本文へスキップ

司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2013年10月15日

少なくとも代表者の一人は日本国内に住所を有することが不要になる??

style="MARGIN-RIGHT: 0px">

外資の登記、要件緩和で一致 規制改革会議
(2013/10/11 日本経済新聞)
 政府の規制改革会議(議長・岡素之住友商事相談役)は11日、貿易・投資分野の作業部会を開き、
外国企業の法人登記について要件の緩和を検討することで一致した。
日本に住所がない外国人だけを代表者とする会社でも登記を認める案などが浮上している。外国企業の進出を促し、
経済活性化につなげる狙い。(以下略)

外資系企業からこのような要望が出ることは、容易に想像できます。現在の
「株式会社の代表者のうち少なくとも1名は日本に住所を有しなければ、当該設立の登記の申請は受理できない。」
という縛りが負担になっているのは事実でしょう。

この縛りによって、日本に住所を有する代表取締役候補者を、日本への進出前の段階で探さなくてはいけないというのは、
確かにハードルとしては高いと思います。実際に、うまく候補者が見つけられず、アジアにおける拠点を東京でなく、シンガポ−
ルや香港としたケースは過去に何度もあります。

style="MARGIN-RIGHT: 0px">

「規制改革ホットライン」
への提案内容と法務省回答(内閣府HPより抜粋)
日本において設立された会社(内国会社)については,日本国内に住所を有しない者であっても代表者に就任することは可能ですが,
代表者の住所地は民事訴訟法上普通裁判籍の一つとされているところであり,また,会社法による会社の解散命令,
取締役の会社に対する損害賠償責任,第三者に対する損害賠償責任,法令違反に係る刑罰・過料の制裁等の規定の実効性を確保し,
日本国内の取引相手や消費者等の利益を保護するためには,少なくとも代表者の一人は日本国内に住所を有することが必要です。
昭和59年9月26日付け法務省民四第4974号民事局第四課長回答は,これらの要請を受けて,
「内国株式会社の代表者のうち少なくとも1名は日本に住所を有しなければ,当該設立の登記の申請は受理できない」としたものであり,
当該登記事務の取扱いを撤廃することについては,極めて慎重な検討が必要です。

詳細は内閣府HP

http://www8.cao.go.jp/kisei-kaikaku/kaigi/meeting/2013/wg2/boeki/131011/item3.pdf

極めて慎重な検討が必要という回答からもこの規制の撤廃は難しいと思われます。実際に撤廃されると、案件は増えると思いますが、
犯罪収益移転防止法の問題もありますし、払込みの問題、サイン証明の問題、任期管理等、
今まで少なくとも1名は日本に住所を有していたことにより、回避できていた点が如実に現れ、苦労しそうです。

規制と緩和。折り合いをつけるのも容易ではありません。