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司法書士法人ファルコは商業登記・会社登記・法人登記を中心とした企業法務コンサルティングに特化した専門家集団です。

ブログ

2008年10月24日

会社代表者性善説

昨日は港支部セミナー「公益法人制度改革関連法令およびそれらに関わる法人登記事務通達について」でした。
雨の中ご出席頂いた皆さんありがとうございました。次回の港支部セミナーは11月18日、テーマは成年後見(講師は山崎政俊会員です。)

今日は虚偽登記のニュースから。

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無断で実兄を役員登記-刑法抵触の疑い【山本商事会社】 
(2008.10.24 奈良新聞)

   山本商事会社=御所市古瀬、
山本健二社長(57)=の同族会社による公共工事の入札疑惑が問題になっているが、
山本社長の妻や長男などが代表取締役になっている会社10社のうち8社で、東証・
大証に上場している大手企業会社の幹部社員である実兄(59)が取締役や監査役に就任していたことが23日、明らかになった。
実兄の勤務する会社によると、「本人は役員になっていることは知らなかった」と話しているといい、
刑法第157条の公正証書原本不実記載の疑いが出てきた。

 

東京の会社ではないので、個人的に直接事件に巻き込まれることはありませんが、上記のようなパターンで、
「役員変更登記お願いしま〜す。」みたいな依頼があると、ほとんどの司法書士は受託してしまうんだろうなと思います。

会社代表者と面談し、本人確認し、委任状に真正な会社代表印を押印してもらうと、これ以上は「会社代表者の言いなり。」

「これが弊社の登記簿謄本です。」

「これが弊社の定款です。」

「株主は私一人です。」

「平成20年11月28日に定時株主総会があります。」

「私、妻、私の兄が取締役として全員重任します。」

そして

「役員変更登記お願いしま〜す。」

 

こりゃやられるわな。

 

一般の方はご存知ないかもしれませんが、誰が今の株主か公に証明されるものはありません。株主が誰か、何人かなんて相手の言いなり。

司法書士は会社代表者性善説の立場。

言われるがまま登記して、こんなニュースが飛び込んできたら、クラクラします。

もちろん司法書士が関与せず、会社が自ら登記申請を行うこともあるんでしょうが、可能性としては司法書士の関与は多いんでしょう。

怪しい客には、司法書士が完全に納得するまでとことん司法書士から質問しなければなりません。疑いだしたらキリがない。

ちょっとだけぼやいてみました(笑)。

 

2008年10月22日

金融商品取引業者の登録に必要な資本金の額を満たしていないものの,金融商品取引業を行う旨を目的に掲げる株式会社の設立の登記の取扱いについて

微妙(?)な通達が出ました。

平成2 0年9月2 5日
法務省民事局商事課長 殿
東京法務局民事行政部長
金融商品取引業者の登録に必要な資本金の額を満たしていないものの,
金融商品取引業を行う旨を目的に掲げる株式会社の設立の登記の取扱いについて(照会)
金融商品取引業を行う旨を目的の1つに掲げる株式会社の設立登記の申請において,
当該株式会社の資本金の額が当該事業者の登録の要件として法令により定められた額に満たない場合であっても,
当該株式会社が金融商品取引業者に紛らわしい商号を用いているものでない限り,これを受理して差し支えないものと考えますが,
いささか疑義がありますので照会します。

法務省民商第2653号
平成2 0年10月 2 日
東京法務局民事行政部長 殿
法務省民事局商事課長
金融商品取引業者の登録に必要な資本金の額を満たしていないものの,
金融商品取引業を行う旨を目的に掲げる株式会社の設立の登記の取扱いについて(回答)
本年.9月25日付け1法登記1第1021号をもって照会のあった標記の件については,貴兄のとおり取り扱って差し支えないものと考えます。

 

資本金の額が許認可の要件となっているものは、この他に一般労働者派遣事業などいくつかありますが、
今まではあまり気にせず設立してきました。

資本金1円で事業目的に(一般)労働者派遣事業とあっても、ただ資本金の要件を満たすまで、許認可が受けられないだけ、
設立登記できないという訳ではありません。

通達では「資本金の要件を満たしていなくても登記は受理する。」といった今までの原則通りのもので、回答としては妥当と思われます。

しかしながら気になるのは

「紛らわしい商号を用いているものでない限り」の部分。

登記の可否は登記官の判断となるようです。せっかく類似商号調査も楽になったし、
目的の適否も以前の運用と比較すると格段に楽になったのに、
紛らわしいか紛らわしくないかという今までにない適否が厳格に求められるのは現場としては勘弁してもらいたいところ。

しかしながら紛らわしい表示で被害に遭う一般消費者のことを考えると一理あるなという側面もあります。

この通達が金融商品取引業者に限られるのか、他の業種にも拡大して当てはまるのか、今後の運用に注意したいところです。

今日はギャグなし。では。

 

2008年10月06日

中国では商号に英語表記はNGのようです。

ちょっと前のニュースですが、平成20年10月1日より松下電器産業がパナソニックに社名変更しました。
国内外含め全てがパナソニックに統一されたと思っていましたら、こんな記事。

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「松下」の社名、中国で残った…市場名はPanasonic
(10月1日 サーチナ・中国情報局)

 松下電気産業は1日付で社名・ブランド名を「パナソニック」に変更したが、
同グループの中国の関連会社では「松下」の名称を継続して使う。

 パナソニック広報によると、中国ではカナやローマ字での会社登記が認められない。
そのため特例として、松下電器(中国)有限公司、松下電工(中国)有限公司など、正式社名に従来の名称を使いつづける。

どうやら中国では、まだ英語表記だとブランドイメージも浸透しないようです。

松下電気産業は、今回「パナソニック株式会社」に商号変更しましたが、日本では商号の英語表記も認められる(平成15年2月から)
ため、「Panasonic株式会社」でも登記は受理されます。

最近の受験生や合格者は平成15年2月以降に勉強を開始した方がほとんどのようですから、
商号に英語表記が認められない時代をご存知ない方も多いでしょう。

当時(平成15年2月頃)はインパクトのある運用の変更でしたが、ご存知のように最近では英語表記の会社かなり多くなりました。
しかしながら「株式会社」という文字は社名のどこかに入れないといけませんから、商号として「Panasonic Corporation」
だけでは受理されません。

ちょっとダサイかもしれませんが、
「Panasonic株式会社」か「株式会社Panasonic」になってしまいます。あまりないかもしれませんが、もちろん
「Pana株式会社sonic」という変化球もありっていえばありです。

 

2008年08月25日

本社を持たないバーチャルLLCの設立

今日は変わった海外のニュースから。

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バーチャル企業のLLC設立が可能に〜バーモント、デラウェア対抗の新法制定
(2008年08月22日  U.S. FrontLine News)

 長年にわたって、
米国ではデラウェア州が企業法人を登記するのに最も有利な州とされてきたが、バーモント州がその地位を奪う可能性が出てきた。
バーモント州で6月に制定された新法がその理由だ。

 インベスターズ・ビジネス・デイリー紙によると、バーモント新法によって、
インターネット分野の新興企業のようなバーチャル会社が、本社を物理的に持たず、物理的に集まる役員会を開かず、
紙の書類すら提出しないまま、有限責任会社(LLC)を同州で設立できるようになった。全米でも初めての例だ。

 新法では、ブログやテキスト・メッセージング、ソーシャル・ネットワーキング、
「セカンド・ライフ」のような仮想世界サイトだけで事業を営む企業をLLCとして企業登記を認める。

司法書士的には、馴染みのあるデラウェア州。アメリカの外国会社というとかなりの割合で関与するのがデラウェア州ですが、
この記事の通りだとするとバーモント州もそのうちかなりの数出てきますね。
(バーモント州も法人税などそこそこ稼げる州になるということです。)

さすがに私の関与先で今までバーモント州はなかったような気がします。それが場合によっては、
バーモント州ばっかりという時代の到来でしょうか。

施行は2009年7月ということですから、早ければ来年、

「バーモント州法で設立された「本社を物理的に持たないバーチャル会社」の日本における営業所を設置して下さい。」
という依頼があるかもですね。しかし本社もないくらいですから、バーチャル会社に日本における営業所もありえないか(笑)。

しかし取引条件などで「日本に登記だけ入れて下さい。」みたいな話もない訳ではないので、
いざ依頼があったら空白の本店をどうするか法務局とガチで相談することになりますね。

 

遠い将来、事務所がなく、バーチャルな「ひよっこ支部長の司法書士ブログ」しか持たない司法書士法人というのもありえない話ではない?
??

しかし日本でも「紙の書類すら提出しないままLLCが設立できる」となると、そもそも司法書士の飯の種はどこに(笑)?

なんか疑問だらけになってしまいました。

 

2008年08月21日

宮崎のローカルニュースだけど。。。

毎年この時期はネタを仕入れるのに一苦労。ただでさえ夏場きついのに、オリンピックの報道で、
今日ももう1時間30分を経過してしまいました。

仕方ないので、ちょっとローカルねた。

今年の夏も宮崎に帰省しました。帰省した日は8月9日、私の誕生日。久しぶりに宮崎のローカル新聞を手に取りました。

すると一面トップに

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志多組 取引先1000社超 衝撃走る
(2008年08月09日asahi.com)

記者会見で謝罪する志多宏彦社長=宮崎市橘通東1丁目の宮崎商工会館

 県内最大手の建設会社、志多組(宮崎市)が8日、
民事再生法の適用申請に追い込まれた。負債は今年、九州で倒産した企業で最も多い278億円。「県を代表する総合建設会社」
(東京商工リサーチ)だけに、関係者の衝撃は大きい。その上、同社の下請けなど取引先は1千社以上に及び、
連鎖倒産の不安が業界に広がる。入札改革を続ける県の政策にも影響を与えそうだ。

「債権者の皆様に多大なご迷惑をかけていることを申し訳なく思っています」。
8日夕から宮崎市で開いた記者会見で、志多宏彦社長が県内外の関係先に謝罪した。

宮崎の方でない方には、「ふーん。」程度のニュースかもしれませんが、宮崎では最大手の会社のニュースです。
宮崎ではインパクトの大きなニュース。いろんな人が大なり小なりかかわっています。

私は宮崎出身ですから、8月8日の時点で知っていたので、ニュース読んで驚くことはありませんでしたが、

 

 

実はこの「志多宏彦社長」、私の高校時代の同級生。しかも大学も一緒。

 

 

記者会見の模様

http://mytown.asahi.com/miyazaki/news.php?k_id=46000000808090002

真ん中で若いのに、頭を下げているのが、「志多宏彦社長」

 

志多くんとは、宮崎に帰れば1年ぶりに飲めると思っていましたが、帰省したら、あの騒動。当然出席もなし(というか連絡できませんでした)。
当然、同窓会で会ったみんなが心配していました。

私なんか小さい事務所の所長というだけで、ストレス溜まって頭痛がしたりしています。彼の本当の本音は分かりませんが、
ものすごいストレスを抱えているのは確か。オリンピックで期待に応える選手抱えるプレッシャーも想像できないところにあると思いますが、
今の彼のストレスやプレッシャーも我々の想像できない領域。

こんな大変な時期の「志多宏彦社長」がこんなブログを読むとも思えませんが、一言。

 

「てげてげでいいちゃが。」

 

でも

 

「頑張れ!」