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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2004年12月22日

無限責任

今日司法書士法人に勤務する司法書士と会いました。また先日東京司法書士会から司法書士名簿の追録が送られてきましたが、その名簿にも司法書士法人が増えてきました。(ちなみに大阪に出張した際に訪れた事務所も司法書士法人です。)あまり珍しくなくなってきたこの「司法書士法人」ですが、だからと言って急激に増えてる訳ではありません。

司法書士法人になると、支店が持てますし、施設や設備の共有による経費削減の効果もあります。また多少ですけど、税制上の有利な部分もあります。一番のメリットは、お客から見ると多くの司法書士が勤務している事務所に対する安心感などから来る収益の向上の部分にあると思います。(また年末年始ぐらいしか休めない私と違って、何人も司法書士がいれば、オフシーズンの旅費の安い時期に海外にだって行けてしまいます。)

羨ましいことが多いこの法人化ですが、だったらなぜ増えないのでしょう?以前この日誌でご紹介したように、司法書士法人の司法書士が全員無限責任を負ってしまうからです。長年の付き合いがあり、お互いに信頼していれば、この無限責任を負ってもいいかもしれません。しかし、法人化のメリットを最大限に享受するためには、かなりの司法書士が必要になります。お互い良く知らなかったり、お互いの仕事が見えなかったりすると、不安が多くて法人化できません。

弁護士法人を始めとして法人化や巨大化は、時代の流れかもしれません。しかし様々な場面で連帯保証を求められる中小企業の社長(本来は、有限責任のはずのただの大株主)と同じように無限責任が大きな障害として残っています。