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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

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2004年07月13日

架空請求−解説1

昨日のつづきです。あまりにも奇妙な箇所が多いと思われたと思います。私が気づいた部分で8箇所もありました。どれだけわかりましたか?
1 まず相手方が「以前ご利用された通信会社様」となっており、どこの会社との間のものか不明ですよね。これじゃ債権の特定もできません。色んな人に同じ文面を出していますから、こころ当たりあるように、こういうぼかした書き方しかできない訳です。
2 「情報通信料金未納分」とありますが、これもいくらなのか不明です。この点でも債権の特定ができません。せめて契約締結日と金額ぐらい特定して下さい。でもここで中途半端に特定してしまうと騙される人が減るんでしょうね。
3 「以前ご利用された通信会社様での」とありますから、この文面を出してるのはその当該通信会社ではないですよね。となると「以前ご利用された通信会社」がその債権をはがきを出した会社に債権を譲渡していることになります。債権の譲渡には債権者(ここでは「以前ご利用された通信会社様」)が債務者(この手紙を受取った人)に通知するか債務者が承諾しなければ、債務者に対抗できません。(民467条)当然今までにそのような通知がなければ、この会社が何を言ってきても平気な訳です。その会社が債権の譲渡ではなく、債権の回収を頼まれているとすると弁護士法違反になります。
4 「ご連絡なき場合は「情報通信契約民法特例法」に基づき」とありますが、少なくとも私は「情報通信契約民法特例法」なんて名前の特例法を知りません。不勉強だったらごめんなさい(笑)。
間違いだらけで、ちょっと解説も長くなりましたので、残りはまた明日。