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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2017年09月01日

マニアックなサイン証明

今日は、マニアックなサイン証明のお話。

こんな通達があります。↓

平成28年6月28日付法務省民商第100号民事局長通達
外国人の署名につき本国官憲の作成した証明書の添付をもって,市町村長の作成した印鑑証明書の添付に代えることができる場合において,当該外国人の本国の法制上の理由等のやむを得ない事情から,当該署名が本人のものであることの本国官憲の作成した証明書を取得することができないときは,その旨の登記の申請書に押印すべき者の作成した上申書及び当該署名が本人のものであることの日本の公証人又は当該外国人が現に居住している国の官憲の作成した証明書の添付をもって,市町村長の作成した印鑑証明書の添付に代えることができる。

今回のケースは、オーストラリア国籍の者(イギリス在住)が設立会社の代表取締役となる場合です。この者は一時的に日本に滞在しており、日本の公証人の作成した「署名が本人のものであることの証明書」(※1)が送られてきました。
株式会社設立登記の申請書に添付する「市町村長の作成した印鑑証明書」に代わるものとして、
1.登記の申請書に押印すべき者の作成した上申書(※2)
2.※1の証明書
3.パスポートのコピーに、原本証明したもの(※1の証明書において、オーストラリア国籍の記載がない為、これを補完するもの)

を準備すれば、OKかな?と思っておりましたが、オーストラリア大使館のHPに微妙な記載が。。。

オーストラリア大使館のHPによると「オーストラリアのパスポートがその所有者のサイン証明とみなされます。」とあり、これによって発行されたパスポートの認証が法務局でサイン証明として取り扱って良いという内部通達が出ているようです。
となると、サイン証明書の発行業務を行っていない上申書が使えないということになりますので、再度オーストラリア大使館でパスポートの認証を行ってもらう必要がある?

あまりにも微妙なので、管轄法務局に照会。
回答は、下記3点で受理するという結果でした。
1.登記の申請書に押印すべき者の作成した上申書(※2)
2.※1の証明書
3.パスポートのコピーに、原本証明したもの

振り回されました(笑)。

2014年11月19日

「商業登記規則等の一部を改正する省令案」に関する意見募集 その3

商業登記規則第61条第5項について(補足)
現在、外資系企業が日本に現地法人(株式会社)を設立する場合、サイン証明の問題があるので、
取締役会設置会社か取締役会非設置会社かとなると、取締役会設置会社を選択するのがほとんどですが、これどーなっちゃうんでしょうか。
架空名義人排除が目的だとすると、せめて「パスポートのコピーの提出でよし」みたいな運用にならないでしょうか。
想像するだけで大変な予感。

商業登記規則第61条第6項について
「代表取締役の辞任による変更の登記の申請書には、
当該代表取締役が辞任を証する書面に押印した印鑑につき市区町村長の作成した証明書を添付しなければならない。」

健全なお客様の場合、この場面で印鑑証明書を添付するのは、やや負担がありますが、怪しい輩を排除するため、
また辞任の実体の確認には、この運用はよろしいかと思います。

ただこの但し書きはいらんですな。
「ただし、当該印鑑と当該代表取締役等が登記所に提出している印鑑とが同一であるときは、この限りでない。」

怪しい輩は、たいてい会社実印も印鑑カードも持っていたりしますので、これでは意味がない。中途半端な気がします。

いずれにしても現場の負担が増えるのは間違いないですね。ある程度現場が分かっている企業の担当者も混乱間違いないです。

メダパニの呪文のような改正ですな(笑)。