方も多かったようです。「考査は当初の読み通り、賃貸借」との予測の根拠はどこにあるんでしょう?実は、司法試験合格後の司法修習では「バイ・チン・ショウ」を徹底的に叩き込まれるそうです。(ここでいう「バイ・チン・ショウ」とはそれぞれ「売買・賃貸借・消費貸借」のことです。これが基本中の基本のようです。)
私の受けた1回目の考査は「売買」、2回目は「消費貸借」と出題されましたから、余程の事がない限りはこの「バイ・チン・ショウ」の基本から出題されるだろうとの憶測がありました。それで次は「賃貸借」との噂が流れていた訳です。ここを中心に勉強されていた方も多かったようで、違うテーマが出なくてホッとされた方も多かったんではないでしょうか。
ちなみに次の考査は来年になります。基本の3類型は出てしまいましたから、次の試験を受けられる方(多くは今年の司法書士試験合格者)は大変そうです。とはいえ、考査は合格後、まずは本試験に向けて頑張って下さい。(1ヶ月切りましたね。)
2004年6月8日(火) 招集通知の発送日
先週ちょっと仕事が落ち着いたので、一安心していましたが、6月の定時株主総会開催のための招集通知の発送日(29日開催予定であれば、14日)が近づいて来た事もあり、事務所は「てんやわんや」です。今日書類のチェックをしなければならない状況でしたが、電話電話で遅々として捗りません。結局時間だけが過ぎてしまいました。(今日一日で、何人と会話したんでしょうか。クタクタです。)
状況が厳しいので、日誌はこのくらいで勘弁して下さい。

追伸
法廷デビューの件、依頼者から了解を取りましたので、逐一報告していきます。
2004年6月9日(水) 法廷デビューの道
招集通知の発送でだいぶ混乱しております。ギリギリでの議案の追加など「勘弁してくれ〜。」と言いたいところですが、お客様は神様ですからね。しょうがないです。「私、もうそろそろ帰宅させてもらっていいですか?」と帰宅に許可が必要な今日この頃です(笑)。
こんな状況でもちゃんと日誌はアップする律儀な点を是非評価して頂ければ幸いです。(内容は薄っぺらいですけど。)

さて法廷デビューの道のお話です。(あくまでもフィクションです。以下の記述は事実と異なる部分があります。)
今年の始めの頃、大学時代の同級生田中くん(通称たーさん)(仮名)が事務所に遊びに来ました。ゼミも一緒だったこともあり、大学時代の親友の一人です。それまで彼は旅行代理店に勤務していたので、私がサラリーマンだった頃など、飛行機のチケットなど取ってもらったりしていました。司法書士になってからも、国内の登記申請で、飛行機を利用する際には、ちょこちょこ頼んだりしていました。
そんな彼でしたが、「Aトラベル(仮名)を辞めたんだ。」と言って新しい名刺を差し出しました。しばらくは雑談していたのですが、「実は給料もらってない分があるんだわ。どうしよう。」と言ってきました。聞く所によると、まだ支払い期限から日も経ってないようだったので、「とりあえずは様子みたら。」と言っておきました。
つづく。
2004年6月10日(木) 法廷デビューの道 その2
その後しばらくして、たーさんから電話があり、「事務所行っていい?」と言ってきました。未払い給料の話は忘れていたので、昔話でもするのだろうと思っていましたが、やっぱりテーマはこの未払い給料の件でした。(少額訴訟の大半は敷金返還だと以前説明したと思いますが、この不況のせいか未払い給料の事件も多くなっているようです。)
たーさんは、用意周到に多くの資料を持って来ていましたので、内容を検討するのに、あまり時間はかかりませんでした。今更内容証明を打ったところで、状況に変化があるようにも思えませんでしたし、こちらサイドに有利な証拠も多かったので、裁判で解決するという結論に達しました。たーさんは同じ法学部ですから、司法書士の仕事についても良く知っていますし、簡裁での代理権があることも知っていました。また私に頼むと結構お金がかかるのも知っていました。
しかし、以前お話したように、代理権を取得してから、まだ代理人として裁判したこともありません。メインの登記業務と比較すると割の合わない仕事ですが、そんなこと言ってたら、いつまでたってもデビューできません。条件付でこの件を引き受けることにしました。
「たーさん、俺まだ1回も法廷出てないから、本当にひよっこだよ。練習台にさせてもらっていいんだったら格安でやってあげるけど。」と言うと、「いいよ、いいよ、オッケー。」とお気楽な返事が返ってきました。「と言っても、自分でやるより、100時間研修やった俺の方がマシだと思うけどね(笑)。」と言うと「そうだろうね。」と笑ってました。
いくつか書類が不足していたので、次回はそれを持って来てもらうことにしました。
2004年6月11日(金) 来週デビュー??
「法廷デビューの道」連載中(決して好評連載中ではない(笑)。)ではありますが、あやうく、来週に訴訟代理人になりそうな相談がありました。簡裁の通常訴訟の案件で、相談者は被告です。1回目の口頭弁論が終わり、来週には2回目が予定されている状況でした。原告・被告とも本人で訴訟を行っていました。
お電話のみの相談では100%負けそうでしたが、実際お会いして良く話を聞くと、なんとかなりそうでした。具体的な証拠集めと準備書面の内容についてアドバイスしときました。なんとか負けずにやれそうです。知り合いだったら、来週には、急遽被告代理人が誕生するところでした(笑)。危ない危ない。
「最初から被告の相談を受けていれば、もう少しマシだったのにな。」と被告が手書きで書いた答弁書を読みながら思っていました。「ここ記載しなきゃ原告は苦労したのに」とかいう部分がいっぱいありました。
訴状が送られてきて、自分で法廷に出る度胸はすごいと思いますが、事前に一言相談があればなあと、ちょっと残念です。週末に準備書面を書いてもらうことになりましたが、どんな仕上がりになるでしょうね。私がもっとお人好しであれば、途中から代理人として飛び入り参加するんでしょうね。暇だったら行動してみます。(でも最近忙しいもんなあ。。。)

デビューの道その3はまた今度。
2004年6月14日(月) 法廷デビューの道 その3
先日の飛び入り参加の件で、「義を見てせざるは勇なきなり。男ならどーんと行ったれ。」と掲示板に書き込んで頂きました。
論語ですか。。。立派です。おっしゃる通りです。昔の人はいいこと言いますねえ(笑)。とても仕事的には割りに合いませんが(時給1000円以下か(笑)?)、一応明日法廷傍聴することにしました。状況が厳しくなったら、代理人を立ててもらうことにしました。「義を見てせざるは勇なきなり。」の教え通りに、わざわざ裁判所まで行くことはないのですが、「法廷デビューの道その3」のついでに傍聴です。ついでがなければ「勇なきなり」です(笑)。

飛び入りの件から、話をたーさんの件に戻します。必要な証拠・必要書類が揃いましたので、明日ついに訴状を出してきます。いろいろ考えた結果「少額訴訟」でやることにしました。(決して1回だけ裁判所に行けば済むなんて、こちらの都合での選択ではないです。)
特別研修で訴状の起案やら、準備書面の作成やら色々とやらされました。しかし、形式的なことですが、その訴状のどこをホチキスで止めるとか、訴状副本にも押印するのかとか肝心なところを教わってなかったのに気づきました(笑)。どーでもいい点なのですが、仕方ないので、裁判を中心にやっている事務所に教わって作成しました。代理人とは名ばかりの状態です。

P.S.
数日前の日経新聞に出ていましたが、相撲協会を訴えた司法書士がいるようです。
2004年6月15日(火) 飛び入りの方のお話
裁判所行ってきました。まず、飛び入りの方のお話。私以外にも裁判の傍聴をする人が数人いました。予定の時間を過ぎても被告が現れないので、ヒヤヒヤしましたが、数分遅れてやってきました。すでに裁判官は原告にいくつか質問し始めています。被告は私と打ち合わせもできず、そのまま法廷に入りました。私が傍聴席にいるのを確認した被告は、私を見て軽く会釈をしました。今日あえて司法書士のバッチはしないで、傍聴したのですが、被告が傍聴席にいるスーツ姿の私に会釈しているのを見た原告は、不快な表情をしていました。私を誰だと思ったんでしょうね?
今日は証拠調べが行われるはずでしたが、原告の訴状・準備書面が分かりにくいので、再度提出するように言われていました。私も訴状と準備書面に目を通しましたが、裁判官の言うように「わかりにくい。」内容です。争点がどこか分かりにくいですし、訴訟とあまり関係のない「恨み節」が多すぎです。
本人訴訟だから仕方ない部分もありますが、争点にならないところで、相手はこんなに悪い奴だと準備書面に意見を書いても意味ないです。ただでさえ分かりにくい訴状がますます理解困難になってしまいます。そもそも裁判所に何を求めているかも分かりません。裁判官も大変です。結局双方に準備書面の再提出させることになり、次回の期日は来月となりました。簡裁の事件とはいえ、今度で3回目の期日になります。あと何回で裁判は決着するんでしょうね?もし代理人になってこのように何回も時間を拘束されるようでは、やっぱり登記の仕事のほうが楽でいいよね。ってなってしまいますね。

法廷デビューのつづきは明日。
2004年6月16日(水) 法廷デビューの道 その4
最近裁判のネタがあるので、ずいぶん楽させてもらってます。さて昨日のつづきで「法廷デビューの道」

昨日とうとう訴状を出してきました。でも意気込んで行ったわりには、そもそも裁判所のどこに出せばいいかもわかりません(笑)。こんな調子で大丈夫か?東京簡裁は1階入ってすぐ左に受付があります。そこで順番待ちの整理券を引くと、そのうち呼ばれます。とにかくやること、なすこと初めてで本当に苦労します。くだらないけど、こんな実務は研修で習いません。
順番が来て呼ばれました。切手は地下で買いました。少額訴訟セット(3910円)で売ってますので、地下で買ったほうがよさそうです。ちなみに500円切手何枚とか内訳もあるみたいです。訴状に貼る印紙も計算間違えがあるとはがすのが面倒なので、受付てから貼ったほうが賢明です。
研修を受けた司法書士なら知ってると思いますが、少額訴訟は一般の方がやり易いように、簡単な雛型があります。それを利用すれば楽ですけど、「代理人になったら、定型の訴状は利用しないで下さい。」と研修で裁判官に言われたので、通常訴訟通りの訴状を提出しました。しかしながら、いろんな本を参考にしても司法書士が代理人になった場合の少額訴訟の訴状の雛型なんてありません。ですから、少額訴訟につきもものこのフレーズ「少額訴訟による審理及び裁判を求めます。本年原告がこの裁判所において少額訴訟による審理及び裁判を求めるのは1回目です。」をどこに記載するの?ってバカなところでまた悩んでしまいました。

つづけ!
2004年6月17日(木) 法廷デビューの道 その5
またまた昨日のつづき。結局適当なところにフレーズを記載して提出しました。一見すると少額訴訟と通常訴訟の区別がつきにくいので、受付てもらった時に「すみません。これ少額なんですけど。」と言うと、「十分認識しております。」と言われてしまいました。回りは一般の方が多いようで、受付がスムーズに流れていないようでした。横に座った人の書類をチラッと覗き見ると、書類の中に『訴訟委任状』がありました。どうやら弁護士か認定司法書士のようです。簡裁でも少数(約10%)という代理人が付くケースもやっぱりあるようです。

しばらく待つと「原田先生〜。」と呼ばれました。そもそもどこに訴状を出せばいいのかも分からなかった若葉マークの代理人ですから、裁判所の方に「先生」と呼ばれるとお尻がムズムズします。
「後日、期日の打ち合わせでこちらから連絡させて頂きますので。」と言われて、事件番号の記載された受付票を渡されました。
とりあえず、これで最初のステージはクリアです(笑)。
「とりあえず、訴状出しといたよ。」とたーさんに電話しました。「あとで期日の連絡があったら、また電話するわ。来月のスケジュールで、今都合の悪い日わかる?」と聞くと「その日は有休とるから。大丈夫。」との返事がかえってきました(笑)。
2004年6月18日(金) 毎度毎度の法人後見委員会です。
今日は例の法人後見委員会です。午後2時より午後8〜10時まで打ち合わせです。とてもじゃないけど、更新無理です。また月曜日よろしくお願いします。
2004年6月21日(月) 法廷デビューの道 その6
台風のせいか雨降ってる東京です。じめじめしますね。さて、つづきの法廷デビューのお話。

早速次の日、東京簡易裁判所から電話がかかってきました。「原告田中さん(仮名)の事件担当されている原田先生いらっしゃいますか?」慣れてないひよっこの私も向こうから見れば先生。ひよっこと先生とのギャップに、事務所内で、「くすっ。」と笑い声が。どうせ慣れてないひよっこですよ、私なんかね(笑)。
電話してきた先(簡裁)は、ひよっこ先生とはご存知ありませんから、大真面目です。
裁「原告田中さんの事件担当されてらっしゃる原田先生ですか?」お尻がムズムズしますが、「はい、そうです。」と答えました。
裁「期日の打ち合わせの件ですけど、7月○○日の午後3時半なんですが、ご都合よろしいですか?」
私「(たーさん、休み取るって言ってたし、まあいいか。)はい、大丈夫です。」
裁「それじゃ、ウケショお送りしますから、流して下さい。」
私「(ウケショ??ウケショって何だ?研修に出てこなかったぞ。でも折角先生と呼んでもらってるからバカな質問はできないし。ま、後でだれかに聞こう!)はい、わかりました。」
慣れないと一々大変です。登記やってるほうが楽です(笑)。

せこくつづく。
2004年6月22日(火) 法廷デビューの道 その7
今日は、ばたばたしてました。疲労困憊ですが、これからリーガルサポート東京支部の部会です。リーガル・リーガルと仕事外でもばたばたです。遅刻しそうですが、律儀につづき。

しばらくすると、ご大層なファックスが送られてきました。原告田中一郎訴訟代理人司法書士原田正誉殿との宛名があります。送られてきたのは『口頭弁論期日呼出状』と『期日請書』でした。『口頭弁論期日呼出状』は、文面見るだけでも迫力のタイトルです(笑)。呼出と命令口調っぽいのがすごいですね。一般の方は(裁判をやった事がない司法書士を含む(笑)。)見る機会のないこれらの書面ですが、事件番号(平成16年(少コ)第○○○○号)や事件名、担当の書記官の名前、口頭弁論期日などが記載されています。当日どこの法廷であるかも指示されています。
「ウケショって何だ?」と戸惑ったウケショも一緒に送られてきました。結局『期日請書』のことだったんですね。「頭書の事件につき、口頭弁論期日を平成16年7月○○日午後○○時○○分と指定告知されたので、に出頭します。」と記載されたウケショに署名押印してファックスすればいいようです。その点、当事者出頭主義の登記と違ってわざわざ出向かなくていいのがいいですね。

時間いっぱいです。急いで司法書士会館に行ってきます。
2004年6月23日(水) 法廷デビューの道 その8
台風が過ぎ去ったと思ったら、今日の東京地方は真夏日のようでした。ジリジリと焼けつくような1日だったので、最寄駅から遠い(徒歩15分くらい)の法務局に申請に行ったスタッフはちょっとグッタリして帰ってきました。そろそろ法務局回りが厳しい季節です。厳しい季節といっても、私は1日中事務所にいました(笑)。

さて、またつづき。
たーさんは有休を取ると言っていたので、期日に出頭できるかどうか、取り合えず連絡しました。
私「もしも〜し、例の件、期日が7月○○日午後○○時○○分になったけど、どう?出れる?」
たーさん「7月○○日ね。休み取るから、全然おっけーよ。いろいろありがとね。」
私「当日証拠の原本持って来てね。」
たーさん「了解、了解。」
私「当日どうする?どっかで待ち合わせする?早めに集合して、ちょっと打ち合わせしたいし。」
たーさん「じゃあ、事務所に行くから、一緒に(簡裁に)行きましょ。」
私「OK,OK.」
私「(少額訴訟なので)1日で終わるから、その後軽く飲みにでも行く?」
たーさん「いいねえ。じゃ、そうしましょ。」
私「じゃあ、当日ね。」
たーさん「はいはーい。」

本人のOKでたので、裁判所に請書を送りました。
2004年6月24日(木) 今日からまた産みの苦しみです
昨日ほどギラギラした太陽ではないものの、今日一日暑かったですね。うちの事務所の目の前の道路が工事のため、今日は騒音の中仕事しておりました。ビルの1階に事務所があるのは便利ですけど、こんな時はハマリますね。電話が聞き取りにくかった方失礼しました。

昨日までは、法廷デビューの道というネタがありましたので、日誌の更新は割りと楽でしたが、今日からまた産みの苦しみです。というのも、法廷デビューの道のつづきは、基本的には期日に出頭しないとお話が進まないからです。裁判は60分から90分ぐらいでしょうけど、その内容を数日に渡って更新したいと思います。(←せこい?)まるで翼君がシュート態勢に入って、シュートするまで、4週間はかかる『キャプテン翼』並のせこさで更新したいと思います。期日は来月の中頃ですので、しばらくは別のネタで行きます。

法廷デビューの道ネタで、しばらく登記ネタの更新はしていませんでしたが、ちょっと前に我々の業界的には大変革である不動産登記法の改正が決まりました。電子政府化の一環としていよいよ権利証がこの世から消える日もそろそろです。
2004年6月25日(金) 法人後見委員会の罠
梅雨っぽい天気でしたね。株主総会が次々開催されるこの時期、ジメジメした地味な仕事をやっていました。

先日のリーガルサポート本部の法人後見委員会で、委員の担当が都道府県別に割り振られました。原則1都道府県に担当1人が責任をもって当たることになったので、責任が明確になりました。(今までは複数で担当。)
この担当の仕事は、リーガルの社員(司法書士)が就任している後見人の事務をリーガルサポートが法人として監督する業務が中心になります。具体的には担当する都道府県の後見人の業務資料を全てチェックし、個別に承認が必要なケースでは、契約書等を丁寧に確認していくお仕事です。地味ですけど、結構重要な役割です。
法人後見委員会では新参者ですし、これでも1番若いので、無理やり(?)大都市を担当させられました。「あそこはあまり案件ないから(笑)。」という声に背中を押されてやることになったのですが、担当してすぐ、確認が必要なファイルがどんどんメールで送られてきます。やっぱり騙されました(泣)。責任が明確な分逃げれません。後の祭です。
地味な仕事ですが、これが将来の血となり肉となるとでも思わないとモチベーション0です(笑)。

明日健康診断です。TGIF(花の金曜日)ですが、お酒を飲まずに帰ります。く〜(叫)。
2004年6月28日(月) 時代に逆行してます。
健康診断も終わり、やっとお酒解禁です。お酒を飲めなかった分、普段見られないテレビなどを見ておりました。
結構話題になっていた『離婚弁護士』が最終回だったので、あまり見ないドラマを見ることにしました。コンプライアンスなどに問題ある社長を解任するために、少数株主が解任議案を株主総会に提案するのに足りる総株主の議決権の100分の1の株主の委任状を争奪するといった内容でした。コンプライアンスなどに問題ある社長を解任するという今っぽい内容でしたので、最後まで見てしまいました。

なぜ、この話にしたかというと先週の土曜日の日経新聞に変な記事が載っていたからです。それはある地方銀行のトップ交代の記事。頭取が解任させられていました。コンプライアンスなどに問題ある頭取が解任させられたというのであれば、良くあることと納得するところですが、記事を良く読むと、コンプライアンスや情報開示などの改革を急いだ頭取を「頭取は厳しすぎる」という役員の提案で解任されたようです。
「特定の生保と癒着と疑われかねない関係を正すべき。」と改善を求めていた頭取の解任です。普通に読むと頭取に正義があるようですけど、詳細がよくわからないので、あまりコメントできません。でも時代の流れと逆のような気がします。(実際は深いところで色々あるんでしょうけどね。)
「頭取は厳しすぎる」という役員に正義があれば、次の株主総会でも、その役員は再任されるんでしょうね。どうなることやら。
2004年6月29日(火) 今日は無理か?
今日は商用のため、更新が難しそうです。早めに終わるようでしたら、アップしますが、あまり期待しないで下さい。
2004年6月30日(水) 発狂寸前!
やっぱり昨日は無理でした。失礼しました。商用が終わったのが12時前。いくら律儀な私でも更新は無理です。体力気力ギリギリですが、今日も更新します。。。

6月も最終日となりました。ほとんどの3月決算の会社の株主総会も無事?終わったようです。これから2週間以内に登記申請となります。できあがった議事録が司法書士事務所に続々集まる時期です。会社の多い港出張所では、1年の中で1番忙しい時期となります。ちなみに登記してから、その登記が完了するまで地方の法務局だと数日で終わります。普段の港出張所は2週間ぐらいかかります。ところがさすがにこの時期ですね。今日申請した登記が完了するのが、7月16日です。明日申請分は20日になってしまいます。登記してから登記完了まで、20日かかるというのもちょっと異常な季節です。

今日はこんな時期のうえに、月末・大安でしたので、どこの司法書士事務所もグッタリしてしまった1日ではなかったのでしょうか。お疲れ様です。私は夕方ぐらいからイライラして発狂しそうでした(笑)。

司法書士受験生は今週の日曜日が試験です。本当にラストスパートの時期ですが、体調だけは崩さないように気をつけて頑張って下さい。(といってもこの直前期。受験生は読まないか(笑)。)

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Akiary v.0.42