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ブログ

2007年12月20日

愚行権って何?

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福祉士が利用者の遺産相続=347万円、規範抵触−所属団体が処分へ
(12月19日時事通信)

 お年寄りの生活支援などを行うNPO法人の職員だった東京都八王子市の女性社会福祉士(46)が、
担当していた独り暮らしの女性の死後、約347万円の遺産を受け取っていたことが19日、分かった。この社会福祉士が加入する社団法人
「日本社会福祉士会」(新宿区)は報酬以外の受け取りを禁じた行動規範に抵触するとして、戒告などの処分とする方針。

あ〜あ。今までニュースになったのは、司法書士や行政書士の不祥事ですが、今度は社会福祉士です。

高齢化社会となるにつれ、この手のニュースはこれで終わりにはならないんでしょうか?
成年後見制度が世間に認知されるのはいいことではありますが、司法書士や行政書士の不祥事のニュースがそのきっかけとは寂しい限りです。

せっかく成年後見のお話になりましたので、たまに法人後見委員会でも話題になった「愚行権」について。「愚行権」あまり知られてはいない用語だと思いますが、

愚行権とは、他から見ると馬鹿げていても、
他の人に迷惑をかけないのであれば、本人がやりたい愚かな行いができる権利です。
法律用語というより、
倫理学の用語です。

先日の健康診断の結果、あと6ヶ月で痛風になると言われても、いくらの醤油漬けをつまみにビールを飲んだりする私の行動や、
来年からはタクシーまで禁煙になる世の中で、体に悪いと知りつつ、このブログを書いている今もタバコを吸っている私の行動などまさに
「愚行権」を行使している状態です。

判断能力のあるちゃんとした社会人で、これから老後を考え任意後見契約を締結したいと考える方、
ご自分の愚行権まで任意後見契約の相手方となる司法書士に正直に伝えられますか?

遺族の方がご覧になってもおかしくないライフプランなるものを任意後見契約を締結する際に作成します。

例えば
1) 在宅か施設か
・ 20年以上住み慣れた自宅での在宅介護を希望する。

2) 施設の場合、自宅をどうするか
・ 事情により施設に入所する場合も、自宅はそのまま残したい。

とかなり真面目なものです。

でもお金に余裕があるなら、多少の愚行も許されるんじゃないでしょうか?

ボケても月に1度は、銀座の九兵衛で、いくらの醤油漬けをつまみにビールを飲みたい。

とか

今後老人相手に人気の出るかもしれない「昼キャバ」には週に1回は通いたい。できれば「沢尻エリカ」似の子を指名したい。

とか数え上げればキリがありません。

家族が知ったら悲しくなるような愚行。本人のためなら、成年後見制度にうまく取り込めればいいんですけど、
結局愚行権も正常な判断ができるからこその権利なんですかね?

ブログの性格上、愚行の例はこの程度ですが、深く考えると実は重いテーマです。