2010年01月08日
マグロ・ブリ・カンパチと登記 ABLのお話
マグロ・ブリ・カンパチといってもお寿司の話ではありません。
れっきとした司法書士のメイン業務である登記のお話。
不動産はとっくに担保提供しているし、人的担保のあてもない中小企業にとって、その所有の動産が評価され、
新しい融資枠が手に入るのはいい話。
そんな素敵な資金調達手法が、ABL(Asset Based
Lending動産・債権担保融資)です。
今日はそのABLとしては珍しい動産のニュース。
style="MARGIN-RIGHT: 0px">ブリ・カンパチ担保、融資OK
(2010年01月07日朝日新聞)
◆佐伯の業者と大分銀行が契約
担保は、いけすの中のブリやカンパチ―。大分銀行はこのほど、佐伯市蒲江の水産業、染矢水産(染矢チエ子代表取締役)と、
動産担保融資(ABL)の取り扱いによる融資枠を設定した。工場の機械などを担保とした融資は一般的だが、
生きていて数量変動もあるいけす単位の魚への設定は珍しいという。
同行と染矢水産は昨年12月に「動産譲渡担保契約」を締結。いけすの中の魚そのものと、魚が売れた場合の売り掛け債権を登記した。
当座貸し越しの形で事業資金などを借り入れることができるという。同行側は、いけすの魚の市場価格や数量をウオッチしながら、
経営に関するアドバイスもする。
牛はBSEの蔓延を防ぐために、牛肉トレーサビリティー法(牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法)
により個体識別番号がありますから、ABLの対象としては、既にお馴染みのもの、またICタグをつけた豚なども珍しいものではありません。
珍しいものとしては、他にも下記ものに融資されています。
福岡銀行、商工中金 ・・・昆布・煮干等で5000万円
東北銀行・・・ふかひれで3000万円
商工中金、山陰合同銀行 ・・・ベニズワイガニで1億円
横浜銀行 ・・・
冷凍マグロで5億円
広島銀行・・・
乾燥なまこで2500万円(農林水産省HPより一部引用)
今回は染矢水産という水産業者が行いましたが、初めは
「ABLって何?」
ってところからスタートしたんだと思います。
この融資の影で、たぶん銀行の担当者だけではなく、司法書士がずいぶん活躍したはずです。
お疲れ様でした(笑)。