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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

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2013年05月31日

商法時代の社外取締役と会社法での社外取締役

商法時代の社外取締役と会社法での社外取締役について質問があったので、まとめてみました。

【商法時代の社外取締役の定義】
取締役ガ其ノ会社ノ業務ヲ執行セザル取締役ニシテ過去ニ其ノ会社又ハ子会社ノ業務ヲ執行スル取締役、
執行役又ハ支配人其ノ他ノ使用人トナリタルコトナク且現ニ子会社ノ業務ヲ執行スル取締役若ハ執行役又ハ其ノ会社若ハ子会社ノ支配人其ノ他ノ使用人ニ非ザルモノ

【商法下において社外取締役である旨の登記ができる場合】
株式会社の取締役が社外取締役の要件にあてはまる場合、社外取締役である旨は必ず登記する必要がありました(旧商法188条2項7号ノ2)。

【会社法における社外取締役の定義】
株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、かつ、
過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないもの

【会社法下において社外取締役である旨の登記ができる場合】
373条1項の規定による特別取締役による議決の定めがあるとき(911条3項21号ハ)
委員会設置会社であるとき(911条3項22号イ)
427条1項の規定による社外取締役が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるとき(911条3項25号)

【非常勤取締役】
会社法には明確な定義がありません。
税務上解釈として常勤取締役と非常勤取締役を区別しています。
実際には社外取締役の多くが非常勤取締役でありますが、社外取締役イコール非常勤取締役ではありません。

【ご参考】
商法
第188条 
2 左ノ事項ヲ登記スルコトヲ要ス
 7ノ2 取締役ガ其ノ会社ノ業務ヲ執行セザル取締役ニシテ過去ニ其ノ会社又ハ子会社
(第211条ノ2第1項ノ子会社ヲ謂フ以下此ノ号ニ於テ同ジ)ノ業務ヲ執行スル取締役、
執行役又ハ支配人其ノ他ノ使用人トナリタルコトナク且現ニ子会社ノ業務ヲ執行スル取締役若ハ執行役又ハ其ノ会社若ハ子会社ノ支配人其ノ他ノ使用人ニ非ザルモノ
(以下社外取締役ト称ス)ナルトキハ其ノ旨

会社法
第二条  この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。
十五 社外取締役 株式会社の取締役であって、当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人でなく、
かつ、過去に当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役若しくは執行役又は支配人その他の使用人となったことがないものをいう。

第九百十一条
次に掲げる事項を登記しなければならない。
二十一  第三百七十三条第一項の規定による特別取締役による議決の定めがあるときは、次に掲げる事項
ハ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨
二十二  委員会設置会社であるときは、その旨及び次に掲げる事項
イ 取締役のうち社外取締役であるものについて、社外取締役である旨
二十四  第四百二十七条第一項の規定による社外取締役、会計参与、
社外監査役又は会計監査人が負う責任の限度に関する契約の締結についての定款の定めがあるときは、その定め
二十五  前号の定款の定めが社外取締役に関するものであるときは、取締役のうち社外取締役であるものについて、
社外取締役である旨

(特別取締役による取締役会の決議)
第三百七十三条  第三百六十九条第一項の規定にかかわらず、取締役会設置会社(委員会設置会社を除く。)
が次に掲げる要件のいずれにも該当する場合には、取締役会は、
第三百六十二条第四項第一号及び第二号に掲げる事項についての取締役会の決議については、あらかじめ選定した三人以上の取締役
(以下この章において「特別取締役」という。)のうち、議決に加わることができるものの過半数
(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)が出席し、その過半数
(これを上回る割合を取締役会で定めた場合にあっては、その割合以上)をもって行うことができる旨を定めることができる。
一  取締役の数が六人以上であること。
二  取締役のうち一人以上が社外取締役であること。

(委員の選定等)
第四百条  各委員会は、委員三人以上で組織する。
2  各委員会の委員は、取締役の中から、取締役会の決議によって選定する。
3  各委員会の委員の過半数は、社外取締役でなければならない。

(責任限定契約)
第四百二十七条  第四百二十四条の規定にかかわらず、株式会社は、社外取締役、会計参与、社外監査役又は会計監査人(以下この条において
「社外取締役等」という。)の第四百二十三条第一項の責任について、当該社外取締役等が職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、
定款で定めた額の範囲内であらかじめ株式会社が定めた額と最低責任限度額とのいずれか高い額を限度とする旨の契約を社外取締役等と締結することができる旨を定款で定めることができる。