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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2007年06月27日

公告方法 日経との決別

色々な株主総会の結果が報道されていますが、公告方法の変更について。

今年6月7日株式会社プロネクサスの元社員が証券取引法違反
(インサイダー取引)容疑で証券取引等監視委員会より告発
されたのは記憶に新しいところ。それに類似の犯罪が日経新聞社であったのも覚えていらっしゃる方のほうが多いかもしれません。
そんなルーズな環境の中、こんな定款変更がありました。

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東電と三菱商事 決算「公告」の日経掲載やめる(2007年06月26日朝日新聞)

 東京電力と三菱商事は26日の株主総会で、決算など企業情報の「公告」
を日本経済新聞へ掲載することをやめる定款変更を決議した。日経新聞社では昨年、公告情報を悪用したとして元社員が証券取引法違反
(インサイダー取引)容疑で逮捕された。東電、三菱商事とも「事件との関連性はない」としているが、再発を嫌う企業側による
「公告の日経離れ」が進む可能性もある。

 東京電力は従来、東京都内で発行する日経新聞に公告を掲載していたが、
定款変更で電子公告に切り替えた。電子公告を導入済みの三菱商事は、事故などで電子公告できない場合の掲載先を「官報または日経新聞」
と定めていたが、官報に一本化した。

「日経掲載やめる」との朝日新聞の見出しに何とも言えない感情が見えるのがちと笑えますが。。。

さて本題。IT化という時代の流れなのか、東京電力のように日経新聞から電子公告へ変更する企業は多くなりました。
当然うちの事務所でも去年・今年とかなりの企業の公告方法を電子公告に変更する登記をやりました。

ただ三菱商事は別。よほど日経新聞に対して不信感があるのか、電子公告ができない場合の予備的な公告方法を
「官報または日経新聞」から「官報」のみへと変更
となっています。失った信頼の回復には時間がかかるものですが、
信頼を回復する時間よりIT化への企業の対応時間が早い気がします。

いつかはあるかと思われた日経やプロネクサスの不祥事。信頼回復に大いに取り組んでもらいたいと思います。

2007年06月26日

大林組の定款変更

株主総会もいよいよ本番。議案が承認されないケースは少ないものの、社長が株主に陳謝したり、過去最多の株主が出席したり、
株主総会の開催時間が過去最長となったりと、従来の株主総会とは比べると少しずついい変化があるようです。

談合で不祥事が続いている大林組。こちらは大きく変わろうとしているようです。

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定款に「談合防止」、大林組経営陣が株主総会で提案へ
(2007年6月26日読売新聞)
 大手ゼネコンの大林組は、28日に大阪市内で開く株主総会に、談合防止の条文を定款に盛り込む議案を諮る。
(中略)
 定款に盛り込むのは「建設工事の受注においては、刑法、独占禁止法に違反し、入札の公正、公平を阻害する行為は行わない」という条文。
企業監視グループの株主オンブズマン(代表=森岡孝二関西大教授)の提案をもとに、大林組の取締役会が定款変更の議案を出すことを決議した。

まさか否決はされないと思いますが、今までにない企業の対応。今後増えていくんでしょうか?

個人的には(不謹慎ではありますが)、こんな定款変更議案を真面目に検討するよりも、エイベックス・グループ・ホールディングス
(なんと個人株主数は98.81%)の株主総会に出席してみたいもんです。ちなみに今年も同社の株主総会後の株主限定ライブには、
浜崎あゆみをはじめ、倖田來未、TRF、SEAMO、MEGARYUといった豪華メンバーが参加したようです。

2007年06月22日

会計参与1000社突破

会社の本店所在地の話のつづきのつもりでしたが、会計参与の話。

去年の8月、会社法が施行されて4ヶ月で会計参与の導入300社という記事がありましたが、また最新情報。

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中小企業、会社法の活用広がる・会計参与の導入1000社に
 昨年5月の会社法施行から1年余りが経過し、中小企業の間で新制度を活用する動きが広がっている。
税理士などが取締役と共同で決算書を作る会計参与制度の導入企業は1000社規模になったもよう。
(平成19年6月21日NIKKEI NET)

以前ご紹介した中小企業庁の「中小企業における会社法の活用状況について」によると
会計参与について有効な回答をした2478社のうち、会計参与をすでに導入していると回答した企業は全体の1.4%、
この数値が信頼できるとすれば日本に株式会社は120万社ありますから「16800社」のはず。

でも実際は1000社。全体の0.083%にしかなりません。「中小企業庁のデータが本当だとすると、
うちの事務所でもそろそろ会計参与の登記をやってないとおかしい。」はずでしたが、実際は1000社(あくまでも日経によれば)、
まだ会計参与を経験してなくてもOKですね。

しかし、そろそろ会計参与が身の回りに出てきてもおかしくない頃ですが、
いい意味で手堅い税理士や公認会計士しかお付き合いがありませんので、経験できるのはまだ先になりそうです。

さて問題。(ソースは同じ日経です。)
新会社法で株式会社の設立も楽になりましたが、更に設立コストの低い合同会社(日本版LLC)の導入数は?

A 1000社
B 2000社
C 5000社 コレが正解
D 10000社

2007年06月07日

伊藤園の定款変更 無議決権優先株

今日は種類株式のお話。
こんなニュースがあったのを憶えてらっしゃいますか?

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東証、優先株や議決権制限株の市場創設・年内にも
 東京証券取引所は配当や株主総会での議決権などが普通株と異なる「種類株」の市場を年内にも創設する。
投資家にとっては種類株の売買がこれまでよりも容易になるとみられ、資金運用の選択肢が広がりそうだ。
(平成19年4月23日 NIKKEI NETより)

種類株の上場を審査する際の指針はこれから決定されるという状況であったので、具体的に導入する企業は、
もう少し先になると思われていましたが、「お〜いお茶。」のCMで有名な伊藤園(こちらからCMのムービー見れます。)
が早くも6月5日の取締役会で平成19年7月26日開催の定時株主総会にこの件に関する定款の一部変更案を提案することを決議しました。

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伊藤園、無議決権優先株を上場へ・種類株市場で初
 伊藤園は議決権がない代わりに配当を優先的に支払う「無議決権優先株」を発行し、
東京証券取引所が年内にも創設する種類株市場に上場させる。種類株は普通株と異なる株式で、
経営への影響力よりも配当を重視するなど多様化する投資家の需要を取り込む狙いがある。
東証の種類株市場への参加が明らかになった企業は伊藤園が初めて。(平成19年6月6日 NIKKEI NETより)

種類株は会社法施行により格段に自由度が増しました。こうした種類株の市場が立ち上がることで、
投資家には資金調達の選択肢が増えることになります。物言う株主になるよりも配当を優先したい投資家にとっては気になるところでしょう。

今後、種類株市場が充実していけば、同様の種類株導入を考える企業も増えていくと思われます。具体的な伊藤園の定款一部変更案はこちらでご確認下さい。

(バナーの利用は伊藤園様よりOKもらいました。)