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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2017年09月15日

行方不明株主 その2

今日も行方不明株主のお話。
あるお客様から新宿区の本店を港区に移転したいとお問い合わせをいただきました。
株主リストの関係で、株主について質問すると、20数年前から連絡が取れないということです。
株主は4名、把握できる株主は2名で40%、行方不明株主が60%を所有しているということでした。

こりゃダメだなと、状況を説明したところ、同じ新宿区内であれば、取締役会の決議でいいと説明すると、「じゃあ、移転先は新宿で検討します。」とのこと。

移転先を探すのも大変そうです。

2016年09月05日

定款の保存期間

取締役会を書面決議でやる場合(370条)、登記の添付書類に定款というのって面倒だなぁ〜。319条と同じ立て付けだったらなぁ〜というのは、最近書いたと思いますが、この手の書面決議をやる会社は、定款もすぐ準備できます。

同じく定款を添付しなければならない場面で、株式会社の解散ありますよね。ず〜〜とほったらかしの会社の場合、まあ定款ない場合が多いですよね。

そもそも何で定款添付かというと、清算人会設置会社ではないことの証明のため。かなりこの業界におりますけど、清算人会設置会社ってわざわざ規定している定款なんて見たことないです。

これも実質的に無駄だなあ〜と常々思っております。

先日のことですが、やっぱり定款がないという会社さんがありまして、「どうしましょう?」と代表取締役に質問されました。印鑑証明書の生年月日をみると、代表取締役はお若い人。

もしかしたらと思って、

「どこで定款の認証したか公証役場覚えてますか?」と聞いたところ、「当時、自分で苦労して司法書士に頼らずに会社設立したんで、○○○○公証役場だというのは、覚えてます。」とおっしゃる。

「じゃあ、公証役場行って貰ってきてください。」

というところで、つづきは明日。(まあタイトルで話のオチはバレバレですけど(笑)。)

2016年08月05日

本店移転のお話 その2

本題から離れていますが、今日は本店移転のお話。
金子先生やら内藤先生やら新保先生やらが、いじり倒してるネタですが、今回む〜〜んなことがありましたので、あえて取り上げます。

どんな案件かといいますと、管轄内の本店移転です。
定例の取締役会が2月に開催されてました。通常の場合、上場会社の本店移転ですと、敷金やら賃料やらフリーレントが何ヶ月だとか、移転のコスト、移転理由が説明されるのが普通です。今回は、移転先の具体的な住所も記載されており、移転時期は9月下旬となってました。

法務省の下記の雛形通りには、いきません。
 1 決議事項
    当会社の本店を下記へ移転すること。
    本店移転先 ○県○市○町○丁目○番○号
    移転の時期は,平成○年○月○日とする。

「取締役会で移転時期を概括的に定めた場合において、現実に本店を移転した日がその決議の範囲内であれば、これを受理することができる(昭41・2・7民四75回答、登記研究221号49頁、284号78頁)。」(『商業登記ハンドブック(第3版)』186頁)

雛形と違って、アバウトな移転時期ですけど、これはこれでオッケー。

問題は決議の条件や期間の問題です。

上場会社さんの場合、業務執行報告を3か月に1回しなさいという会社法第363条2項は、当然しっかり守ってらっしゃいます。

ご参考
第363条
次に掲げる取締役は、取締役会設置会社の業務を執行する。
代表取締役
代表取締役以外の取締役であって、取締役会の決議によって取締役会設置会社の業務を執行する取締役として選定されたもの
前項各号に掲げる取締役は、三箇月に一回以上、自己の職務の執行の状況を取締役会に報告しなければならない。

それどころか毎月定例の取締役会が開催される会社さんがほとんど。

今回の場合、これがネックでして、困ったことになりました。
つづく。

2015年02月09日

海外在住の外国人が取締役等に就任する場合 つづき

ちょっとだけではありますが、「海外在住の外国人が取締役等に就任する場合」の続き。

今まで、外資系企業が日本法人を設立する場合、外資系企業そのものが合同会社でなければ、そのほとんどは株式会社。しかもサイン証明を回避する狙いもあり、ほとんどが取締役会設置会社でした。もうこれは2択というより、完全な1択。

しかし「商業登記規則等の一部を改正する省令」が施行され、あるいは「日本に居住する代表者がいなくても、法人設立登記ができる」ようになると、何が何でも取締役会設置会社である必要はなくなるのかなと思います。

「海外在住の外国人が取締役等」であった場合、テレビ会議・書面決議等の手段で取締役会を開催していましたが、取締役会非設置会社であれば、そういった心配もいらなくなります。

株主総会も親会社提案、親会社の同意といった書面開催、日本の担当者としては、楽な運用になっていくのかもしれません。