2006年02月10日
登記簿謄本1通60万
銀行などに頼まれて登記簿謄本を取得するというコテコテの司法書士の仕事があります。ほとんどの場合、
抵当権設定など不動産登記のお仕事にも繋がるので、格安で取得したりしています。
以前は実際にある管轄でしか取れなかった謄本も、 今では目の前の東京法務局港出張所で取得できるので、
そんな負担でもなくなってきました。
登記簿謄本といっても、この呼び方も古い呼び名です。
コンピューター化された法務局のものは、正確には
不動産の登記簿謄本→全部事項証明書(土地)、全部事項証明書(建物)
商業・法人の登記簿謄本→現在事項証明書、
履歴事項証明書
という呼び方が正しいものです。
そんな登記簿謄本の取得ですが、
マイナーな登記簿謄本に工場財団の登記簿謄本というものがあります。司法書士試験受験生なら1度は見たことがある条文です。(↓)
工場抵当法
第11条 工場財団ハ左ニ掲クルモノノ全部又一部ヲ以テ之ヲ組成スルコトヲ得
1.工場ニ属スル土地及工作物
2.機械、器具、電柱、電線、配置諸管、
軌条其ノ他ノ附属物
3.地上権
4.賃貸人ノ承諾アルトキハ物ノ賃借権
5.工業所有権
6.ダム使用権
通常は抵当権の対象となるのは、土地や建物ですが、大きな工場には、
それ以外にも担保価値の大きいものが当然あります。より大きい融資を受けるのに、この工場財団という登記が利用されます。
工場財団の登記簿謄本だけでは、
具体的に工場財団を組成しているものがわからないので、工場財団目録に細かい機械や器具など11条にあるものが記載されます。
この目録付の登記簿謄本、電話帳ぐらいの厚みがあるのが普通です。
謄本は10枚まで1000円、5枚超過ごと200円します。分厚いので謄本1通が1万円ぐらいしたりします。
最近、この目録付の工場財団の登記簿謄本を取らなければならなかったので、
管轄法務局に電話してみました。ところが・・・
私「○○号の工場財団、目録付の謄本を郵送でとりたいんですけど、
登記印紙どのくらい入れとけばいいですか?」
法務局職員「確認しますね。しばらくお持ち下さい。。。」
職員「あの〜。ものすごいですよ。」
私「え?」
職員「書庫2段分あります。」
私「え?2冊?」
職員「書庫2段分です。ギュウギュウで詰まってます。」
私「だいたいのページ数分かりますか?」
職員「しばらくお持ち下さい。。。」
職員「150冊ぐらいありますので、1冊平均100枚として15000枚です。
」
私「(電卓叩きながら)、ということは、60万ですか(笑)。」
職員「そうですね(笑)。」
私「安く見積もっても60万ねえ。。。困っちゃいましたね(笑)。。。」
登記簿謄本1通といってもなめちゃダメですね(笑)。