業務日誌
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2004年7月1日(木) 混んでます
昨日の日誌で「港出張所の商業登記の完了日は20日になってしまいます。」と書きましたが、完了予定は7月21日でした。すごい遅いですね。今日午前中は原本還付(登記申請に議事録等の原本を添付したくない場合、原本に替えてコピーを提出します。原本のコピーに間違いがないか受付で確認してもらいます。)に20人ぐらい並んでました。あまりにも異常な行列でしたから、申請しないで、一旦事務所に戻りました(笑)。

これだけ登記完了まで時間がかかると登記簿謄本が足りるかどうかも心配になります。というのも、登記申請中はロックされる(ロックについては日誌に既出。)ので、その間登記している会社の登記簿謄本は取得できません。迂闊に申請してしまうと、謄本が手に入るまで20日かかります。申請前に登記簿謄本を取得しておかないと大変です。気をつけて下さい。

登記簿謄本の取得に20日かかるのも、ロック中のためですが、ロックされていないのに謄本・公図を取得するのに10日かかると言われた法務局があります。実は不動産の登記簿謄本(その法務局はコンピューター庁でないので、本当に登記簿謄本)・公図を大量に取得しなければならない案件があり、ちょっと量が多いので、法務局に事前に問い合わせしたところ、「10日ぐらい時間を下さい。」と返事されてしまいました。「うちもあなたのところ(司法書士原田事務所)のだけではないですから。一般のものもやらなければならないので。」ごもっともです。でも出来るだけ早めでお願いします。。。
2004年7月2日(金) 試験がんばれ!!
7月に入りました。あさってには司法書士試験の本番です。受かってしまえば、他人事ですが、当時を振り返ると「とにかく大変。」です。ここまで来ると受験のテクニックより、精神論になりますが、とにかく頑張って頂きたいものです。ちなみに去年の受験した大学時代の友人がまた受験します。模試の成績は今一つだったようですが、奇跡を見せてもらいたいものです。合格お祈りしてます!Sさん。

話がちょっとずれてしまいますが、この日誌はワードで1回作成してからアップしています。今、上の文章を作成していて思ったんですが、受験と変換しようとしても「授権」、奇跡と変換しようとしても「帰責」と第1変換候補が出てきます。「受かってしまえば、他人事。すっかり私はこっちの業界にいます。」みんな早くおいでね(笑)。

日曜日に試験が終わると、気の早い人は、すぐ司法書士事務所を回って就職活動です。でも現実は厳しく中々合格しないので、年内働いてまた受験生に戻る人が多いようです。しかし合格発表は11月です。試験終わってから不安な時期が長いですから司法書士事務所でバイトするのも「アリ」ですね。

ちょっと【業務連絡】
うちの事務所はスタッフ募集してますが、ちゃんとHPで確認してから連絡して来て下さい。宜しくお願いしますね。
2004年7月5日(月) 受験生の皆さんお疲れ様でした。
東京地方はずいぶんと暑い日曜日でした。そんな暑い中、司法書士本試験も無事(?)終了しました。問題まだ見てませんが、受験生の皆さんお疲れ様でした。ボーっとしたり、テレビや映画を見たりと、しばらく出来なかったことをやっくりやって下さい。

手応えはどうでしたか?ごく稀に完璧な出来だった方もいらっしゃると思います。ゆっくりするのもいいですけど、もし合格していたら、あとは実務の積み重ねです。時間ももったいないので、どこかの事務所で修行してみるのもいいかもしれません。修行の結果、開業ともなれば、あなたは立派なライバルです。お手柔らかにお願いします(笑)。

受験生の中には、自己採点が怖くてできない人もいると思います(気持ちは良く分かる(笑))が、落ちたら落ちたで、気分を切り替えましょう。(無理かなあ?)この時期ガリガリ勉強する人もあまりいませんし、差をつけるにはいい機会です。受験生の知識も今がピーク、各科目が有機的に繋がっているこの時期に、今まで理解が難しかった所を読み返すと「あ〜なるほどね。」と納得できる部分も多いと思います。来年の合格目指してツライけど頑張りましょう。
2004年7月6日(火) す、すみませぬ。。。
暑いですね。夕方まで元気だったのですが、夏風邪なのか体がキツくなってきました。ゆっくりしたいところですが、今日は6時から久しぶりの港支部の役員会です。体調どうなることやら。。。
と書いたところで電話電話と続いてしまい、時間切れとなってしまいました。すみませんです。明日また。
2004年7月7日(水) 女子高生に講演??
昨日は失礼しました。昨日は時間切れと言いつつ、支部の役員会に30分ほど遅刻してしまいました。遅刻しましたので、既にいくつかの議題は終わっていました。それまでの議事録を見ると、そこには「担当 原田先生」の文字が!何だ?と焦って内容を見ると「商業高校での講演」とあります。

実はその商業高校から「司法書士の仕事について」「成年後見制度について」の内容で司法書士に講演して欲しいという依頼があったそうです。他の支部の役員も私がリーガルサポートで色々やらされているのを知っていますし、他の港区の司法書士で成年後見をやってる先生があまりいないのも知っています。当然この話は私のところに回ってきます。
商業高校ですから、断然女子高生が多いそうです。成年後見や介護といった分野から遠く離れた最近の女子高生に「成年後見制度について」話しても、誰も話なんか聞いてくれなさそうです。話に耳も貸さず、携帯でメールしたりしている女子高生の姿が容易に想像できました(笑)。

びびった私は、「誰か私以外で適任な、お話のうまい女性の司法書士がリーガルにいますから、その方に頼んでみます。」と言ってお茶を濁しました。「誰も適任者がいなかったら、最悪私がやります。」と言ってしまったので、この件に協力して頂ける先生を頑張って探さなければなりません。必死で探します(笑)。
2004年7月8日(木) 風邪でダウン
講演してくれる先生を必死で探さないといけないのに、どうやら風邪のようです。昨日の夜出た熱も今朝は下がっていたのですが、夕方になってグッタリしてきました。早めに帰って寝ます。熱でたのは久しぶりなので、37度を超えると気力が萎えます(笑)。

追伸
続々と受験生から試験の報告がありますが、みなさん「また来年です(泣)。」の報告です。厳しいなあ。
2004年7月9日(金) 病欠
今日は風邪で休もうかと思ったのですが、お昼頃這い出てきました。でも苦しいのですぐ帰らせてもらいます。熱はまだあります(苦)。
2004年7月12日(月) 架空請求−間違い探し
週末はひたすら寝ておりました。おかげで熱は下がりましたが、完全復活までは、あとちょっと時間がかかりそうです。いろいろご迷惑をおかけしました。食欲がない分少しだけ痩せました(笑)。いい機会なので、無理のない範囲でダイエットしようかと思います。

ちょっと前に架空請求のお話をしたと思いますが、相変わらず、同じような手口の請求されるケースが多く、被害も減らないようです。最近では弁護士の名をかたるものなど手口が巧妙になっています。以下に架空請求の例文をあげます。こんなのが送られてきたら、あなたならどうしますか?

『情報通信未納料請求通知書
 この度、貴方様が以前ご利用された通信会社様での「情報通信料金未納分」についてのご連絡になりますので、至急ご連絡をお願い致します。
貴方様の未納料金につきまして、いまだお支払いの確認が出来ておりませんので受付期日までご連絡なき場合は「情報通信契約民法特例法」に基づき、誠に遺憾ですが、裁判発展となり執行官による給料差し押え及び、動産物差し押さえになりますのでご了承ください。なお、法的手続きを拒む場合、法務省より営業を許可された正規の債権回収業者様へ委託を致し、ご自宅への料金の回収にお伺いさせて頂きます。また、お支払方法などは下記に記載しております番号までお問い合わせ下さい。 梶宦宦宦宦@債権管理部 電話○○○○−○○○○』

良く読むとおかしい部分がいくつかあります。どうですか?変な部分にお気づきになりましたか?正解は明日。
2004年7月13日(火) 架空請求−解説1
昨日のつづきです。あまりにも奇妙な箇所が多いと思われたと思います。私が気づいた部分で8箇所もありました。どれだけわかりましたか?

1 まず相手方が「以前ご利用された通信会社様」となっており、どこの会社との間のものか不明ですよね。これじゃ債権の特定もできません。色んな人に同じ文面を出していますから、こころ当たりあるように、こういうぼかした書き方しかできない訳です。

2 「情報通信料金未納分」とありますが、これもいくらなのか不明です。この点でも債権の特定ができません。せめて契約締結日と金額ぐらい特定して下さい。でもここで中途半端に特定してしまうと騙される人が減るんでしょうね。

3 「以前ご利用された通信会社様での」とありますから、この文面を出してるのはその当該通信会社ではないですよね。となると「以前ご利用された通信会社」がその債権をはがきを出した会社に債権を譲渡していることになります。債権の譲渡には債権者(ここでは「以前ご利用された通信会社様」)が債務者(この手紙を受取った人)に通知するか債務者が承諾しなければ、債務者に対抗できません。(民467条)当然今までにそのような通知がなければ、この会社が何を言ってきても平気な訳です。その会社が債権の譲渡ではなく、債権の回収を頼まれているとすると弁護士法違反になります。

4 「ご連絡なき場合は「情報通信契約民法特例法」に基づき」とありますが、少なくとも私は「情報通信契約民法特例法」なんて名前の特例法を知りません。不勉強だったらごめんなさい(笑)。

間違いだらけで、ちょっと解説も長くなりましたので、残りはまた明日。
2004年7月15日(木) 架空請求−解説2
またまたつづきです。昨日は風邪がぶり返し休んでしまいました。ご迷惑おかけします。お詫びの意味も含めて早めにアップします。

5 「執行官による給料差し押え」これも本当っぽいですけど、債権執行の執行機関は執行官ではなく執行裁判所です。給料の差し押さえに執行官は出てきません。

6 「動産物差し押さえになります」これもありそうですけど、動産の差し押さえという用語はあっても「動産物の〜」は言葉として使わないですね。素人用語です。

7「法務省より営業を許可された正規の債権回収業者様」これもありそうでありません。法務省の名前があると本物っぽく見えるんでしょうかね?一応サービサー法の説明なんでしょうけど、許可は法務省ではなく、法務大臣です。それに許可を受けた債権回収会社が回収できる特定債権に「情報通信料金」は含まれません。

8 「正規の債権回収業者様へ委託を致し、ご自宅への料金の回収にお伺いさせて頂きます。」とありますが、そもそも委託できません。それに「ご自宅への料金の回収にお伺いさせて頂きます。」と迫力ある文面ですが、正規のサービサーがこんな回収やってしまったら、法務大臣の許可がなくなります(笑)。

と一見すると本物っぽいですけど、良く読むと内容は『大ウソ』です。いくつわかりましたか? あとこの手の手紙の特長としては、連絡先が携帯電話のものはそれだけで十分怪しいです。会社の住所が架空のものも多いようですから、市区町村役場で確認するとウソが分かります。またその住所地では、使用されない局番の電話番号の場合もあります。NTTに聞けばすぐ分かります。などなどウソを見破る手がかりはいっぱいありますので、要注意です。一度払ってしまった人(騙されやすい人)のデータは業者間でさらに活用されてしまうようです。基本は無視すること。こちらから絶対連絡しないこと。騙されないで下さいよ。
2004年7月16日(金) 法廷デビューの道 その9
おとといは風邪で事務所をお休みしましたが、これも昨日が裁判の期日のためでした。急に「代理人は風邪で法廷に来れません。」という事態だけは避けようと思いましたので、念の為にお休みした次第です。

ずいぶん間が開きましたが、法廷デビューの話のつづきです。
前回は、裁判所に請書を送ったところまで書きました。基本的にはこれで一応OKなのですが、訴状がちゃんと送達されるかという微妙な問題があります。今回は相手方は会社なので、訴状も当然登記簿上の住所地に送ります。ところが相手方の会社は本店の住所を移転しておりました。(登記はしていない。)
会社の本店が変わったら、当然2週間以内に本店移転の登記をしなければなりませんが、この本店移転、結構費用がかかります。管轄外の本店移転(例えば港区から中央区)の場合、登録免許税だけでも6万円かかります。住所が変わっただけにしては、結構高いんです。司法書士報酬まで合わせるとすぐに10万円かかります。商売繁盛している会社ならともかく、そうでない場合は登記をしないこともあるようです。
郵便物の関係で郵便局に届出ていれば、郵便物は1年間転送されます。今回はその転送期間だったようで、その数日後裁判所に問い合わせしたところ「送達されてます。」とのお返事がありました。送達されなければ、公示送達など面倒な手続を踏まなければなりませんでしたので、まずは一安心です。
つづく。
2004年7月20日(火) 後見人の仕事
3連休中にあったお話です。(あくまでもフィクションです。以下の記述は事実と異なる部分があります。)今回は長い話ですが、本当に面白い話ではないので、興味ない人は読み飛ばして欲しいと思います。

毎月月初めは成年後見の日という話で何度か過去に説明させて頂いた事があったかと思いますが、司法書士の通常の登記以外の仕事に成年後見という分野があります。リーガル・サポートの法人後見委員会などの話も過去にしておりますので、私がこの分野のお仕事をやっているのはご承知だと思います。

先週よりの風邪で体調がいまいちの私は、この3連休で体を休めるつもりでした。そんな連休初日のことです。1本の電話がかかってきました。
「もしもし、鈴木さん(仮名)の後見人の原田さんですか?こちら警備会社○○○○の○○です。」
「はい、原田ですけれど。」警備会社からの電話でしたので、なんだろうと思いました。
「実は鈴木さんがご自宅でお亡くなりになりました。」
「えっ?。。。」
「鈴木さんがご自宅でお亡くなりになりました。」
(まさか。。。)あまりに急なことに頭の中は真っ白になりました。鈴木さんとは、2週間程前にもお会いしたばっかりです。
聞くと警備システムが作動したので、自宅に出向いた所、倒れている鈴木さんを発見したそうです。私が鈴木さんの緊急連絡先になっていたので、すぐに私のところに電話したとのことです。
「すぐ行きます。」そう言って電話を切りました。

頭の中はまだ真っ白です。この連休は風邪なのでゆっくり休養するとかは、もはやどうでもいい話です。混乱しながら、慌てて着替えて出かけました。現場に到着すると数台のパトカーが停車していました。
何度かお伺いした鈴木さんのご自宅の玄関には、たくさんの靴が乱雑にありました。警察の方が大勢います。
「鈴木さんの後見人の司法書士の原田です。」
「ああ、助かりました。」先頭で指揮を取っていた警察の方が、私を見てそう言いました。

現場のことは、あまり書きたくないので省略させてもらいます。

(2週間程前にも会ったばっかりなのに。2週間程前はお元気だったのに。)そんな言葉が頭の中をグルグル回ります。ついこの間までお元気だったこと。後見人として自分はちゃんと仕事ができていたのか。十分に鈴木さんのことをみてやれていたのか。もっと色々やれたんじゃないのか。頭の中をグルグル言葉が飛び交います。
1年以上のお付き合いです。親戚のおじさんよりも、ずっと会ったりしていた関係です。数日間最後の仕事のつもりで、バタバタしてました。緊張していたのか、混乱していたのか、不思議と悲しくありませんでした。一番始めに後見契約した時に、いずれはこの人とも別れる日が来るのだろうとは思っていました。仕事上でのお付き合いなので、葬儀に出ても涙なんか流さないのかなあ。と思っていました。

(中略)ずいぶんと時間だけが経過しました。

やっと落ち着いたので、お線香をあげさせてもらいました。
手を合わせながら「鈴木さん、こんな俺で良かったですか?こんな俺で良かったですか?」と何度も問いかけていました。
職業としての後見人。商売としての後見人。死に直面しても涙も流さず、淡々と仕事をする後見人。
でも、日誌を書いて、こうやって、落ち着いて思い出すと、突然悲しみが湧きあがってきます。こういう業務は私には向かないのかもしれません。

鈴木さんのご冥福をお祈りします。ゆっくり休んで下さい。
2004年7月21日(水) 法廷デビューの道 その10
昨日はテンション低めの内容で失礼しました。体調はどうにか整い、精神的にも復活しました。昨日の日誌を読まれた方は、いつもと違うテンションに戸惑われたのではないでしょうか?こちらは完全復活してますので、ご心配なく(笑)。

さて気を取り直して、法廷デビューの道のつづきです。
訴状の送達は無事できたようですが、期日が迫っているのに相手方から答弁書が届く気配が一向にありません。期日は7月15日だったのですが、12日、13日とその日が近づいてきます。答弁書も出なければこっちのものですが、どうなっているか不安です。
そうこうしてる間に7月14日になりました。先週から引いている風邪のせいで体がだるく、熱もあるので、思いきって事務所を休むことにしました。期日に風邪で休んでしまったら、訴訟代理人失格ですからね。
ゆっくり休みたいところですが、事務所から電話はかかってきます。(平日ですからね。)起きたついでに、次の日の待ち合わせを含めてたーさんに連絡しました。ちょっと早めに待ち合わせをして、ゆっくり昼食を取ることにしました。この分では、裁判が終わった後、一緒に飲みに行くのは無理そうです。
夕方になり、そろそろ事務所を閉めようかな?と思って、事務所に連絡しました。その日の報告を聞き終わり、「じゃあ、今日は事務所閉めて。」と言おうとした時、「FAXが来ました。」との報告がありました。

つづく。
2004年7月22日(木) 法廷デビューの道 その11
相変わらず港の法務局は混んでます。7月1日に申請した分がやっと上がってきました。一旦申請してしまうと、後は法務局次第です。司法書士がどう足掻いても、登記は早く終わりません。私を急かしてもどうにもなりません。ご理解下さい(笑)。

もったいぶった昨日のつづき。
「誰から?」
「裁判所からみたいです。」
「うそ!まじ?答弁書?」
「そうみたいです。」
とうとう送られてきました。
「答弁書は手書き?ワープロ打ちしてある?」
なんでこんなことを聞くかというと簡易裁判所での裁判は本人訴訟が大半です。代理人(弁護士や、もしかしたら認定司法書士)が就いたのであれば、答弁書も当然プロ仕様のワープロで清書してあるはずです。
「手書きです。」
「あっ、そう。手書き。。。」相手は素人確定です。ちょっと安心です。「じゃあ、こっちに送ってよ。」答弁書が送られるのを待つことにしました。
送られてきた答弁書を見ると、簡易裁判所に備え付けの書式に手書きで書き足したものでした。普通の答弁書では「請求の趣旨に対する答弁」とか「請求の趣旨に対する認否」とかを記載しますが、簡易裁判所に備え付けの書式では、一般の方に解り易いように「紛争の要点(請求の原因)に対する意見」「その他私の意見」などを記入する欄があります。
書いてある内容を読んで見ました。

つづく。
2004年7月23日(金) 法廷デビューの道 その12
またまたつづきです。
今回は未払い給料請求事件です。売買代金請求などと違って、もともとの契約(売買であれば売買契約、未払い給料の場合は労働契約)を否認してくる可能性はあまりありません。勤務していた事実などを否認してくる可能性もまずありません。

よくボクシングなどでデビュー戦に噛ませ犬と対戦して白星を飾るケースがありますが、今回の私のケースも基本的に負ける要素はありません。お膳立てされた法廷に立つだけです。答弁書にも争う形跡がほとんどありませんでした。これなら、大丈夫です。安心して眠ることにしました。

次の日たーさんが事務所にやってきました。
私「これ見て。」答弁書を見せました。「債務認めてるから、負けないと思うよ。後は分割払いに応じるかどうかだけね。」
たーさん「そうね。でもこれ(相手の分割支払いの希望金額)じゃ厳しいね。」
私「でも相手も厳しい(台所事情が)んだよね。」
たーさん「そーなのよ。」
私「判決もらって強制執行より、和解したほうがいいね。」
お昼を食べながら軽く打ち合わせをしました。
私「ちょっと早めに行って見学(他の事件の傍聴)しよう。」

東京簡易裁判所に到着しました。うちの事務所からタクシーで1000円ぐらいのところにあります。
2004年7月26日(月) 法人後見委員会
例によって今日は「法人後見委員会」です。1時からたぶん10時近くまでミーティングが続くと思います。更新不能です。また明日。
2004年7月27日(火) 法廷デビューの道 その13
昨日は失礼しました。結局法人後見委員会を中座して、港支部の役員会にも出席しました。今回の法人後見委員会も内容がハードでしたので、正直言って中座できてちょっとラッキーでした。(不謹慎ですね(笑)。)

さてまたつづきです。
たーさんは裁判所に来たのが初めてだったので(普通はそうですよね。)、「ここに訴状を出すんだよ。」とか「左のエレベーターが簡裁で、右のエレベーターが家裁だよ。」とか、どーでもいい話をしたりしました。

いきなり裁判が始まると、たーさんの心の準備がないだろうから、我々の事件の裁判が行われる法廷に入って、ちょっと傍聴しました。
簡裁の法廷は普通の裁判所のようなところとラウンドテーブル方式のものとがあります。普通の法廷では、裁判官は黒い法服(法衣ではない。この件日誌にて既出。)を着て、段上に座ります。そんな法廷ですから、厳粛なかんじがしますし、結構本格的です。

それに対してラウンドテーブル方式の法廷は、大きな丸いテーブルがあり、裁判官も私服(私服といってもスーツにネクタイ、間違ってもアロハなど着ない(笑)。)です。段差もありませんから、ちょっと気軽なかんじがします。同じ目線で話ができるので、一般の方には敷居が低いかんじがします。我々がやるのは少額訴訟ですので、当事者であるたーさんに意見を求められることがあるかもしれません。本格的な法廷だと、たーさんがビビるかもしれないので、正直ラウンドテーブルの法廷でホッとしました。(私も緊張するかもしれないので、そういう意味でも良かったです(笑)。)
2004年7月28日(水) 法廷デビューの道 その14
またまたつづきです。このネタのおかげで、ずいぶん楽させてもらってます。このシリーズが終わっていたら、今日はUFJの仮処分の話などをしなければならないところです。危ない危ない(笑)。

我々の事件を扱う法廷では、別の事件の審理が始まっていました。裁判官の顔を見ると、私の特別研修の時に、講師をやられていた方でした。お話が面白い方だったので、覚えていました。
審理されているのは、敷金返還請求の事案です。敷金返還では、現状回復について大家が正しく理解していないことが多く、傍聴のたびに、裁判官に厳しく指摘されています。今回も裁判官の口調がかなり厳しく、これを聞いたたーさんが萎縮しなければいいなと思いながら傍聴を続けました。

傍聴中。ラウンドテーブルを指差して。
私「(ひそひそ声で)あの真ん中が裁判官で、隣りの年取った人が司法委員、裁判官の左が書記官だよ。」(司法委員は民間の方ですが、簡易裁判を手伝ったりします。和解なども司法委員と行います。経験豊富な民間の方なので、高齢の人が多いようです。)
私「一番手前の左が原告、右が被告。敷金返還請求だから、被告は大家ね。」
私「俺らは原告だから、こっち(左)ね。」
裁判官の厳しい声が響きます。これ以上傍聴しても、たーさんが萎縮するだけです。たーさんに声をかけて、急いで法廷を出ました。
2004年7月29日(木) 法廷デビューの道 その15
今日は、日中時間がありましたので、原田事務所のi-mode版ホームページを作りました。この業務日誌も最新数日分は読めますので、通勤途中や家にパソコンがない方など是非アクセス下さい。改良して欲しい箇所がありましたら、ご連絡下さい。よろしくです。

またまたつづきです。
東京簡易裁判所には2ヶ所しかタバコが吸えるところがありません。しかも狭く閉ざされたところです。仕方がないので、そこで休憩しました。たーさんは口には出しませんが、ちょっと緊張してる風です。勿論デビュー戦の私も多少緊張してきました。今までかなりの回数裁判所には来ていますし、何度も傍聴してます。ラウンドテーブル形式の法廷で、一般の方に敷居が低いようになっていても、それでも多少緊張します。ただでさえ緊張しているのに、さっきの法廷は見学者が一杯です。勘弁して下さい(笑)。

和解になった場合の条件を最終的に打ち合わせして、いよいよ法廷に向います。法廷に入るとたーさんがそこにいた人に挨拶しています。
私「誰?」
たーさん「(被告の会社の)取締役だよ。」
そりゃそうです。今回は未払い給料請求事件です。当然相手方の会社で働いていましたから、そこの取締役は知ってて当然です。働いていた当時は仲良かったとしても、今はちょっと気まずそうです。
取り合えず相手方も来ましたので、裁判は始まります。さっきまで、大勢いた傍聴人もいなくなりました。ちょっとホッとしました。
2004年7月30日(金) 法廷デビューの道 その16
今日も時間があったので、QRコードを作成したりしてました。(←暇??)作ったはいいけど、うちの事務所に『携帯でピッと!』できる端末を持っている人がいないので、動作確認が取れません。情けないので、週末でも新しい携帯を買いに行こうかと思ってます。

つづきです。
私「じゃあさ、そこの出頭カードに記入してよ。」研修で習ったので、知ったかぶりで説明しました。裁判のために、法廷に来た人は出頭カードに名前を記入することになっています。
たーさん「どこに書けばいいの?」
見ると被告の欄には、既にたーさんが挨拶した取締役の名前が書かれていました。
私「原告のところに名前書けばいいのよ。」
たーさん「了解。ん?代理人は名前書かなくていいの?」
私「どーなんだろ??書かなくていいんじゃない?俺やっぱ素人丸だしだね(笑)。問題あったら、書記官に何か言われるから(笑)。」
出頭カードを良く見ると「原告又は代理人の氏名」「被告又は代理人の氏名」と書かれています。研修で出頭カードのことは習いましたが、わざわざ書き方まで教えてもらってません。原告又は代理人の氏名とありますから、原告であるたーさんの名前さえ書けば私の名前はいらないようです。(と、判断しました。)
たーさんが出頭カードに記入して、しばらくすると書記官が出頭カードを見に来ました。
書記官「あれ?代理人の原田先生来てます?」
私「あっ、はい。」手を挙げました。
書記官「出頭カードに記入お願いします。」
たーさんと私は顔を見合わせて大笑いです。でもおかげで、お互いの緊張がほぐれました(笑)。

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Akiary v.0.42