2004年05月20日
債務名義 その2
債務名義のつづき。
債務名義って内容は、一般の方からすると興味ある分野に思えなかったので、さらっと軽く説明して終わりにしようと思っていたのですが、掲示板に「久々に興味を持って待ってます(笑)。」と書かれてしまった以上、ちゃんと書かなくてはいけなくなりました。でも「久々に」は余計ですけどね(笑)。
先日紹介した民事執行法に定めてある債務名義ですが、一般的には「判決」「執行証書」「和解調書」「調停調書」のことだと思ってもらっていいと思います。
「判決」「和解調書」「調停調書」は裁判所が関与しないと手にい入りませんが、「執行証書」は公証人役場で手に入ります。
条文では「金銭の一定の額の支払又はその他の代替物若しくは有価証券の一定の数量の給付を目的とする請求について公証人が作成した公正証書で、債務者が直ちに強制執行に服する旨の陳述が記載されているもの」と記載されていますが、簡単に言うと「○月○日までに100万円払わなかったら、強制執行されても文句言いません。」という内容の公正証書を公証人に作ってもらったものです。業界では「公正証書を巻く」と言います。ちょっとおっかないイメージがします。
だから相手が納得してくれれば、裁判をやらなくても、公正証書を作成してもらえば、それで済んでしまいます。でも相手が簡単に協力してくれないから、裁判という選択をするのです。裁判に勝って債務名義をもらっても、それで貸した100万円はまだ手に入りません。債務名義があっても、負けた相手が100万円を任意に支払ってくれなければ、結局強制執行の手続しなくてはいけないのです。中にはご自分で強制執行の手続をする奇特な(失礼かな?)方もいますが、多くは弁護士にやってもらいます。当然また弁護士費用がかかります。
つづく。