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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

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2005年04月15日

ペイオフ解禁

もはや業務日誌ではないというご指摘があったので、今日は業務日誌風です。登記申請には登録免許税がつきものです。普段はお客様から登録免許税をお預かりして、印紙を購入し登記申請しています。巨額の増資や担保権の設定などでは、この登録免許税も高額になります。当然登録免許税が1000万円を超える場合も出てきます。

今までは、これらの高額の登録免許税が事務所の銀行口座に振込まれても不安はありませんでしたが、今月からのペイオフ解禁で、そうはいかなくなりました。高額の登録免許税が振込まれた時に、その銀行が破綻なんかしてしまってはシャレになりません。万が一に備えた準備をしておかねばなりません。

今日の日経新聞に法人格のない町内会や同窓会の貯金はどうなるのか?という記事がありました。結論から言うと「権利能力なき社団であれば1預金者扱いとなり1000万円までしか保証されず、任意団体であれば構成員ごとに分割されるので、基本的には保護される」ことになります。

ここで多少の説明。権利能力なき社団とは、社団としての実質がありながら法律上権利義務の主体たりえない団体のことです。 同窓会や町内会をイメージしてもらえばいいかと思います。判例では、権利能力なき社団の成立要件として、団体としての組織があり、多数決の原則 があり、構成員が変更しても団体そのものが存続するなどが挙げられています。その要件を満たさないものは任意団体ということになります。(具体的には、サークル・クラブなどをイメージしてもらえばいいでしょう。)

というもののこの権利能力なき社団と任意団体。同窓会とサークルをイメージしてもらっても、どこが違うの?というぐらいその違いは微妙です。1000万円までしか保護されない権利能力なき社団、かたや保護される任意団体。組織によってはかなりの預金があるところもありますので、ちゃんと対策しておかないと何かあったら一大事です。あなたの所属する組織、大丈夫ですか??