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2012年02月27日

休眠会社の売買


まだまだ寒いですね。ちょっと風邪気味ではありますが、今日は、休眠会社の売買のニュース。

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<休眠法人>ネット転売横行 暴力団が購入し資金源に(毎日新聞
2月27日)
 休眠状態の会社などの法人格が転売され、違法行為に悪用されるケースが相次いでいる。
全国で暴力団排除条例が施行されて排除の機運が高まる中、暴力団が資金集めの隠れみのにしたり、違法収益を移す資金洗浄
(マネーロンダリング)に使う例もあるとみられる。法人格はインターネット上で販売されており、警視庁などは「暴力団の犯罪インフラ
(基盤)として利用される恐れがある」と警戒を強めている。(以下略)

暴力団排除条例が施行され、排除の機運は以前と比べると、かなり高まっていると思います。そうした中、司法書士は、
全国で暴力団排除条例が施行される前から、マネーロンダリングなどの対策として、犯罪収益移転防止法による本人確認をしっかり行っています。
(行っているはず。)

犯罪収益移転防止法による本人確認は、司法書士にとってかなり負担ではありますが、その負担が多少なりとも違法行為の歯止めとなれば、
それも司法書士の使命と割り切れるはずです。

通常、休眠会社の売買は、株式の譲渡、譲渡承認、定款変更、本店移転、役員変更等がセットとなり行われます。
定款変更や役員変更がありますから、司法書士が関与すると、当然に犯罪収益移転防止法による本人確認が必須となります。

しかし犯罪収益移転防止法による本人確認も本店所在地に郵便物が転送不要の書留で届けばいい扱いですし、代表者等の本人確認も、
「私が担当者です。」という担当者の運転免許証上の住所に郵便物が転送不要の書留で届けば、一応それで問題ないという扱いです。

ですから実際にダミーの担当者なりを立てられてしまうと、マネーロンダリング対策には程遠いものとなってしまい、
歯止めにはなかなかならないと思われます。

また休眠会社の売買は、犯罪とは無関係の方々の中でも、普通に行われていますし、定款変更とセットで増資があったとしても、
それだけで暴力団の犯罪インフラと断定するのは難しく、犯罪抑止の対策が対策として機能していないとも言えます。

しかしながら、何もしないよりは、犯罪収益移転防止法による本人確認を行っているほうがまだマシだとも言えますので、
今の負担を減らす訳にもいきません。他に我々司法書士ができることと言ったら、アンテナを張り、
暴力団の犯罪インフラとなる可能性のある案件をより注意深く観察するしかありません。

色んな意味で限界を感じてはいますが、念には念を。注意していきましょう。

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