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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2004年04月08日

外国会社の登記

今日、東京会では、特別研修の訴状・答弁書の〆切でした。うちのグループは昨日ずいぶん遅い時間まで討論していたようです。受講されている皆さんお疲れ様でした。
昨日世界の登記事情についてお話しましたが、今日たまたま外国会社設立の話があり、そのからみで英国系の商業登記簿謄本(Certificate of Registration of a Company)が手に入りました。登記簿の内容は、日本のものに比べると「えっ?」っと思うぐらい少ないです。かろうじて会社名・会社のタイプ(株式会社等)・設立日がわかる簡単なものです。資本金も事業目的も役員も載っていません。(商号変更などの履歴はかろうじて記載されています。)これだけでは、そんな名前の会社があることしかわかりません。定款はある程度のページ数がありますので、これで確認するしかないようです。
会社の事業目的も日本の場合は、何項目も具体的に羅列してありますが、海外の会社の場合は、「○○○○法で禁止されていない業務全部を行う。」みたいなケースがあったりします。この内容を日本の登記簿に引き直すと具合が悪いかんじがしますが、海外でこうなっている以上、そのまま登記されます。(他に工夫する場合もあるようですが)
外国会社も港区にはある程度の数がありますが、地方の法務局にはほとんどありません。外国会社の登記については、参考となる図書・資料が乏しく、個々の国々で事情も違っていますので、処理するのは結構手間だったりします。事例の多いアメリカやイギリスであれば、大使館の対応も慣れていますが、ほとんど例の無い国だったりすると大使館員に説明するのも大変です。はまらないように慎重に対応したいもんです(笑)。

2004年04月05日

解散手続もお金かかりますよ。

特別研修の前半の大詰めです。
我々のグループはゼミナール提出用の訴状と答弁書作成といったところまで終りました。ちなみに休日は、土曜日3コマやりました。宿題のある受講者も大変ですが、チューターとしての3コマの予習も大変です。土日に集中して6コマ消化するグループもあるようです。受講者の予習復習の負担も多いと思いますが、それをこなせるチューターには頭が上がりません。
何が何でもチューターを断れば良かったというのも後の祭。ひたすらやるしかないですね。全国各地で似たような光景が繰り広げられていると思いますが、皆さん頑張って下さい。
時間がないので、ちょっと短くなりますが、会社の清算について。人間が死亡するように、会社も死亡させる事ができます。株式会社ですと、臨時株主総会を開催して会社を解散する決議をして、清算人を選任します。その後官報で公告し(債権者保護手続)、残余財産を株主に分配すれば精算結了(人間でいう死亡)となります。
人が死亡した場合、「死亡届を提出して終り」ではなく、通常お葬式等色々な費用がかかりますが、会社の場合も費用が色々かかります。(例えば官報公告だけで10万円程かかります。)また、債権者保護手続は2ヶ月を必要としますので、依頼頂いてから全てが完了するまで3ヶ月近くかかります。
これらの解散手続について、書類をちょっと法務局に提出すれば終りと勘違いされている方が多いようです。期間が3ヶ月と説明するとびっくりされますし、概算費用を説明すると、さらにびっくりされます。今から潰そうとしている会社に費用をかけたくない気持ちは理解できますが、官報の費用をおまけする訳にもいきません。中々納得されないかもしれませんが、自分で作った会社は最後まで面倒みてあげましょう(笑)。

2004年03月26日

社外取締役

今日桜が咲いていました。今週末あたりからお花見開始ですかね?週末のんびりとお花見したいところですが。。。期末で忙し過ぎるので、休日出勤になりそうです(確定)。個々の案件の管理だけで、いっぱいいっぱいです。
私事ですが、この忙しい中、インターネットプロバイダーのサービス中止に伴う各種のお引越し作業(メールやプライベートのHPなど)と私個人の引越しもあり、クラクラしています。ちなみに来週から特別研修も始まります(泣)。
さて気を取り直して、「社外取締役」のお話。社外取締役ってご存知ですか?近年の商法改正で新しくできた言葉です。社外取締役とは、過去現在を通じて、その会社・子会社の業務執行に取締役・使用人として関与していない者です。
原則としては、平成14年5月1日以降に就任した取締役で、社外取締役の要件に該当する場合は社外取締役の登記が必要となっています。
しかしながら、下記の理由で、現実には登記がなされていない気がします。
[1]登記手続を司法書士以外の本人が行い、そもそもこの商法の改正点が理解されていない。
[2]大会社・委員会等設置会社のような大規模な会社のみ適用されるという誤った認識がある。
[3]多くの中小企業では、実質的な経営者は一人であり、実体に合わせ、登記すると、代表取締役以外は全部社外取締役となり、取引先との関係から登記したくないという希望がある。
[4]社外取締役の要件として業務執行をしないという部分があるが、一時的にもこの部分を業務執行した、あるいはしていると内部的な主張で要件からはずれてしまう。
[5]実質的な社外取締役の登記の利点としては、社外取締役の責任の制限のができるという部分であるが、中小企業でこの「社外取締役の責任の制限」を採用していない、あるいは採用できないので、社外取締役の登記をする必要がない。
[6]登記官から見て、取締役が社外取締役であるか判別できない。
本当はやらなくてはいけない登記だと思いますけど、現実とのギャップを考えるとどうかなあ?と思ったりしています。いろいろ登記簿謄本を見てますけど、中々採用されていませんね。コーポレートガバナンスの強化という言葉だけが一人歩きしてますね。

2004年03月24日

本当にお得?

先週末、港出張所のレイアウト変更があったようです。以前より便利になったそうです。法務局まで事務所から歩いて30秒ぐらいなのに、まだ確認してません。港出張所に行く機会があったら、ご確認下さい。
今日は「登録免許税」の話。普通の感覚だと、会社の色々な変更登記を分けてやるより、まとめて一つの申請でやったほうが、費用(司法書士報酬・登録免許税)は安い気がします。実際商号変更と目的変更であれば、別々でやるより、一回の申請でやった方が費用はかかりません。これは、商号変更と目的変更が登録免許税では同一区分だからです。変更したい点があるなら、まとめて決議したほうがお得です。(原則)
というものの例外はあります。役員変更の登録免許税は会社の資本金が1億円以下の会社は1万円、1億円超の会社は3万円です。
1億円超の資本金を1億円以下とする資本減少をする場合は、資本減少の効力発生前に役員変更の決議をしてしまうと、登録免許税は3万円になります。当然減資の効力が発生後に役員変更決議をすると1万円で済みます。
また逆に、資本金が1億円を超える増資をする場合は、増資前に変更の決議をしておかないと3万円になってしまいます。
ですから、減資で資本金が1億円を下る場合には、あえて別々に決議したほうがお得です。しかしながら、お得といっても2万円ですから、株主が大勢いて、株主総会開催にコストがかかる会社には意味がありませんね(笑)。

2004年03月22日

取締役会もテレビ会議で

今日の東京地方は、雨が降り、ちょっと冷えこみました。早く春になってもらいたいもんです。春になるとうい事は、年度末を無事突破しなければいけません。今日もなんだかんだで、9時30分。結局、朝から格闘していたレポートも未完成です。忙しい時に限って、急ぎの案件が来る悪循環にはまってます。この時期はどこの司法書士事務所も忙しいと思いますが、頑張って行きましょう。
今日は、ちょっと一般受けはしない(?)会社関係の話です。近年企業のIT化が進み、また産業界からの要請もあって、IT化の流れが、商業登記の分野に影響を与えています。そんな中で、今日は「テレビ会議」のお話。
ネット上の通信速度が早くなったおかげで、リアルタイムで画像・動画情報が配信できるようになりました。これによって、例えばテレビのモニターを通じて、東京と大阪でミーティングを開くことが可能になってきた訳です。最近では、社内のミーティングだけでなく、取締役会もこのテレビ会議で開催できるようになりました。(平成14年12月18日民商3044)業界内では「電話会議方式による取締役会」という新しいんだか古めかしいんだか分からない名称で呼ばれています。
昔の(通常の)取締役会議事録には、開催地として本店会議室など記載されていますが、この「電話会議方式による取締役会」では、当然開催地も複数記載されます。これに加えてリアルタイムでのやり取りが可能であるとか、通常の取締役会となんら変わることなく、相互に意見を述べ合うことが可能であるとか、通信の異常がなかったとか、かなり細かく議事録上では記載することになっています。このテレビ会議もシステム的に安定し、どこでも普通に利用できるようになれば、「取締役会議事録(テレビ会議)」のような簡単な記載で済む日もすぐ来るような気がします。
取締役がそれぞれ忙しく、中々機動的な取締役会が開催できなかった企業にとっては、大いに活躍できそうな変更点です。
全くオチのない話でした。。。(午後10時)