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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

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2012年01月12日

20社の虚偽登記


こんなことやってもすぐにばれるだろうに、なかんじのニュース。

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乗っ取り目的、
ラブホ20社登記を無断変更疑い(読売新聞 1月12日)
 大阪市中央区の不動産会社の男性役員(41)が、
乗っ取り目的でラブホテル経営会社20社の法人登記を勝手に変更した疑いが強まったとして、大阪府警は、電磁的公正証書原本不実記録・
同供用などの疑いで役員の逮捕状を取り、12日午前、不動産会社などの捜索を始めた。
 府警は同日中に役員を取り調べ、容疑が固まり次第、逮捕するとともに、社長(64)や登記変更に関わった司法書士(42)
についても事情聴取する方針。(以下略)

20社の代表取締役を一斉に変更したようです。

上場会社の代表取締役が変更になり、その関連子会社の代表取締役が数十社一斉に変更になるといった話は別に珍しくもありませんが、
こういったケースだと珍しいでしょうね。

司法書士が関与していると思いっきりニュースになってますが、どのくらいの関与なんでしょう?
たぶん株主総会議事録、取締役会議事録から全て作成してるんでしょうね。

実体として株主総会が開催されているのかをどうやって確認していたのか?

既存の役員が全て入れ替わってしまうようなケースだと、やばいアンテナがびんびんになります。
法務局もすぐ受理しない運用になっていますから、そんな案件なら結構慎重に対処したはずです。

しかし、代表取締役の入れ替わりで、会社の実印も所持しているとなると、やばいアンテナもそうそう働かなくなってしまいます。

やばいアンテナを働かすには、事業目的や本店の所在地、支店所在地なんかで、対象となる会社がどんな会社か調べてみたり
(グーグルマップなんかですぐに調べられます。)すると、「ちょっと用心しなければいけないかも」くらいにはなると思います。

20社同時の依頼であれば、株主名簿も確認してみたいところ。中小企業だと、「株主名簿がない」と言われがちですけど、だとしても、
法人税法別表2「同族会社等の判定に関する明細」くらいは提出してもらいたいです。(どちらも簡単に偽造できますけど。。。)

やばいアンテナを散々働かせてみても、次から次からこちらが欲しい書類の提出があると、「これだけ調査したんだから、
登記しちゃってもいいよね。」となってしまいそう。

株主総会等を開催した事実を完全に確認・推測する方法がないだけに、似たような事件は今後もありそうです。

「騙されちゃった。運が悪かった。」では済まされないので、十分に気をつけましょう。
では。