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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2009年08月04日

お前に食わせる寿司はねぇ

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「倒産後も資金集め」
別会社で高齢者狙う 国際リード社問題(2009年8月 3日産経新聞)

 証拠金差額決済(CFD)
取引名目に資金を募ったうえ倒産した「国際リード投資株式会社」(大阪市)の主要メンバーが大阪市内に別の投資会社を立ち上げ、
現在も高齢者から同じ手口で資金を集めていることが2日、分かった。関係者の証言によると、
メンバーらは2年以上前から少なくとも5つの会社を設立し、ある程度資金を集めた後、倒産させる手口で資金集めを繰り返しており、
約350人から20億円以上を集めたとみられるという。(中略)

 メンバーらは、
平成19年以前から会社の設立と倒産を繰り返しているが、会社登記上の代表取締役には無関係の人物の名前を借りることで、
無関係を装っていた。ある元社員は「高齢者をだますのが耐えられなくなった。これ以上被害が増えてほしくない」と話している。(以下略)

記事にある設立登記をしたのは、司法書士かもしれません。

あまり堅気でないビジネスをやりそうだと思ったり、悪そうなビジネスを展開しそうだと思っても、設立登記の依頼があれば、
受託しなければならないのが司法書士。

犯罪収益移転防止法を順守するよう説明して、怪しい部分が少しでもあれば受託拒否できるとしても、
「会社登記上の代表取締役には無関係の人物の名前を借りる」ような手口や発起人も無関係な人を巻き込む手口だと、我々は何もできません。

ましてや怪しいビジネスをやりそうという先入観だけで、受託を拒むこともできないし、ヘタな応対をして、
司法書士会に苦情でも言われると、困るのはこちらだけというのが現状です。

でも同じ住所地で繰り返し似たような会社を設立するというのは、限りなく黒に近いグレー。

実務では、犯罪収益移転防止法でかなり面倒なことを強要されていますが、
本当に防止しなければいけない対象を防止することができないのが現実です。

法の網の目を巧みに潜るやつらを成敗するいい方法はないでしょうか?

「お前に食わせる寿司はねぇ。」と威勢のいい大将が言いそうなセリフも、司法書士にはタブー。

威勢良く言ってみたいもんです。

似たような事件(↓)、これも司法書士が関与させられてるかも。


http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20090803/CK2009080302000092.html