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2007年10月04日

笑う相続人ならぬ笑う被相続人

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「私が死んだらびっくりする」 つくばの男性が1億円寄付(2007.10.4
産経ニュース)
  今年3月に87歳で亡くなったつくば市出身の男性が、遺言により同市社会福祉協議会(久保田尚勇会長)
に約1億円を寄付した。これを受け、同協議会は3日、親族に感謝状を贈呈した。
寄付したのは故・皆川重兵衛さん。生前、資産を銀行に託し、死後、銀行を通じて同協議会に大金が寄付された。(中略)生涯独身。
最近は近い親族もなく、平成16年からは石岡市の特別養護老人ホームに入所。周囲には日頃から「私が死んだらびっくりする」
と口にしていたという。

確かに「周囲はびっくり」でしょう。お亡くなりになって有名になった皆川重兵衛さん、さぞ、天国でニヤニヤしていることでしょう。

素晴らしいお話ですが、また生臭い話。この遺言で銀行はかなりの報酬を得ているはず。そしてもっと気になるのは親族。
「最近は近い親族もなく」とのことですが、本当に相続人はいなかったのでしょうか?

「同協議会は3日、親族に感謝状を贈呈した。」どうやら親族はいる様子。

この素晴らしい遺言がなかったら、もしかしたら1億円を手にした相続人がいたかもしれません。

通常は、生前会ったことのない人の相続人になる「笑う相続人」が出てくるところですが、今回ばかりは「笑う被相続人」

笑うはずだった相続人からすれば、厳しい遺言。感謝状を受け取った親族のお気持ちはどんなもんでしょう。

生臭い理由があろうとなかろうと、「お年寄りは大切に(笑)。」