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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2004年04月06日

代書人

今日「ここは代書屋さんですか?代書してもらえますか?」という方がいらっしゃいました。私自身この「代書」という言葉を知ったのは、この業界に入ってからのことです。古くは司法書士は代書人、弁護士は代言人と呼ばれていました。明治時代の頃は、今のように全ての人が字が書けたり、読めたりする時代ではありませんでした。当時、字が書けない人に代わって字を書いてあげる職業がまさに「代書」人であった訳です。
今ではこの言葉を知っている人も少なくなりました。現在あえてこの言葉を使う場合には、「この代書屋ふぜいが!。」などと差別的に使われることが多いようです。この言葉自体あまりイメージが湧かないので、「この代書屋!」と呼ばれたとしても、あまりピンときません。(使われたことは無いですけど。)
今日来られた方は、持参された文章を自分のケースに置き換えてワープロで作成して欲しいというまさに代書の依頼です。文章は法律文書ですが、内容を検討する必要もなく、ただワープロ打ちして欲しいというものでした。パソコンもワープロも持っていないため、うちの事務所に来られたようです。
でもお話をお伺いしてみると、結局は裁判による解決しか道がないようでした。しかし、請求している金額があまりにも少額なため、我々に訴訟支援してもらうと赤字になってしまいます。しかたないので、極々簡単に本人訴訟のアドバイスをしてあげました。説明はしたものの、一般人からすると敷居の高い裁判所に行かなければ、解決できません。本人に相当な気力がないと結局のところ「泣き寝入り」となってしまいます。色々とやってあげたい気持ちはありますが、こちらも商売。うまいこといきませんね。